2013年12月27日(金) 

┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
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┗━┛『徳洲会問題・高速道路運営・後発薬医薬品
                  〜目的に基づいて解決策を考える』
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徳洲会問題 東京都・猪瀬知事が辞表を提出
高速道路運営 本州四国の債務を本州3社と統合へ
後発薬医薬品 発売時の価格 引き下げ幅を縮小

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▼ オリンピック利権と築地利権に見る都知事陣営の思惑
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東京都の猪瀬直樹知事は19日、医療法人徳洲会グループから
5千万円を受け取った問題を受け、都議会議長に
辞表を提出しました。

その後、都庁で記者会見し、
「私の問題でこれ以上都政を停滞させるわけにはいかない」
と辞職を正式表明。

猪瀬氏の辞職に伴う都知事選は来年2月までに行われる見通しで、
与野党は都知事選の候補者擁立に向けた調整を始めています。

小泉元総理が都知事選に出馬するのでは?という噂がありますが、
そうなったときには近年、石原元都知事とその取り巻き連中が
独占してきた利権(オリンピック利権と築地利権)が終焉を
迎えることになるでしょう。

猪瀬氏や亀井氏の先に見えるのは、石原元都知事です。

かつて東国原氏が東京都知事に出馬するとなったとき、
大揉めした挙句、石原慎太郎氏が再び都知事に立候補したのは、
オリンピック利権と築地利権を手放したくないという理由が
大きかったはずだと私は見ています。

今回、猪瀬氏が退陣し、次の都知事はどうするのか?
という話になります。

石原陣営としては、最終手段として石原伸晃氏の招聘も
考慮しているはずですが、小泉元首相が出てくるとなると、
さすがに伸晃氏でも敵わないでしょう。

オリンピック誘致で盛り上がる反面、裏側では
こうしたダーティな部分も存在しているのが、実態です。

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▼ 米国を真似しただけの高速道路経営の分割の愚
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本州と四国を結ぶ高速道路会社の経営支援を巡り、
国土交通省は18日、同社の債務を来年度から本州の
高速道路会社3社と統合する方向で最終調整に入りました。

国と地方自治体は同社に対する出資を今年度限りで
打ち切る方針を決めており、自力で債務を返済するのは難しいと判断。

今後は主に他社の料金収入を本四高速の債務返済に充てるが、
本州3社の利用者から反発も出ると予想されます。

交通量、収益、債務残高の経営指標を見ると、単純に
債務残高を収益で割った理屈の上では、本州3社が20年以内に
返済が終了する一方で、首都高速は21年、阪神高速は23年、
本州四国は33年という返済期間になることがわかります。

本州四国の33年というのは、実質的に返済不可能と
言っても良いでしょう。

本州四国はもう単独では経営が成り立たない状況ですが、
私に言わせればそもそも高速道路を東や西などに
分割していること自体がおかしいと思います。

JRやNTTなども同様ですが、東や西などの地域ごとに
分割するというのは、単に米国を真似しただけであって、
本質的な意味はありません。

きちんと経営が成り立つように、競争力が保てるように、
日本全国一体になって事業を進めれば良いと思います。

その上で、料金も「橋だけ高くする」というような
ことはせず、普通の高速道路と同じにするべきです。

所詮、橋を渡る料金だけを高くしたところで、
さほど効果はありません。

無意味な分割をやめて、本州に合算し統合した形で
経営を進めてほしいと思います。

今、それに向けてようやく第1歩を踏み出した
というところでしょう。

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▼ ジェネリック製品の導入の本来の目的を忘れないこと
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厚生労働省は18日、特許が切れた新薬と同じ有効成分で作る
「後発医薬品」の発売時の価格を、新薬の7割とする
現行水準から同6割に引き下げる新たな案を示しました。

