2013年06月20日(木)08:39 
◆致知出版社の「人間力メルマガ」-----2013年6月19日 ◆



     「社会の荒みをなくしたい」という一念で、
約半世紀、掃除の道を貫いてこられた
イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏。

一代で日本を代表するカー用品会社を育て上げる一方、
      氏を中心とする掃除の会は国内外に
百三十か所を数えるまでになりました。

      その鍵山氏と、公文教育を世界に広めた
      名経営者の杏中保夫氏の対談記事が
      現在発行中の『致知』7月号に掲載されておりますので、
     その一部をご紹介します。



┌───今日の注目の人───────────────────────┐



       「人生を分ける2文字の差」


          鍵山秀三郎(イエローハット創業者)
 
               
              『致知』2013年7月号
               特集「歩歩是道場」より


└─────────────────────────────────┘


【杏中:鍵山さんはどういう信条で
    事業や掃除に取り組んでこられましたか?】


一つには先ほど申し上げた



「大きな努力で小さな成果を出す」



ですね。それに付け加えれば



「誰にでもできる簡単なことを、
 誰にもできないほど続ける」



これですね。私は何を行うにしろ、この二つが根底にあります。
それから



「自分に与えられた権限、権利。
 それを使い尽くしてはならない」



ということも日常の戒めとしています。

例えば、ホテルに泊まったら歯ブラシでも
髭剃りでもなんでも揃っているけれども、それらは使わない、
二泊三日で部屋を使用する時は
「シーツは替えなくていいです」と予め伝える、
といったことですね。
そのことでスタッフに負担をかけないようにしています。

私の家は留守が多いんです。
それで宅配便の方には
「玄関前にみな置いておいてください」と伝えています。
さすがに冷蔵品冷凍品はいけないとよく思われるのですが
「腐っても文句は言いません」と言っています。

いまは、なんでも自分の権利を精いっぱい使おうという時代です。
これが世の中を悪くしていると私は思うんです。


【杏中:そういえば、ある方から聞いたのですが、
    鍵山さんは「いつも笑顔ですね」と言われた時、
   「私はもともと無愛想な人間です。
    しかし、そういう無愛想な自分の性格に
    あぐらをかかないようにしている」と答えられたそうですね】



ニーチェに



「不機嫌は怠惰である」



という言葉がありますね。


先日もある方が
「自分はぶっきらぼうなので損をしても仕方がない」
とおっしゃっていました。

私はその方に


「あなたは何か損をしているのですか。
 何も損をしていない。
 周りが不愉快なことを我慢して損をしている」


と言いました。

「自分の性格がこうだからしようがない、
 と思うのは我がままです」


とはっきり申し上げたんです。




………………………………………………………………………………
◆ 読者の声 〜わたしの『致知』活用法〜
………………………………………………………………………………

 うまくいかないとき、辛いと感じる時ほど、
 いろいろな記事でとりあげられた方々の困難や努力を思い出し、
 軽々に不満や不服を言わないよう心がけるようにしています。

 そうすることで、大声で主張しなくても、
 いつのまにか周りに力を貸してくれる人や、
 理解してくれる人が現れるようになったように感じます。

                  (女性・50代)

2013年06月18日(火)09:13 
┌───今日の注目の人───────────────────────┐



     「酔いは一瞬で覚めた」


      田中健一(東レインターナショナル元社長)
 
               
              『致知』2013年7月号
               連載第32回「二十代をどう生きるか」より


└─────────────────────────────────┘


もう一つ、私に目覚めるきっかけを与えてくださったのが、
二十代後半に仕えた十歳年上の課長であった。

しばしば酒にも付き合わされ、怪気炎を上げる彼の姿を
当時の私は側でうんざりしながら見ていた。

何か凄いお話をされていることは感じていたが、
それをキャッチできるだけの問題意識がなかったのである。

あの時のお話を少しでもメモしておけば、
いまどれほど役立っただろうかと悔やまれてならない。
それほど才気溢れる方だった。


ある日、その課長の自宅にお邪魔して飲んでいた時、
私は「いつ営業に出してくれるんですか」と
つい愚痴をこぼした。

すると彼は、ガラガラッと傍らの押し入れの戸を開き、
置かれていた木箱を開けて見せてくれた。
木箱の中にはびっしりとノートが詰め込まれており、
その数は恐らく百冊は下らなかったであろう。


