2014年05月30日(金) 
■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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成城石井・スーパー再編・ホテルオークラ・ソニー 〜問題解決の視点を磨く

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・成城石井 ローソン、三越伊勢丹が買収に名乗り
・スーパー再編 マルエツ、カスミの統合会社を子会社化
・ホテルオークラ ホテルオークラ東京を建て替え
・ソニー 2014年度経営方針を発表

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▼ 成城石井は、かなり高い買収金額になるかも知れない
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日本経済新聞がまとめた2014年度のドラッグストア主要7社の
出店数は約600店と、13年度比1割増。

ドラッグストアのコンビニ化が進んでいます。

また、ローソンや三越伊勢丹ホールディングスなどが
高級スーパー、成城石井の買収に名乗りを上げていることが
分かりました。

成城石井を傘下に持つ三菱商事系投資ファンドの
丸の内キャピタルが12日までに買収の意向を確認。

丸の内キャピタルは今後、正式な入札を実施し、
今秋にも売却先を決めるとのことです。

レックス・ホールディングスから買収した成城石井ですが、
ここに来て追い風を受けていると感じます。

紀ノ国屋のコンビニ版のような位置づけで、一人でも行ける
少し高級感のある品揃えが特徴です。

アッパーミドル層のコンビニとして、
あるいはスーパーに行けない人にも非常に便利な存在に
なっていると思います。

場合によっては、買収額はかなり高額になるかも知れません。

三越伊勢丹は似たようなコンセプトで「クイーンズ伊勢丹」を
経営していますが、それほど上手くいっていないので
成城石井を手に入れたいところですが、ローソンが三菱系ですから、
普通に考えるとローソンが買収する可能性が高いと思います。

イオンは19日、食品スーパー事業の再編を正式発表しました。

マルエツやカスミなど3社が経営統合。

手薄だった首都圏で食品の売上高はグループ全体で
一気に5割増えて約1兆5000億円に達し、シェアトップの
セブン&アイホールディングスに迫る勢いとなります。

率直に言えば、食品スーパー事業において
巨大化したからといって、供給が限界に達している今の時代、
価格競争力が増すとも思えません。

とりあえず、セブン&アイホールディングスに規模の上で迫り、
大きさではナンバーワンと言えるくらいのメリットしか
ないかも知れません。

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▼ ホテルオークラ建て替えを発表/金融中心の方針へ向かうソニー
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ホテルオークラは旗艦ホテル「ホテルオークラ東京」を
建て替える予定。

2015年8月をめどに老朽化が進んだ本館の営業を休止し、
高さが200メートルと80メートルの2棟のビルを建設。

19年春の営業再開を目指すとのことです。

以前私が「ケーススタディ」として取り上げた時に、
全く同じような方針を説明したことがあります。

当時の資料をオークラの関係者にも送付しました。

彼らが私の提案書を参考にしたかどうかはわかりませんが、
ホテルオークラが生き残る道を考えれば、
これしか方法はないとわかるはずです。

もしかしたら、以前から悶々と思案していたのかも知れません。

ちょうど赤坂プリンスホテルが似たようなコンセプトで
建て替え中ですが、帝国ホテルやホテルニューオータニには、
ホテルオークラの発表はいい刺激になったと思います。

今の東京の事情で言うと、計画1年、
建設2年といったところでしょう。

2019年までの完成は十分に間に合うと思います。

1つ加えておくと、賃貸マンション(サービスアパートメント)
なども視野に入れると良いでしょう。

外資系企業の幹部クラスは、月100万円以上の賃貸マンション
でも住居費が出ますから、需要は高いはずです。

しかも米国大使館まで徒歩1分という場所ですから、
場所としても文句はありません。

ソニーは22日、2014年度の経営方針説明会を開きました。

平井社長兼CEOは、営業赤字が続くエレクトロニクス部門の
構造改革を今年度中に終えると言明しました。

一方、映画や音楽などを手がけるエンターテインメントと
金融事業を成長の核に位置づけるとのことです。

ようやく平井社長の口から「金融」という
言葉が出てきました。

私は何度も指摘してきましたが、
ソニーは金融に注力すべきだと思っています。

セグメント別の業績を見ても、
利益が出ているのは金融部門であることは明白です。

一方で、エンターテイメントは厳しいでしょう。

ゲームはほとんど儲かっていませんし、
映画は当たる年もありますが、安定していません。

金融を中心に考えていくという方針には賛成ですが、
平井社長の場合には半年前と発言内容がガラリと
変わってしまうところがあるので、少し懸念しています。

とは言え、ソニーの方針として「金融」という言葉が
出てきたのは非常に良いことだと思います。

(※この記事は5月25日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今回は、日本国内の各企業のニュースについて解説していきました。