医療費削減につながる後発薬の使用を促すため、
当初は5割に下げる方針でしたが、製薬業界の反発を受け修正。

来年4月の実施を目指すとのことです。

本来であればジェネリック製品の価格は競争によって
自由に設定されるべきなので、国が発売時の価格を6割、
5割と定めるというのはおかしな話です。

米国の例を見ると、ジェネリック製品はおよそ現行薬品の
20%程度の価格に落ち着いています。

発売時の価格は国が定めた基準に従うにしても、
その後の価格は市場の価格形成力で自然と決定されるように
ならないと、ジェネリック製品を導入する意味がありません。

医療費の削減を目指しているのに、それが5割・6割で
止まってしまったら大したことがないからです。

またそのためには、日本の医師がジェネリック製品に
「慣れる」必要もあると思います。

実際にジェネリック製品を使ってみたり、
どういうジェネリック製品があるのかシステムで検索できる
ようにすることも大切でしょう。

医療費を削減するという、ジェネリック製品を導入する
本当の狙いからズレることがないように注意してほしいと思います。

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この記事は12月22日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております。
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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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厚生労働省は「後発医薬品」の発売時の価格を、
新薬の6割に引き下げる新たな案を示しました。

一見、インパクトのある案にも思えますが、
そもそもジェネリック製品の導入の目的は一体何なのでしょうか?

本来は肥大化している日本の医療費削減を目的としており、
製薬メーカーが自由に価格を設定し、競争することで、
はじめてジェネリック製品導入の効果が生じます。
 
しかし、国が製薬業界からの反応を窺って、
基準を設定しているのが実情です。

問題解決を行う際、障害となることはたくさんありますが、
常に本来の目的を念頭に置いておくことで、
軸がぶれることなく解決までの筋道が見えてきます。

2013年12月20日(金) 

┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『防衛計画・税制改正・公的年金運用〜類似した組織に目を向ける』
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 防衛計画大綱 中期防衛力整備計画固め
 税制改正 2014年度税制改正大綱を決定
 公的年金運用 海外インフラ投資を開始

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 ▼ あれだけ反対していたオスプレイを自衛隊に。
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 政府は13日、中長期の安全保障政策の指針となる防衛計画の大綱と
 中期防衛力整備計画での自衛隊の装備目標を固めました。

 2014年度から5年間の目標を示す中期防では、
 米軍が開発した垂直離着陸輸送機オスプレイを17機、
 水陸両用車を52両購入する方針を明記。

 軍事力を高める中国を念頭に離島防衛や機動力を重視した
 装備を整えるとのことです。

 米国としては、嬉しくてしょうがない状況でしょう。

 中国と日本がもめることで、日本が米国から武器を購入する
 流れになっています。

 グローバルホークなどの無人機に加え、かつて米軍が
 日本国内で使用するのを反対していたオスプレイまで、
 自衛隊で保有することになりそうです。

 日本は戦闘機が離発着できる空母を保有していないので、
 ヘリコプターとして離発着できるオスプレイは非常に
 使い勝手が良いと思います。

 尖閣領域から石垣島までカバーすることができるでしょう。

 あれだけ米軍のオスプレイに国中で大騒ぎをしていたのに、
 自衛隊が保有するという手のひら返しには少々呆れてしまいます。

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 ▼ 交際費を拒否する英国の潔癖性とカナダの年金運用ノウハウ
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 自民、公明両党は12日、2014年度税制改正大綱を決めました。

 生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率については
 「消費税率10%時に導入する」とし、一方、自動車の購入時にかかる
 取得税の引き下げなど、来年4月の消費増税をにらみ景気に配慮した
 措置も盛り込むとのことです。

 細かい項目を見ていくと、例えば交際費を50%まで
 非課税にするというものがあります。

 私はいまだにこのような項目を追加しようとすることが、
 残念でなりません。

 交際費が認められるから、飲みに行くというのは筋が違うでしょう。

 またそもそも最近では、飲み会や会食の数も減り、2次会・3次会と
 遅くまで飲み歩く人はかなり減ったと思います。

 ゆえに、交際費を非課税にできます、と言われても
 どれほど効果があるのかは疑問です。

 以前、英国の労働党の議員の大阪での接待に
 同席したことがあります。

 食事を終え、会計のときになって、彼らは金額を確認させてくれ、
 と言いました。

 日本側の役人は渋りましたが、結局金額を確認した彼らは、
 こんな高額の食事をご馳走になったら賄賂になるので
 自分たちの分は自分で支払うと言いました。

 英国の議員が自腹で払っているので、自分たちも支払わざるを
 得なくなり、日本の役人は非常に困っていました。

 今、日本でも飲み会や会食が減り、
 社会が英国化しつつあるのかも知れません。

 英国人が持つ潔癖性を日本人も身につけてほしいと思います。

 交際費が認められるから飲みに行くという、
 みっともない行為はやめてほしいと思います。

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は
 カナダで最大規模の公的年金基金・オンタリオ州公務員年金基金(OMERS)
 と組み、海外のインフラ投資を始めます。