「お前は俺がいつも大ボラ吹いていると思っているだろう。
 しかし俺の話はこういうものに裏付けられているんだ」


促されて開いてみると、まず課長自ら描いた
紡績機の設計図が目に飛び込んできた。

そればかりではない、
化学から経済まで、あらゆる分野についての
図や数字がびっしりと書き込まれており、
彼がこれまでどれほど勉強を重ねてきたかが
一目で分かった。


私は雷に打たれたようなショックを受けた。


課長は私におっしゃった。


「いいか、自分たちがつくったものが、
 どこへ売られて何に変わり、
 最終的にどういう形で消費されるのか。

 そこにそれぞれどんな問題があるのか、
 分からなければ商売はできない。
 文句を言う暇があったら勉強しろ」


酔いは一瞬で覚めた。


あの時目覚めたおかげで、私は他社との交渉の際、
例えば原料が足りないという話になった時など、
どのくらい原料があればどれだけ製品をつくれるか、
その場でサッと化学式を描いて計算することができる。

相手も本気になって考えてくれるから、
話が実質的に進むようになる。

二十代の終わりにニューヨーク勤務になった時も、
まだ一ドル=三百六十円で日本品が
コスト競争力があった上に、
私が商談で細かいことまで即答して
先方の必要性に具体的に対応できることが評価され、
面白いようにお客様が増えた。

日本の工場でアメリカ向けに生産される製品の
半分くらいを出していたほどで、
会社での評価云々よりも、
とにかく商売が面白くて、面白くて、一心不乱に働いた。

2013年06月17日(月)12:57 
◆致知出版社の「人間力メルマガ」-----2013年6月17日 ◆


         
         当代随一の天ぷら職人と称される「みかわ」主人の
         早乙女哲哉氏。

         十五歳で修業の道に入り、調理技術を名人芸にまで
         磨き上げた早乙女氏の手腕はいかにしてでき上がったのか。
        
         氏のインタビュー記事が、現在発行中の
        『致知』7月号に掲載されておりますので、
          その一部をご紹介します。



┌───今日の注目の人───────────────────────┐



     「クリエイターに必要な三要素」


          早乙女哲哉(天ぷら「みかわ是山居」主人)
 
               
              『致知』2013年7月号
               特集「歩歩是道場」より


└─────────────────────────────────┘


(修業に入った老舗天ぷら屋で)始終考えていたのは
「天ぷらとは一体何か」ということ。

自分のしていることを具体的に言葉で説明できなければ、
きょうは調子がよかった、悪かったという話で終わってしまい、
コンスタントな仕事ができない。

そこで先述したように、自分の行動に
「いまがベストか」と必ず問答を掛けるようにし、
少なくとも天ぷらに関しては、
どんな質問を投げかけられても
全部答えられるようになろうと誓いました。


例えば天ぷらを「揚げる」とはどういう状態を言うのか。
私の出した結論は「蒸す」と「焼く」とを
同時進行で行う、ということです。

油自体は火がつく寸前の三百六十度近くまで
あげることができますが、
天ぷらの衣や魚には水分があるため、
揚げている素材は百度を超えることがありません。

揚げるというよりは、百度で「蒸して」いる状態です。

しかしそのまま油に入れておくと、
徐々に水分が抜けていき、
完全に水が抜け切ったところは、
百度から一気に二百度近い温度へと飛ぶ。

すると百度で「蒸す」のと、
二百度で「焼く」調理とが同時進行で始まるのです。

その原理を認識していれば、魚のクセを取ったり、
衣をいかにつければよいかといったことが
自分自身で把握できるようになります。

理論はよく分からないが、
油の中に入れていれば勝手に揚がるなどと思っていると、
自分から何かを仕掛けていくことなど不可能で、
経験が蓄積されていきません。

詰まるところ、魚も、野菜も、
元は皆生きるために海の中にいたり、
野にあったりしたもの。

それを、料理人は食べるために
置き換える作業をしなければならない。

いま、どこの料理の世界でも、
奇をてらったようなものが大流行りですが、
果たしてそれは本当においしいと言えるのか。
お客さんに面白い料理だと喜ばれればそれでいいのか。