各ニュースに対する大前の解説は、それぞれ着目する視点が違います。

イオンについては市場の中のシェアや事業規模、
ホテルオークラについては建物のコンセプトや立地条件、
そしてソニーについてはセグメントごとの業績に注目して、
解説していきました。

問題解決を行う上で、市場から競合、製品、PL/BS、
バリューチェーンまで、全体から細部に渡り丁寧に
情報収集を行っていくことが必要です。

2014年05月23日(金) 
┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『南シナ海情勢・ウクライナ情勢〜連邦制という一つの選択』
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南シナ海情勢 ベトナム反中デモで21人死亡
ウクライナ情勢 住民投票で大多数が独立「承認」

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▼ ベトナムは戦争をも辞さない覚悟がある
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ロイター通信は15日、ベトナム中部ハティン省で
14日夜に起きた反中国デモで、21人が死亡したと報じました。

またフィリピン外務省は15日、南シナ海の南沙諸島の暗礁で
中国が埋め立てをし、陸地として拡張している実態を示す
写真4枚を公開しました。

ベトナムは最終的には「戦争なっても構わない」というくらい、
歯止めがきかない状態になりつつあると感じます。

ベトナムは中国と同様、共産党の1党独裁体制ですから、
ここで中国に引けを取るわけにはいかないでしょう。

かなり大きな事態に発展してしまう可能性があると
私は危惧しています。

中国は尖閣諸島問題を巡って日本と対立していましたが、
日米安保条約の影響もあって、なかなか埒が明かず目先を
「南の方角」へ変えてきたのだと思います。

フィリピンを第1目標、ベトナムを第2目標というところでしょう。

現在の中国は、東シナ海、南シナ海へと
露骨な領土拡大を図ろうとしてます。

軍部の独裁体制が出来上がりつつあるのではないかと思います。

中国が埋め立てたという南沙諸島には、明らかに
「軍事拠点」として利用しようという意図が感じられます。

今後、今の中国は大変危険な存在になりつつあって、
至るところで対立を深めていくでしょう。

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▼ ロシア系民族が霜降り肉のように、あちこちに存在する
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ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派勢力は12日、
地域の独立の是非を問う住民投票で大多数が「承認」したとして、
ドネツク州は「ドネツク人民共和国が主権国家であることを宣言する」
と表明しました。

ウクライナの州の中で、ロシア系が30%〜50%に
達するのがドネツク州、ルガンスク州です。

クリミアと同様、ロシアへの編入を希望しています。

ウクライナ全体で4500万の人口のうち17%程度がロシア系なので、
クリミア単体とは違い、さすがにロシアにはそれだけを
養っていける財力はなく、ゆえにロシアとしても
次の一手で困っているという状況だと思います。

ロシア側も抱き込めないし、欧州側も救済するつもりはなく、
完全に膠着状態に陥っています。

民族構成比を見ると、例えば極右勢力が勢いを見せている
キエフ州などは、ロシア系が10%未満になっています。

ロシアが吸収したところで、
誰もが満足する形で落ち着くとは思えません。

その他にもロシア系が10%未満の州は多数ありますから、
おそらく連邦制を取り入れるしかないと私は思います。

米国同様、13の州が自治権を持ち、
そして共同運営するのが連邦政府という形態です。

民族構成比の中で、ロシア系がバラバラに
入り込んでいるのは、ロシアの歴史的な問題に起因します。

東欧州全体でみても、58%がロシア系だったクリミアは特別な存在で、
カザフスタン:24%、フィンランド:1%、エストニア:25%、
ラトビア:26%、ベラルーシ:8%、モルドバ:6%など様々な状況にあります。

かつてロシアは自国の勢力を増すために、
ロシア人をシベリアや他の地域に強制的に移住させました。

その結果、まるで霜降り肉のように、
あちこちにロシア系の人たちが入り込んでいる状況になっています。

(※この記事は5月18日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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ウクライナ・ドネツク州の住民投票について、大前はウクライナ各州での
ロシア系住民の民族構成比に着目し解説していきました。