 これは非常に良いことだと思います。
 日本のGPIFには経験がありませんから、学べることは多いはずです。
 
 オンタリオ州公務員年金基金は運用もスマートですし、
 結果も出しています。

 さらに日本にとって有益だと思うのは、米国のそれと違って
 「普通のサラリーマン」が世界のことをよく勉強し、公共投資を行って、
 リターンを得る仕組みを作り上げていることです。

 米国の場合、一部のスーパースター的な存在の人が、
 日本のサラリーマンでは考えられない報酬を得ていることもありますが、
 カナダの場合にはそういうことがありません。

 日本に近い環境だと思います。

 カナダに目を向けたことも良いですし、その中でも
 オンタリオ州公務員年金基金を選んだのも慧眼だと言えるでしょう。

 ぜひ、多くのことを学んでほしいと思います。

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 この記事は12月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの
 内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております。
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 ▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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 日本の公的年金を運用するGPIFが、カナダの公的年金基金と組んで、
 海外のインフラ投資を始めることを発表しました。

 経験のないGPIFにとって得るものが大きい良きパートナーと
 大前は解説していますが、他国の公的基金と比べてカナダの
 どういった点が優れているのでしょうか?

 大前は、組織としての類似点を挙げて解説しました。

 米国のように一部の優秀な人材に高い報酬を払って頼るのではなく、
 基金の職員たちが投資を行うカナダの運用体制は日本と似ています。

 環境が似ているカナダから、日本にはないノウハウを吸収することで、
 日本の年金運用は短い期間で大きく変わるかもしれません。

 変革が必要な組織において、まずは自社と類似した組織に目を向け
 成功ノウハウを観察することで、短期間で実現可能性の高い
 改革案が見えてくることがあります。

2013年12月13日(金) 

┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『中朝貿易・中国大気汚染・中国共産党・中国白酒大手
                   〜取り組みの阻害要因を理解する』
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 中朝貿易 中朝国境のつり橋 橋桁が連結
 中国大気汚染 12月に入り広範囲でスモッグ発生
 中国共産党 汚職疑惑めぐり 周永康氏を本格調査
 中国白酒大手 銀基集団控股 最終赤字約102億円

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 ▼ 中国と北朝鮮の交流。移民の出入国管理が難しい。
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 中国遼寧省・丹東と北朝鮮シニジュの間で3年前から進められている
 つり橋の建設で橋桁の連結する作業が終了しました。

 完成は来年9月の見通しとのこと。これまでは道路と線路を
 古い橋1本でつないだものが、中朝間の物流の7割以上を賄っており、
 新たな橋が開通すれば両国間の貿易が活発化しそうです。

 中国と北朝鮮の国境は長く、過去には国連が主導して
 デルタ開発計画を立案したこともありました。

 中国とロシアと北朝鮮の国境付近です。

 しかし結局は空振りに終わってしまいました。

 今、中国遼寧省・丹東から北朝鮮シニジュに至る新鴨緑江大橋を
 建設しており、中国側、北朝鮮側の左右から建設してきた橋が、
 ようやく真ん中で連結しました。

 この後、税関の設置や諸々整える作業があり、その完成が
 来年の9月になる見込みとのこと。

 もし両国の関係が正常化すれば、物流はかなり活発化するもの
 と思いますが、出入国管理が大変な面もあるので、
 それほど簡単にはいかないとも思います。

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 ▼ 中国が抱える問題。汚染大国、汚職大国としての中国。
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 中国中央気象台の公式サイトによると中国・中央気象台の
 公式サイトによると、12月に入って、中国の中・東部地域は
 広範囲にわたってスモッグが発生。