真のクリエイターとは、
科学者であり、数学者でもあり、
なおかつ優れた感性がなければいけない
というのが私の考えです。

従ってお客さんから「おいしいですね」と言われたら、
「えぇ、そうやって揚げてます」と答えられる。
天ぷらがおいしく揚がるよう、
結果が必ずそうなるよう、
一挙手一投足、計算し尽くした中でものづくりをしている、と。

それは即ち次に来ても、
そうやって揚げられますよということであり、
この次も気を抜かずやらなければいけない、
という自分自身への戒めでもあります。

■2013年06月13日(木)17:35  二宮金次郎7代目子孫の中桐万里子氏。
あるひとが言いました。
水は高いところから低いところに流れるもので、
ひともまたこれと同様、放っておけば
善きから悪しきに流れるものだと。

しかし、金次郎は
「それはまた、現実とはほど遠い観念論だ!」と反論します。

そして、
「生きている水は上へと向かっているのではないでしょうか?
 なんならいまここで、貴方の頭をたたき割ってみましょうか?
 きっと血が上へと吹き出るはずでしょう」
と言い大笑いをしたのです。

                         ※出典不明

=======================================================================


これも、わたしのお気に入りのお話です。

一般に、水が高きから低きに流れるように、
人間もまた放っておくと高きから
低きに流れやすいから気をつけるように……
といった教訓めいた話はよく聞きます。


しかし金次郎は、そうした世界観を持っていないことを
ここで宣言しています。

たしかに、雨は天から地へと降下してきます。
そして地に落ちた雨は地中へと、さらに降下します。

しかし、たとえば樹木や人がそこに関与するならば、
水は「上へ」という方向性を帯びはじめます。

地中の水を根が吸い、地上の幹や枝や葉へ。
地下深く井戸を掘り、地上の生活へ。
そして身体に取り込まれ、水となり血となり、足の先や頭の先へ。

金次郎は、下ったものがふたたび上ろうとするこの方向にこそ、
「生命」や「暮らし」をみていたのではないか……。
「上へ」という力を、生命があり、
人間がいる証だと感じていたのではないか……。
そう思うのです。


ふざけているお話のようでもありますが、
わたしはこうしたところにこそ、
金次郎の人間観、人間へのつよいつよい信頼の思いを感じます。

放っておくと高きから低きに流れるのが人間だとする考え方は、
基本的な人間への信頼を欠いた発想です。


たとえばわたしなどは、
「教育」や「矯正」が必要だと叫ばれるとき、
根底にこの匂いをかぎつけてしまうと、
どうもそこに独善的な響きを感じ、
途方もない不愉快さを味わったりもします。

これらが他者の悪性を前提にした発想であり、
悪性に向けた言葉だからです。


けれど、金次郎は違いました。


彼は信じていたのでしょう。


人間が、低きから高きへと向かって
生きている存在であることを。

人は、誰もがみな幸福になりたいと精一杯、
必死で生きていることを。


ここで彼が軽やかに、明るく笑うのもまた、
きっとそんな人間の善性への信頼や他者への
たしかな希望を物語っているのだろうと思うのです。

もし頭の上をたたき割れば、わたしの血だって
たぶん思いっきり上へと向かって噴き出すと思います。

金次郎おじいちゃんは、そんな「上へ」と向かう生きた血が、
わたしにだってちゃんと流れていることを
いつもいつも信じてくれています。

なぜ自分がこのお話が好きだったのか……
今回あらためて想いを馳せつつ、
そんな場所にたどりつきました。

2013年06月10日(月)09:23 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆ 支持率好調、原則貫く対北政策 ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛
●韓国・朴大統領就任100日

 韓国の朴槿恵大統領が4日で就任100日を迎えた。最近の各種世論調査による
と支持率は50%台〜60%台と比較的好調で、特に原則を貫き予想以上に断固な北
朝鮮政策への共感が目立つ。ただ、一方で側近のわいせつ疑惑などが発覚した人
事には厳しい批判も集まっている。
(ソウル・上田勇実)
────────────────────────────────────
●人事に批判、日韓関係は冷却続く