ロシアに入るか、独立するかという二者択一の住民投票が行われた中、
各州が自治権を持つ連邦制を取り入れることを大前は提案しました。

各州に法律や経済、教育の形を自分たちで決める強い権限を与えることにより、
それぞれの州が自分たちに合った意思決定ができるようになります。

中央集権的な意思決定では、国の裁量が大きいため、
連邦制のような各自治体に適した細やかな意思決定は難しくなるのです。

財政や少子高齢化の問題を抱えた日本においても、道州制という形で
各自治体ごとに権限を与え、中央に依存しない統治形態への選択について
議論が進んでいるところです。

■2014年05月16日(金)  異議有り!
┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『人口減少問題・外国人受け入れ制度・国内財政〜問題解決に必要な目標設定』
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人口減少問題 中長期国家目標で「50年後に1億人維持」
外国人受け入れ制度 高度人材、及び腰の「歓迎」
国内財政 国と地方の財政の長期試算を公表

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▼ 感情論で否定せず、移民を受け入れる体制を整えるべき
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政府が「50年後(2060年代)に人口1億人程度を維持する」
との中長期の国家目標を設けることが3日明らかになりました。

日本の人口はこのままでは2060年に約8600万人まで
減る見通しのため、2020年ごろまでに集中的に対策を進め、
人口減少に歯止めをかける狙いとのことです。

相変わらず、政治家や役人はずるい表現をするものです。

「50年後」には誰も生きていないでしょうし、
責任を問われることもないでしょう。

ただし、政府にこのような態度を取らせてしまう責任は
国民にもあります。

日本が人口を維持するとなれば、
計画的に移民を受け入れる以外に方法はないと私は思います。

しかし日本人は移民の受け入れに、
異常なほどマイナス感情を持っています。

本来ならば、50年後といわず「数年後」と
言いたいところなのでしょうが、
国民感情を考えて50年後と言っているのだと思います。

50年後と言いながら、徐々に国民に危機感を抱かせ、
理解してもらうという手順を想定しているのでしょう。

しかし私に言わせれば、逆にそれでは「危機感」は
生まれてきません。

50年後ではなく「5年後」と言うことで、
強烈な危機感を抱かせるほうが良いと私は思います。

そして、遅々として移民対策は進んでいません。

政府は2012年5月から外国人受け入れの優遇制度を
始めましたが、結局機能していません。

これまで単純労働者は認めない一方、高度人材は
歓迎すると説明してきましたが、実際の受け入れペースは鈍く、
高度人材の認定数は今年1月までの20ヶ月間でおよそ900人、
月50人程度のペースで法務省が見込んだ認定ペースの
3分の1以下に留まるとのことです。

世界の外国人労働力人口の割合を見れば、
米国15%、ドイツ10%程度です。

英国も最近大きく割合が上がってきています。

そんな中、日本はほとんどゼロに等しい状況です。

最近では、建設業界で人手不足のため一時的に
外国人労働者を受け入れていますが、
需要がなくなったら、再び本国に返してしまいます。

これではダメなのです。

人口減少、高齢化社会、労働人口不足は
「構造的な」問題だからです。

「外国人=犯罪」というイメージなどが強く、
日本は異常なほど外国人アレルギーを持っています。

それでも移民を受け入れ、2年間の教育制度を整備して、
グリーンカードを配布するなどの施策を
私は20年以上前から提唱しています。

こんなことを言えば、周りから叩かれるので
誰も言いたくないのでしょうが、本当の意味で
日本の将来を考えれば、やらなければいけないことです。

年間30万人以上の移民を受け入れなければ
間に合わないのだという事実を認識し、
すぐに動き出してもらいたいと思います。

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▼ 国民の甘えが消えない限り、財政改善施策など無意味
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人口問題と同様、今の日本にとって非常に大きな問題に
なっているのが「財政問題」です。

財政制度等審議会が先月28日、
国と地方の財政の長期試算を発表しました。

2060年度に債務残高の対GDP比を100%に安定させるためには、
2021年度から2026年度の6年間で、
約12.71%〜6.98%(約45兆円〜81兆円)の収支改善が
必要になるとのことです。

常に無駄遣いをしてきた結果、
今の借金だらけの状況を招いています。

しかしそれでもまだ、日本は無駄遣いをやめません。

なぜなら、無駄遣いをやめるよう緊縮財政を掲げると
選挙に落ちるからです。

すなわち、今の借金まみれの日本の状況は、
甘えた国民・甘えた国家が招いたのだと私は思っています。

80兆円の収支改善など、「今のままの甘えた」国民と
国家では絶対に実行することはできないでしょう。

おそらく、どこかのタイミングで市場から
制裁を受けて、日本国債の暴落を招き、経済破綻という
爆弾を落とされて痛い目に遭って、初めて改善への
取り組みを始められるのではないかと思います。

今回のような「試算」をいくら出したところで、
マスコミも国民も実行することはないでしょう。

政治家にしても、選挙になればまたリップサービスを
するに決まっています。

人口問題にしても、財政問題にしても、
国民の甘えの結果とも言えます。

この点を国民一人ひとりが
強く意識することが大切ではないかと思います。

(※この記事は5月11日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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政府が、50年後に日本の人口を1億人程度維持するという
中長期目標を発表しました。

しかし、今から50年後の世界をゴールにして、
自分たちの問題として危機感が持てるでしょうか?

