2014年06月27日(金) 
(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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原子力規制委員会・発送電分離〜考えの軸足を意識した施策立案

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・原子力規制委員会 新委員2人の就任承認
・発送電分離 最後の関門

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▼ 原子力規制委員会には、メーカーの人間による新しい風を
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原子力規制委員会の新委員に9月、日本原子力学会元会長の
田中知・東京大学教授と地質学者の石渡明・東北大学教授が
就任することが決定しました。

この人事にも安部官邸の思惑が反映されていると
感じてしまいます。

あえて原発再稼働の賛成派を選んだと批判されているようですが、
現在は「活断層オタク」の島崎委員長代理ですから、
どっちもどっちというところでしょう。

実際のところ、島崎氏の悪影響は大きいと私は思っています。

活断層の危険性を声高に叫んでいますが、
実は「何をもって活断層とするのか」という
基準すら定まっていません。

それでも、電力会社を震え上がらせるようなことばかり
騒ぎ立てるため、東京電力などは柏崎刈羽原発だけでも
4700億円もの資金を投じる羽目になっています。

電力会社に何千億円も使わせておいて、
当の本人は何も解決することなく、任を降りてしまうのですから、
完全なミスキャストだと思います。

田中氏や石渡氏は電力会社寄りの立場をとると
言われていますが、このキャスティングも私には疑問です。

上手く機能するとは思えません。

もう少し現場に近い人に担当してもらいたいところです。

そういう人材は、メーカーにしかいないでしょう。

メーカー寄りになるのは問題だと言われるかも知れませんが、
私に言わせれば、学者に頼るよりはマシだと思います。

私が見る限り、実力のある学者はほとんどいません。

実際、今までの学者の発表を見ていると、東京電力から
提出されたデータを読み上げていただけではないか、
と私は指摘したい気持ちです。

こうした悪しき習慣を変えていくためには、
メーカー側から人を入れることです。

そうでなければ、見かけだけの議論は
一生続いていくことになると思います。

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▼ 発電コストを下げるアイデアを考えよ
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日経新聞は、12日「発送電分離、最後の関門」と題する
記事を掲載しました。

政府が進める電力システム改革の最後のハードルは、
電力会社の送配電分離だと紹介。

しかし電力会社にとっては経営体制を大きく変えるなどの
負担がかかるため、東京電力以外は慎重姿勢で
今後の焦点は、経産省が来年の通常国会に
法律案を提出できるかどうかだと指摘しています。

発送電分離と聞くと、一見、良さそうな提案に聞こえますが、
単に分離しようではなくて、送電会社を中心にする構想がないと
意味が無いと私は思っています。

一口に送電と言っても、大きく2つあると私は考えています。

1つは3000ボルト以上を扱う高圧送電で、
もう1つがそれ以下を扱う配電です。

配電については、特殊な事情を除けば、地域独占になります。

そうしないと、各家庭への電線を2つ、3つの会社で提供しても、
二重、三重投資になるだけだからです。

では、発電と送電をどうするか?と言うと、
まず発電を自由化すること、そしてそこから
電力を買い取る送電会社を日本の中核にするべきだと思います。

発電を自由化することで、世界中から参入することが
できるようになるので、発電コストが下がります。

これが重要です。

政府が示しているアイデアは、1つとして発電コストを
下げるものはありません。

今のままでは発電コストは高くなるだけです。


(※この記事は6月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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福島第一原発の事故以来、発送電分離に関する
議論が活発に行われるようになりました。

今回大前は、政府が進める電力システム改革について、
発送電分離のコスト効果に注目し、送電会社を中心とする構想を挙げました。

発送電分離を議論する上で、コストの他に電力供給の安定性や安全性など、
考えるべき軸足はいくつもあります。

その中でどこに軸足を置くかによって、
施策の内容や結果が大きく変わってきます。

このように、ビジネスの現場で新しい施策を立案する際は、
考えの軸足を予め明確にしておくことで、期待に沿った施策を考えることができます。

2014年06月20日(金) 

おはようございます。

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ
問題解決力トレーニングプログラム事務局の石川です。
  
今週の「ニュースの視点」は、
成人年齢・集団的自衛権問題・道州制・国際バカロレアの
話題について大前研一が解説します。


★index★
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【1】今週の 〜大前研一ニュースの視点〜
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>成人年齢・集団的自衛権問題・道州制・国際バカロレア〜前提条件を確認して考える