 濃霧注意報を出した4日には、多くの地域で汚染レベルが4〜5級。

 局地的に6級という最重度汚染のレベルに達したとのこと。

 今週はソウルでも視界が500メートル以下になり、
 上海、南京、広州でもPM2.5の影響で
 かなりひどい事態になっています。

 韓国は遠慮していて、中国に強く文句を言っていない
 様子に見えます。

 いずれにせよ、今の中国は1970年代の日本と同様、
 完全に汚染国家なのです。

 中国共産党中央政治局常務委員会の前のメンバーで、
 石油閥の重鎮・周永康氏について、習近平指導部が汚職などの容疑で
 本人と周辺への調査に乗り出したことが、7日明らかになりました。

 中国共産党には、政治局常務委員の経験者は摘発しないという
 不文律がありましたが、今後周氏への本格追求を公にした場合、
 党の権威が失墜し、権力闘争に再び火をつけかねないことから指導部は
 事件の取り扱いと公表の是非を慎重に判断するとのことです。

 これは完全に権力闘争です。軍、鉄道、エネルギー、石油などの
 利権を持つ江沢民一派への対抗です。

 習近平氏は、すでに鉄道利権についてはメスを入れて、
 1兆円規模の汚職を明らかにしました。

 そこから、さらに石油利権も引き剥がしにかかっているのでしょう。

 汚職の規模は大きなものでしょうから、上手く国民に伝える
 ことができれば、支持を得られると思いますが、気をつけなければ
 いけないのは、返す刀で自らも切られるリスクがあるということです。

 習近平氏にしても、李克強氏にしても、誰もが脛に傷がある存在です。

 推進するのなら、迅速に行うことが重要だと思います。

 薄熙来氏も、胡錦濤氏なども情報源としていち早く抑えられたのだと
 私は見ています。

 ここから先は、それほど時間的な猶予はないでしょう。

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 ▼ 蒸留酒が数十万円の値段になること自体に問題がある
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 銀基集団控股が2日発表した、2013年4〜9月期決算の最終赤字は
 7億7141万香港ドル(約102億円)と前年同期の1億7708万香港ドルの
 4倍強に膨みました。

 習近平国家主席の倹約令の影響で、高額の白酒の需要が
 激減していることが響いたということです。

 スイスの高級時計と白酒に倹約令の影響が出ているということですが、
 私に言わせれば、白酒は、蒸留酒と言ってもエチルアルコールであり、
 豪勢な箱に入れても数十万円という値段になっていること自体、
 不思議に思います。

 それほど、大騒ぎするほどのことはないでしょう。

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 この記事は12月8日にBBTchで放映された大前研一ライブの
 内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております。
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 ▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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 中国遼寧省・丹東と北朝鮮シニジュの間で進められている
 つり橋の建設が完成に近づきつつあります。

 この橋の完成で、中朝貿易の活発化に期待が寄せられていますが、
 大前は、物流を活性化する上で出入国管理の難しさを
 リスクとして挙げました。

 どんな取り組みでも、それを成功させる上で、
 必ず阻害要因は出てきます。

 手間をかけて作成した計画でも、いざ実行に移してみると、
 予想だにしていなかったことが起こるというのは多いもの。

 問題解決者は、全体像の網羅的把握と事実に基づく情報の
 収集・分析を通し、阻害要因をあらかじめ想定した上で
 実行に移していきます。

2013年12月07日(土) 

┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『イラン・ドイツ・スイス・ベトナム〜他国の取り組みを理解する』
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 イラン核開発問題 イラン、6カ国協議が合意
 ドイツ情勢 与野党が連立政権樹立で合意
 スイス情勢 高額報酬への上限設定
 ベトナム言論統制 ネットの政府批判に罰金

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 ▼ イランとの将来に、もしかすると新たな可能性
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 イランの核開発問題を巡る同国と米英ロなど6カ国の協議は24日、
 イランが高濃縮ウランの製造を停止するなど核開発を縮小する見返りに
 米欧が経済制裁の一部を緩和することで合意したとのことです。

 あと1年は経過処置なので、まだ事態がどう転んでいくのかは
 わかりませんが、重要な事は6カ国とイランが話し合いの場を
 持ったということです。

 そして、北朝鮮とは違って、本当に履行するという意味で
 合意できそうだということです。

 当然、サウジアラビアやイスラエルへの説得など、
 同時に問題となるものも出てきますが、米オバマ大統領も
 想定していることと思います。

 米国民には決して人気がある政策ではないと思いますが、
 イランと対話を続けていくことは、私は良いことだと思います。

 正直、まだ中身が不明な点が多いですが、経済制裁が解除されれば、
 日本もイランと良い関係が築けるのではないかと期待したいところです。

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 ▼ 日本の連立もドイツや英国に学べ
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 ドイツでは、新政権がクリスマスまでに誕生する可能性が
 高まっています。
 