借金は増え続け、人口が減り続けている現在、
日本は一刻の猶予もない状態です。

このような状況下で、危機感を持って問題解決に
取り組むためには、5年後や3年後など、
もっと近い将来に目標を置く必要があります。

こうした目標を意識して、すぐにアクションを起こすことが、
結果として50年後の将来に大きな影響を及ぼすことになります。

2014年05月09日(金) 
┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『ITサービス大手・NTTドコモ〜グローバル社会で競争に勝つ方法を考える』
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ITサービス大手 IT再編、日印連合が号砲
NTTドコモ インド携帯電話事業から撤退

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▼ 日印同盟というより、タタに取り込まれたというべき
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日経新聞は、先月24日、国内IT業界が異例の再編に
色めき立っているとし、三菱商事とインドのITサービス最大手
タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が日本の事業を
7月に統合することを紹介しています。

日印連合などと報じられていますが、
実質的には三菱商事がタタの傘下で細かくやってきた
事業を取り込まれたという形でしょう。

タタ側からしても、三菱商事の関連事業を
取り込めるのは非常に有利になると見ていると思います。

三菱商事としては、タタと組むことでシステムも
近代化できますし、タタの助けを借りて
一気に事業展開を進めていきたいという算段でしょう。

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▼ 2兆円を捨てたNTTドコモは、いつになったら学ぶのか?
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NTTドコモは先月25日、インドの携帯電話事業から
撤退すると発表しました。

加藤社長は「インドはこれからも伸びると思うが、
成長性は当初の見通しほど高くない」
と述べているということです。

NTTドコモというのは、何とも中途半端なことばかりを
繰り返している会社です。

今回の件も自ら全部やればいいのに、契約件数でトップ3
から大きく引き離されているタタ・テレサービシズに
中途半端に4分の1ほど出資したものの、
結局は業界6位で終わっています(2012‐13年度実績)。

NTTドコモの海外出資の歴史を見ると、ひどい有様です。

KPNモバイルの5000億円(2000年出資・2005年売却)、
ハチソン3GUKの1900億円(2000年出資・2005年売却)、
AT&Tワイヤレスの1兆1000億円(2000年出資・2004年売却)
となっていて、約2兆円が全て水の泡になっています。

今回発表されたタタ・テレサービシズにも、
すでに2600億円出資していますが、
これも同様に全くの無駄に終わることになります。

約600億円〜650億円という少額出資先である
KGテレコム(台湾)とKTフリーテル(韓国)については
出資継続予定ですが、結局のところ技術援助をしただけで
終わりになるのではないかと思います。

NTTドコモは、これまで一貫して、ソフトバンクの孫社長とは
違って100%出資しない方針を貫いてきていますが、
私に言わせれば「経営する気がないなら、カネを払うな」
と思います。

キャッシュが豊富にあるからできることですが、
未だにこれだけの資金を無駄にしても気づかないのかと思うと、
情けない話です。

(※この記事は4月27日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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NTTドコモが、インドの携帯電話事業から撤退することを発表しました。

インドに限らず、NTTドコモのこれまでの海外出資の
歴史を振り返ってみると、失敗を繰り返しているようです。

大前は以前『「産業突然死」時代の人生論』というコラムの中で、
グローバル化の中で日本人が成長しなければ、日本に残されたのは
ファイナンス(潤沢な資金)だけになりかねないと指摘していました。

しかし、そのファイナンスも中国の追い上げにより、
日本のアドバンテージではなくなりつつあります。

ただ単に現地に資金投入するだけでは国際競争に勝てず、
自ら海外に出て、現地のマネジメントにコミットできる
人材育成が急務となっています。

2014年05月02日(金) 
┏━■ 〜大前研一ニュースの視点〜
┃1┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┗━┛『日中関係・中国レアアース大手〜世界と渡り合うために必要なもの』
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日中関係 中国上海海事法院に約40億円支払い
中国レアアース大手 第1四半期純利益約2650万円