成人年齢: 民法の成人年齢「18歳にすべき」34%
集団的自衛権問題: 「武力行使の3要件」を新たに提示
道州制: 道州制基本法案の今国会提出を断念
国際バカロレア: 「日本語指導可」で高まる熱


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【2】問題解決力トレーニングプログラム より
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>お仕事帰りに寄れる、無料プログラム説明会開催のご案内

東京会場は本日開催!直前でもお申込み可能です!
7月からの受講を検討されている方はぜひご参加ください。


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【3】ビジネス・ブレークスルー より
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>第4回アイデア発想ワークショップ開催

「参加者満足度96%」「また参加したいと回答した参加者60%」
前回満席の大人気ワークショップを6月29日(日)に再び開催!


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【4】リーダーシップ・アクションプログラム より
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>開講2周年記念キャンペーンのお知らせ

先着10名様に受講料割引!ガイダンス参加で書籍プレゼント!
「2周年」にちなんだお得なキャンペーン実施中!


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【5】クリックアンケートのお願い
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【6】あとがきに代えて
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■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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成人年齢・集団的自衛権問題・道州制・国際バカロレア〜前提条件を確認して考える

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・成人年齢 民法の成人年齢「18歳にすべき」34%
・集団的自衛権問題 「武力行使の3要件」を新たに提示
・道州制 道州制基本法案の今国会提出を断念
・国際バカロレア 「日本語指導可」で高まる熱

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▼ 18歳=成人、となるような教育制度を確立すべき
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日経新聞は、8日「民法の成人年齢」に関する
アンケート結果を公表しました。

それによると、成人年齢を18歳に引き下げることに
賛成の人は全体の34%だったとのこと。

想像していたよりも、かなり低い数値になっていますが、
これは説明不足の結果だと私は認識しています。

例えば、「18歳以上を対象とするのは国民投票に限られるが、
普通の選挙は20歳から」と言われれば、
矛盾があると感じるのは当たり前です。

そうではなく、18歳で成人と定義し、自動車免許、
飲酒、タバコなどを許可し、全ての選挙権を
与えるとするべきなのです。

高校までを義務教育と定め、
それを卒業したら社会人という位置づけです。

こうすると、義務教育の目的は
18歳で立派な成人を作ること、になります。

このような教育制度を整備することが重要であり、
この前提があって初めて「18歳」の議論に意味が出てきます。

ぜひ、この点をあらためて考えて欲しいと思います。

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▼ 中国は非常に危険な状態になりつつある
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自民党の高村副総裁は13日、自衛権の発動に必要な
3要件の見直し案を公明党に示しました。

公明党は一応、反対したという姿勢を見せており、
それは池田大作氏にも伝わっているようです。

要するに、池田氏としては中国に対して
「抵抗したけど、与党に残るためには致し方なかった」
と申開きができれば良いのでしょう。

公明党が外れるとなれば、与党に加わりたいと
思っている野党はたくさんいます。

背景としては、創価学会はこの政策に
反対の姿勢を示していて、公明党ともめていました。

今中国は軍部が暴走気味で危険な状況になりつつあります。

もしかすると、何かのきっかけで本当に戦争が
始まってしまうかもしれない、という危険性があると感じます。

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▼ 安倍政権は中央集権、官僚依存の方向性
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自民党道州制推進本部の今村本部長は12日、道州制導入までの
手続きを定めた基本法案の今国会提出を断念し、
秋の臨時国会以降に先送りすることを決めています。

道州制を推し進めようとしていた橋下氏の立場が弱くなれば、
この結果は致し方ないところでしょう。

安倍政権は中央集権的であり、ますます官僚依存が
強い体制を作っていますから、なおさらです。

当の橋下氏は、おそらく次の衆議院選挙には
出馬してくると思います。

もうすでに大阪市には興味を持っていないでしょう。

大阪都構想についても、中央に進出して
実現しようということになると思います。

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▼ 今後、さらに高まるバカロレアの重要性
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日経新聞は『バカロレア「日本語指導可」で高まる熱 』と題する
記事の中で、海外の有力大学が入学要件の一つとする教育プログラム
「国際バカロレア(IB)」の導入を目指す高校が増えている、
と紹介しました。