 メルケル独首相が率いる保守系与党キリスト教民主・社会同盟と
 最大野党・社会民主党は27日、連立政権樹立で合意しました。

 メルケル首相の保守系与党が大勝利を収めた総選挙から
 約2カ月後の合意となりました。

 選挙での大勝利が何だったのか?と思わせる連立政権ですが、
 内容を見てみると大勢に影響はないといったところでしょう。

 脱原発政策の問題などは引き続き大きな課題だと思います。

 2035年には再生可能エネルギーの割合を55%〜60%にすると
 言っていますが、今でもドイツの経済界は困っている状況です。

 もう少し、冷静に考えなくてはいけないと思います。

 今回の連立政権の発足にあたり、約186ページに及ぶ
 ドキュメントが作成されています。

 連立を組むことの「重み」を感じられます。

 日本は大いに勉強すべきでしょう。
 日本の連立政権など、軽すぎます。

 私が過去に見た例で言えば、わずか1枚の紙しかなかった事例も
 あります。

 英国なども連立政権の発足にあたり、会談も細かく設定され、
 きちんとしたドキュメントが作成されています。

 そして、それを選挙民に開示するというのは
 素晴らしい姿勢だと思います。

 今の自民党は連立の必要はありませんが、野党連立が
 野合と言われないためにも、ドイツや英国を参考に
 大いに勉強してほしいところです。

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 ▼ スイス人の冷静さ、議論の姿勢/ベトナムの将来に暗い影
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 スイスで24日に行われた国民投票で、企業の最高報酬を
 最低の12倍までに制限する法案が反対多数で否決されました。

 多くの多国籍企業が本社を構えるスイスでは、幹部らが受け取る
 超高額報酬への不満が一部で広がっていました。

 しかし、最高報酬を制限したとしても、結果として多国籍企業が
 出て行くだけで、優秀な人材がスイスに来てくれなくなるのは
 良くない、とスイス国民が判断したのです。

 しかも直接選挙の結果を見ると、圧倒的多数で否決されています。

 もし日本で同じことを聞けば、例えば、社長の給料を新卒新入社員の
 12倍までに制限するといった案が投票にかけられた場合、
 賛成する人が多いのではないかと思います。

 スイス人の冷静さ、そして直接選挙という形で議論する姿勢を
 持ち合わせているのは、非常に素晴らしいことだと思います。

 一方で、非常に残念なニュースが飛び込んできたのはベトナムです。

 ベトナム政府はこのほど、フェイスブックなど
 インターネット交流サイト(SNS)で政府を批判した個人や組織に
 最高1億ドン(約49万円)の罰金を科す政令を公布しました。

 中国と同様、共産党一党独裁の国ですから、
 以前から私はベトナムを信用していませんが、
 それにしても今回の決定は残念です。

 これまで中国に比べれば、政府批判に寛容だったベトナムですが、
 今回のSNSで政府批判をしただけで罰金というのは、
 ベトナムの将来に大きな影を落とすことになると思います。

 決して、ベトナムにとって良いことではありません。

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 この記事は12月1日にBBT Chで放映された大前研一ライブの
 内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに再構成しております。
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 ▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか。
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 大前は、著書『クオリティ国家という戦略』の中で、
 日本と同じ規模でありながら、高い国際競争力を持つ
 クオリティ国家として、スイスの事例を紹介しています。

 スイスは世界の繁栄をうまく取り込むことを考えた国家運営が
 なされており、その姿勢が国民にも浸透していることが、
 今回の企業の最高報酬に関する直接選挙の結果で見えてきました。

 スイスの事例から、日本が学べることは他にもたくさん
 あるのではないでしょうか?

 他国の取り組みをしっかりと観察し、優れた部分を見つけて
 取り入れていくことで、現在日本が抱えている問題が
 解消されていくかもしれません。

 それを行う際、俯瞰的な視点で観察し、論理的に考える
 問題解決力が必要となってきます。

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