 韓国大手紙・朝鮮日報が世論調査機関メディアリサーチに依頼して実施した調
査の結果によると、朴大統領の国政運営に対し「よくやっている」との回答が全
体の65%に達し、「よくやっていない」の24.3%を大幅に上回った。

 また韓国ギャラップの調査結果では「よくやっている」が52%で、こちらも
「よくやっていない」の23%を大きく上回った。

 支持率好調の理由は朴大統領の北朝鮮政策に対する共感にあるようだ。北朝鮮
は朴大統領の引き継ぎ期間から各種の挑発を始め、3回目の核実験、休戦協定白
紙化や戦闘勤務態勢の宣言、開城工業団地への通行統制と現地従業員撤収など息
つく暇もなく韓国をはじめ周辺諸国を圧迫した。

 このような状況の中、朴大統領は核を容認せず、北朝鮮の揺さぶりにも動じな
い原則主義と断固たる姿勢で比較的順調に危機を乗り越えた。こうした手腕が評
価され、メディアリサーチ調査では朴大統領の対北政策について「共感する」が
74.6%に達している。

 朴大統領の場合、大きな失点がないことも支持率を下支えしている。前任者の
李明博大統領は就任早々、米国産牛肉輸入再開を発端に起こった反政府ロウソク
大規模デモに連日悩まされ、就任100日後の支持率がわずか10%台〜20%台だっ
たのとは対照的といえる。

 だが、側近人事では厳しい評価が圧倒的だ。閣僚内定者が道徳上の問題などで
相次ぎ辞退したのに続き、朴大統領の外交デビューとなった先の訪米では現地で
わいせつ行為を働いた疑いで青瓦台(大統領府)スポークスマンが更迭され、メ
ディアなどから「人事惨事」などと揶揄された。

 韓国の場合、閣僚などの政府高官は国会での人事聴聞会という“関門”を無事通
過しなければならないが、その際、必ず問題視されるのが本人や家族による脱
税、兵役忌避、住居不正移転など道徳的欠点の有無だ。

 朴大統領の人事は以前から「ごく少数で決める」といわれ、こうした問題の有
無をチェックしきれないのが難点。結局、そうした人事スタイルに批判が集中した。

 朴大統領は、軍人出身の父、朴正熙元大統領譲りか、性格は男性っぽいといわ
れ、それが「安全保障では功を奏しているが、きめ細かさや疎通など女性的側面
が求められる人事では裏目に出ている」(崔進・京畿大学政治専門大学院教授)
ようだ。

 一方、朴大統領就任以降、日韓関係は冷え込んだままだ。李前大統領が任期末
期に竹島に突然上陸したりしたことで「最悪の状態になった」(在韓日本大使館
関係者)日韓関係は、朴政権下になっても橋下徹日本維新の会共同代表などによ
る従軍慰安婦問題をめぐる発言などが原因で「日本国内の雰囲気が改善されなけ
れば首脳会談はもちろん、その他の高位級交流も簡単ではない」(尹炳世外交
相)とする厳しい声が聞こえる。

 日韓関係に詳しい陳昌洙・世宗研究所副所長は「両国政府とも相手との交流や
意思疎通自体が減っていたり、相手を理解しようという思いが欠けているのが問
題」と指摘する。

 朴大統領は今月下旬に中国を公式訪問するとみられており、韓国大統領の外遊
先は「米国の次は日本」という慣例まで破られることになりそうだ。

2013年06月09日(日)10:35 
    ある高校で夏休みに水泳大会が開かれた。
   
    種目にクラス対抗リレーがあり、
    各クラスから選ばれた代表が出場した。

    その中に小児マヒで足が足が不自由なA子さんの姿があった。
    からかい半分で選ばれたのである。

    だが、A子さんはクラス代表の役を降りず、
    水泳大会に出場し、懸命に自分のコースを泳いだ。

    その泳ぎ方がぎこちないと、
    プールサイドの生徒たちは笑い、野次った。

    その時、背広姿のままプールに飛び込んだ人がいた。

    校長先生である。

    校長先生は懸命に泳ぐA子さんのそばで、

   「頑張れ」  「頑張れ」と声援を送った。

    その姿にいつしか、生徒たちも粛然となった。


             (ポケット名言集  小さな人生論より)
                               

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