バカロレアの基準はなかなか厳しいものがあります。

中高一貫教育にして、高校1年生の段階で文科省の指導要領を
終えてしまうくらいで進めなければ、おそらく難しいと私は思います。

今回の件について言えば、文科省の意図も正直私には理解しかねます。

日本語でバカロレアを目指すと言っていますが、
それは無理がある考えです。

バカロレアの理念の一つとして、
異文化への理解と寛容性を育むことも定めています。

この点を理解しているのでしょうか。

国別の国際バカロレア認定校の数を見ると、
米国:1528、カナダ:338、英国:155に対して、
中国:80、日本:27になっています。

明らかに、英語圏の国のほうが多いのが実態です。

我々が運営しているアオバジャパン・インターナショナルスクールも、
国際バカロレアのDP(ディプロマプログラム)の候補校となりました。

今後はさらに中等教育プログラムを含め、小中高のすべての段階で
国際バカロレア一貫校となる予定で進めています。

バカロレアを目指す学校には、BBTが持つAirCampusを
提供することも考えており、バカロレア認定校については
非常に重要だと考えています。

(※この記事は6月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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日経新聞が行った成人年齢に関するアンケート結果について、
大前は18歳に引き下げるか否かを議論する上での
前提条件に着目して解説していきました。

成人年齢をいくつにするかを議論する上で、教育制度を
変えることを前提として考えなければ、本質的な議論はできません。

大前は著書『考える技術』の中でも、答えのない問題に対して、
前提条件をしっかり設定することが重要であるとし、マッキンゼー時代の
採用面接でもそうした思考回路を持つ人を積極的に採用したと書いています。

前提を確認して結論を出すという思考パターンがなければ、
本質的な議論ができず、導き出される結論は的を外したものになってしまいます。

2014年06月13日(金) 
■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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米兵開放問題・キルギス米軍基地・次期欧州委員長・英エネルギー政策〜英国議会の施政方針演説の特徴

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・休眠預金 社会福祉事業の財源に
・商業販売統計 4月の小売販売額 11兆110億円
・骨太の方針 人口減、高齢化など中長期課題に取り組み
・税制改正 夫婦一体の所得控除案を検討
・医療検査薬 市販拡大への検討に着手

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▼ したたかに米軍に基地を貸し出していたキルギスタンの今後の方針は?
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アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンによって
5年近く拘束されていた米軍兵士・ボウ・バーグドール陸軍軍曹が
解放され、1日にドイツにある米軍の病院施設に移送されました。

これを受けてオバマ大統領は、
米軍は「一人の兵士も置き去りにしない」と表明しましたが、
兵士の開放はグアンタナモ基地に収容されていたタリバン幹部5人
と引き換えに行われたことや、兵士が脱走兵だった疑惑も浮上しており、
当初の歓迎ムードが変化しつつあります。

オバマ大統領は「一人も置き去りにしない」などと
発言していますが、北朝鮮でも3人ほど捕まっていて、
北朝鮮政府は米国への交渉材料として利用しようと考えているでしょう。

現実的にはオバマ大統領の発言には全く説得力を感じません。

米軍がアフガニスタン作戦の後方支援拠点として
活用してきた中央アジア・キルギスのマナス空軍基地で3日、
閉鎖式典が開かれました。

この基地は、米軍がアフガニスタンでの対テロ作戦のため
中央アジアで唯一駐留してきた基地ですが、
今回の閉鎖によりこの地域での米国の影響力が低下する一方、
ロシアや中国の影響力が拡大しそうです。

キルギスタンは、わりと中立的な立場の国です。

人口はわずか550万人で、一人あたりGDPは1,000ドル弱という
貧しい国です。

今後は、ロシアがカザフスタンやベラルーシと画策している
新しい経済連合に入る可能性が指摘されています。

米国に基地を貸し出してお金を稼ぐ、
というしたたかさも持ち合わせている国です。

米国との関係性がなくなれば、ロシアに近づく可能性は
高いかも知れません。

また、中国とも長い距離にわたって国境が接していて、
中国にとっても新疆ウイグル自治区との関係性などを
考えると、重要な地区になっています。

そういう意味でも、非常に興味深い地域だと思います。

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▼ 英国では、女王陛下が施政方針演説を全て読む
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ドイツ週刊誌シュピーゲルは先月31日、キャメロン英首相が
ドイツのメルケル首相に対し、欧州連合(EU)の次期欧州委員長に
EU権限強化を唱えるユンケル前ルクセンブルク首相が選出された場合、
英国がEUを離脱する可能性に言及したと報じました。