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▼ 日本はどこかで歯止めをかける必要がある
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商船三井は24日、中国当局から船舶を差し押さえられていた問題で、
中国の上海海事法院(裁判所)に約40億円を支払い、
差し押さえが解除されたとのことです。

一方、中国の国営新華社は24日までに、中国政府が1972年の
日中共同声明で放棄した戦争賠償の請求について
「民間・個人の請求権は含まない」と明言する論評記事を配信しました。

これまで曖昧にしてきたのに、中国もこの機に乗じて
「民間・個人の請求権は含まない」と言い出す始末です。

こうなると、次々と訴訟に発展する可能性があります。

商船三井にしてみれば、戦前は「別の会社」だったわけですし、
言いがかりに近いものがあります。

加えて、今は業績も良くないので泣きっ面に蜂状態です。

民間の会社である商船三井に40億円もの支払いを命じるというのは、
非常に厳しいと思います。

共産党の中国のことですから、ピンはねされて政府・役人にも
資金が流れているのは、ほぼ間違いないと思います。

このような状態になってくると、中国だけでなく韓国でも
同じようなことを言い出す可能性があると
私は懸念してしまいます。

この種の問題は、田中角栄氏の時代に決着したはずでした。

ODAや技術提供をすることで一段落したと思っていましたが、
従軍慰安婦の問題など、細かい点をつつかれる事態になっています。

日本としては、今一度どこかで歯止めをかけることが
必要だと思います。

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▼ 日本の政治家は、世界を「肌感覚」で知るべき
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このような問題で中国ともめると、
「中国人とビジネスするのは大変だ」といった人種による
議論になることがあります。

しかしこれまで中国を含め、世界各国の人たちと交流し、
ビジネスをしてきた経験から言わせてもらえば、
中国人だろうが韓国人だろうが、どこの国の人でも
基本的には同じです。

米国人だからといって、ステレオタイプではない人も
大勢いますし、日本人ともさして大きく変わりません。

人種による違いが問題なのではなく、日本人が海外の人を
「実際には」知らないことが問題だと私は思います。

特に、日本の政治家はあまりにも自分自身の体験として
世界を知らなさ過ぎます。

口先だけで世界と接しているのでは、
お話にならないと私は思います。

この点において「さすが」だと感じたのは、
故・小渕元首相です。

まだ首相になる前でしたが、故・竹下元首相から
「将来、日本の首相になる人物」だと私は紹介を受けました。

その時、小渕氏は「首相になろうという人間が、
華僑の一人すら知らないのは恥ずかしいから、
ぜひ紹介して欲しい」と依頼されました。

私が希望通り、華僑の知り合いを紹介したところ、
小渕氏は実際にその人物に会いに行き、
名刺交換をして交流されていました。

「肌感覚」として世界を知ろうという姿勢が
素晴らしいものだと思います。

政治家として世界の国と渡り合うのなら、
単に外国の文化を知るとか、旅行するというレベルではなく、
子供の頃から海外の人と文通するくらいの「肌感覚」を
身につけてもらいたいところです。

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▼ 中国レアアース業界の低迷は、自業自得
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中国レアアース生産大手の五鉱稀土が発表した今年第1四半期の
純利益は、前年同期比94%減約2650万円となりました。

レアアース業界の低迷により、販売が大幅に減少したことが
原因とのことですが、私に言わせれば自業自得です。

日本に嫌がらせをしたことで、中国のレアアース業界は
窮地に追い込まれ、中国国内でもこのまま生存できないと
危惧される状況になっています。

日本では、電子材料、触媒・電池材料など各分野で、
レアアース・レアメタルの代替戦略が進められています。

また同時に、「都市鉱山」から掘り出したり、
カザフスタンやオーストラリアなど、
中国以外のルートを開拓したりしています。

中国は天に向かってつばを吐いてしまったということでしょう。

(※この記事は4月27日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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商船三井の船舶差し押さえの事件を受けて、大前は
今後同様の訴訟が生じるリスクについて解説していきました。

しかし、同時に中国との間に生じるトラブルについては、
日本人が海外の人を知らないことにも問題があると指摘しました。

グローバル化が進むビジネス環境において、語学や文化を
学ぶだけでは足りず、実際に海外の人とのコミュニケーション
などを通して、世界を肌感覚で理解する必要があります。

海外でのビジネス上発生する問題を解決する上で、
こうした肌感覚を知っていることは大前提となります。

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