2014年09月29日(月)09:14 
いま算盤の効用が見直され、
人気が再燃しています。


算盤製造のトップシェアメーカー
トモエ算盤。


大正9年創業の老舗でありながら、
高齢者の認知症予防を目的にした教室や
海外での算盤教室など、
斬新な取り組みを行っています。


伝統と革新をうまく融合させている
2代目社長の藤本トモエさんが語った
「発想法」とは――。


┌───────今日の注目の人─────────┐


    「固定観念に囚われない発想法」
        

     藤本トモエ(トモエ算盤社長)

      
    ※『致知』2014年10月号
     連載「第一線で活躍する女性」より


└───────────────────────┘


――お父様が残された算盤と
  ご自身が培ってきた経験を融合され、
  新たな道を開拓されたのですね。


やっぱり教えるということが自分に向いていたというか、
興味のあることだったので、
そこからどんどん算盤の世界に入り込んでいきました。


特に2000年にはハーバード大学で
「マルチプルインテリジェンス」という理論を学んで
非常に刺激を受け、自分の教育観にも影響がありました。


多重性知能ともいうのですが、
人間には誰しも8つの知性が備わっていると。


日本では言語や数学的・論理的な能力のみを
「知性」と呼んでいますが、
方向感覚やリズム感、芸術センスなどに加え、
対人関係能力や自身を深く内省する力も、
大切な知性だといっています。


そして、よく自己分析をして、
自分の高い知性を使って学習すると
他の知性も伸びることがあるそうなんです。


だから算盤も、一方的に読み上げ算をやり続けるだけでなく、
例えば運動しながら算盤をやったらどうだろうかとか、
創意工夫をして様々な教授法を考えるようになりました。


――運動しながら算盤とは、
  子供たちも楽しみながら学べそうです。


たぶん、私自身が子供の頃、
算盤塾に行っていなかったのがよかったんだと思います。


人間は自分がやってきたことを
肯定してしまうんですね。


その点、私には「算盤塾ってこういうもの」
という概念がないから、
真っ白なキャンバスに「こうしたらどうだろう」という算盤塾を
自由に思い描けたんじゃないかと思っています。


――何も知らなかったからこそ、自由な発想でやれたと。


そうですね。


そしてそれらを実践する中で
算盤の価値、素晴らしさに気づくことができました。


算盤はやればやっただけ確実に上達して、
達成感を味わうことができるんですね。


例えば書道で金賞と銀賞を決める時、
どっちがうまいかを判断するのは先生です。


あるいは少年野球でどの子がレギュラーになるかも、
最終的には監督の裁量が挟まれます。


しかし、算盤の検定は7分以内にどれだけ正確にやれるか、
結果がビシッと出ます。


誰かに付け届けしたからいい成績になる
なんていうことは絶対にない。


ある意味とても気持ちのいい結果が出ますから、
努力すればした分だけ結果になって表れ、
子供たちの自信になると思っています。


教室の壁に、


「practice makes perfect(練習は不可能を可能にす)」


と貼っていますが、そういう精神を
算盤を通して子供たちに植え付けていきたいですね。

  * *

子供から大人まで
人間の脳を活性化する算盤。

その驚くべき効用とは?

さらに、夫と父親を立て続けに亡くされた
藤本さんが語った
「苦境を乗り越える秘訣」とは――。

……この続きは『致知』最新号(10月号)P102〜P104をご一読ください。

2014年09月24日(水)08:44 
“国民教育の師父”と謳われ、
SBIホールディングスの北尾社長や
レスリング指導者のアニマル浜口さん等々、
数多くの指導者が敬愛してやまない
教育哲学者・森信三先生。


生前、月刊『致知』以外には
一切マスコミに登場されなかったことから、
在野の哲人とも称されています。


本日は、その森信三先生の
誕生日ということにちなんで、
森信三先生の代表的な教えの一つ
「しつけの三原則」を紹介します。


┌───────今日の注目の人─────────┐


       「しつけの三原則」
        

       森信三(教育哲学者)

      
    ※『致知』1985年11月号


└───────────────────────┘


 1、朝、必ず親に挨拶をする子にすること。


 2、親に呼ばれたら必ず、
   「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること。


 3、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、
   席を立ったら必ずイスを入れる子にすること。


じゃ、このしつけのコツはというと、
まず、母親自身が、ご主人に対して
朝の挨拶をハッキリするようにし、
また、ご主人から呼ばれたら、
必ず「ハイ」とはっきりした返事をするように
努力することです。


この「ハイ」という一語によって、
その人は「我」を捨てるわけです。


つまりそれまでの意地や張りの一切を
投げ捨てるわけです。


同時に、それによって当の本人はもとより、
一家の人びとの雰囲気までが変わりだす。


昔ね、登校拒否の中学生をもって
困り抜いたお母さんから相談を受けたんですがね、
その解決法はただ一つあるだけで、
それは明日からあなたがご主人によく透る声で
「ハイ」と返事をされることですといった。


その人はその通りしたんでしょう、
その子どもはその後11日目には
もう登校しだしたとのことでした。


「ハイ」という言葉が本当にいえたら、
非行少年でも徐々に変わってくる。


ところが、本当に「ハイ」がいえる婦人は
100人のうち、2、3人じゃないかな。


表現を変えればね、これだけの俸給を得るために、
主人がどれほど下げたくない頭を下げ、
いいたくないお世辞をいっているか――


ということのわかる奥さんにして、
初めて聡明な母親となるわけです。

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