欧州委員長は、同議会の承認を得てEU加盟国の首脳から選ばれます。

前週に投票が行われた同議会選では、ユンケル氏が所属する
中道右派の欧州人民党(EPP)が議席を大幅に減らしたものの
最大会派の座を維持しました。

一方、英国では反EUを掲げる英国独立党が欧州議会選で第1党になり、
EUの権限強化を主張するユンケル氏の存在は、英国の政局を
不安定にするとキャメロン首相が懸念しているとのことです。

メルケル首相とキャメロン首相は、ユンケル前ルクセンブルク首相を
追い落とし、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を推そうと
していたそうですが、上手くいかなかったようです。

今ドイツでは、メルケル首相に対する批判が強まっています。

結局ユンケル氏で良いのなら、なぜラガルド氏を
引っ張りだそうとジタバタしていたのか、と指摘されています。

英国のエリザベス女王は4日、英議会での施政方針演説で
「英国の産業競争力やエネルギー安全保障のために、シェール開発を進める必要がある」
との見解を示しました。

国内での資源開発を促しエネルギー関連産業の競争力を高める
英政府の方針を受けたもので、ロシア産ガスへの依存度を
低下させる狙いもあるとのことです。

私はBBC放送で、エリザベス女王の施政方針演説を
全て聞いていました。

80歳を超える年齢ながら、分厚い施政方針演説の冊子を
1ページずつ全て読まれていました。

キャメロン首相が書いた内容とは思いますが、
その施政方針として財政・税制からインフラ投資、年金、住宅、教育、
犯罪にいたるまで、非常に幅広い内容を含んでいました。

実は私も英国の施政方針演説を女王が読むのを
聞いたのは初めてでした。

日本の皇室の場合には開催の宣言のみですので、
英国の女王があれほど長い施政方針演説を
読み上げるとは正直、驚きました。

キャメロン首相とエリザベス女王の間で、
どれほど内容について議論されているのかはわかりませんが、
もしかするとある程度、話し合いが持たれているかも知れません。

非常に面白いのは、女王陛下が施政方針演説を読み上げると、
野党としてもなかなかツッコミを入れるのが難しいということです。

「先程、女王陛下も申し上げたとおり・・・」という枕詞が
ついてしまうと、致し方ないでしょう。

キャメロン首相はずる賢く利用していると思います。

それにしても、与党と野党のトップまでもが、
エリザベス女王の施政方針演説を聞いている姿というのは
非常に刺激的であり、日本との違いにショックを受けました。

ぜひ、BBC放送を見てみて欲しいと思います。

(※この記事は6月8日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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英国のエリザベス女王が議会で行った施政方針演説。

正式には「Her Majesty's Most Gracious Speech」
(女王陛下の最も慈悲深き演説)と呼ばれ、英国議会の
開会の際に行われる恒例行事となっています。

女王陛下が読み上げる内容は、主に今国会での重要議案に
関するもので、議会ではその後、女王が読み上げた内容に
沿って審議を進め、採決が行われていきます。

大前も、エリザベス女王が長い施政方針演説を読み上げる姿に
日本との違いを感じてショックを受けたと述べていました。

こうした他国の独自の文化や習慣を見て、自分の中に
蓄積させておくことで、グローバルで仕事をする際に
役立つことがあります。

2014年06月06日(金) 

■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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商業販売統計・税制改正・骨太の方針・休眠預金・医療用検査薬〜時代に即した打ち手を考える

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・休眠預金 社会福祉事業の財源に
・商業販売統計 4月の小売販売額 11兆110億円
・骨太の方針 人口減、高齢化など中長期課題に取り組み
・税制改正 夫婦一体の所得控除案を検討
・医療検査薬 市販拡大への検討に着手

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▼ 休眠預金は未来の若者のために/消費増税の反動が顕著に
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日経新聞は、1日「休眠預金、社会福祉事業の財源に」と
題する記事を掲載しました。

金融界は預金者からの要請があればいつでも払い戻しが
できるなどの条件を満たせば、活用には応じる構えです。

もちろん社会福祉は大切なことですが、
ここに資金を投じるのは「底なし沼」に
足を突っ込むような感覚があります。

悪いことではないですが、私としては明日の日本を担う若者のため、
ベンチャー投資に使う方が有効だと思います。

また、ここに来て消費増税の影響が顕著になってきています。

経済産業省が先月29日発表した4月の商業販売統計によると、
小売業の販売額は前年同月比4.4%減の11兆110億円でした。

消費増税による駆け込み需要で3月は11.0%増と
大きく伸びていましたが、その反動が出た形です。

想像以上に反動が大きいということでしょう。

コンビニはそれほど影響は出ていませんが、
特に百貨店など大きなモノの販売が苦しい状況になっています。

アベノミクスで上向きだという予想が
見事に外れてしまったと言えるでしょう。

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▼ 骨太の方針に具体性なく、中途半端な議論ばかり
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政府が6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)
原案が先月30日明らかになりました。

少子化対策として「第3子以降の出産・育児・教育への重点的な支援」
を掲げています。

来年度予算については社会保障費以外の歳出を、
「前年度と同程度の水準」に抑えるよう求めるものとなっています。

骨太の方針と言われても、各々の項目を見ると、
私にはどのあたりが「骨太」なのか理解し難いものばかりです。

NISAにしても大したものではないですし、
外国人労働者も特区のみの適用では話になりません。

少子化問題対策として掲げられている、第3子以降にインセンティブというのも、
効果はどうか懸念してしまいますし、50年後も人口1億人の維持については
何ら具体的な方法論が示されていません。

合計特殊出生率の推移を見ても、ドイツや韓国と同様、
相変わらず低い水準で改善されていないのは明らかです。

また、女性活用の税制についても指摘されていましたが、
非常に中途半端だと私は感じました。

この点については先月24日の日経新聞でも報じられていました。

配偶者控除の見直し問題で妻の収入がいくらになっても
夫婦全体の控除額が変わらない新制度を作る案が、
政府内に浮上してきたとのことでした。

この問題を突き詰めると、方法論は2つしかありません。

1つは、夫婦合算して税率を決める方法です。

この場合、独身者の税率は高くし、
子どもがいる場合には特別な控除を設定すればいいでしょう。

もう1つは、各々が独立したものとして計算する方法です。

このときも子どもがいる場合には同様に対処します。

いずれにせよ、昔とは違って、
「旦那が働いて、奥さんも子どもも扶養家族になる」
というスタイルが全体の4分の1にも満たない事実を受け止めるべきです。

過去のスタイルに根ざした税制ではなく、
抜本的に考え方を変える必要があると思います。

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▼ 検査薬を開放すると、実際にどのように使われるか?
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厚労省は4日、医療や薬局関係者、消費者代表などが参加する
審議会を開き、病院で使われる医療用検査薬を薬局や
ドラッグストアで買えるようにする検討作業に
着手することが明らかになりました。

欧州では、日本よりも身近に検査薬が売られていて、
消費者が購入することができます。

日本では規制が厳しかったわけですが、今回、
不妊症に悩む人向けに排卵日の検査薬を販売しても
良いという許可が下りると言われています。

私が気になるのは、実際にこの検査薬が販売された時には、
不妊治療に悩んでいない人も使うのではないかということです。

おそらく避妊を目的に使われる可能性が高いと思います。

ドイツや米国では、習慣的に避妊薬としてピルを
服用している女性が少なくありません。

日本ではピルの使用量は少ないですが、
果たして排卵日検査薬が販売された時にはどうなるのか?

非常に気になるところです。

(※この記事は6月1日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)

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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、政府がまとめる経済財政運営と
改革の基本方針の原案について解説していきました。

その中で大前は、女性活用の税制について、
「非常に中途半端である」と厳しく指摘しています。

かつて日本で一般的であった家族形態は現在変わりつつあり、
そうした変化に即して税制を考える必要があります。

ビジネスにおいても、まずは事実に基づいた情報収集を行い、
現状を把握した上で解決策を考えなければ、
効果的な打ち手を実行することができません。

改善策を考える上では、まずは今の時代を反映した
人口統計や人々のライフスタイルに関するデータに、
しっかりと目を向けていく必要があります。

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