2015年08月28日(金) 

■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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グーグル、テスラモーターズ、アマゾン、バークシャー・ハザウェイ、ソフトバンク 〜孫氏とアローラ氏の「怪しい動き」

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米グーグル 経営組織を大幅再編
米テスラモーターズ 1台売って4000ドル赤字を出すテスラの苦悩
米アマゾン・ドットコム アマゾン本社は壮絶なブラック企業?
米バークシャー・ハザウェイ 米プレシジョンを買収
ソフトバンク 米携帯契約件数でスプリントが4位転落

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▼グーグル、検索以外の事業に注目/イーロン・マスクの正念場/AWSをアマゾンの新しいカルチャーに
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米検索大手グーグルは10日、経営組織の大幅な再編を発表しました。
持ち株会社「アルファベット」を新たに設立し、主力のネット検索・広告事業と
ドライバーレス(無人運転)カーなどのベンチャー事業を分離して新会社の傘下に収めるとのこと。

ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)が新会社のCEOとなり、
グループ内で最大事業部門となるグーグルのCEOには上級副社長のサンダー・ピチャイ氏が就任します。

実態としては持株会社を作って、現在それぞれの事業を担当している人のポジションが上がる形ですが、
本質的にはあまり大きな変更ではないでしょう。

あえて言えば、それぞれの責任が明確化することでしょうか。
グーグルがネット検索以外の事業について、どこまで気合が入るのか?を注目してみたいと思います。

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東洋経済オンラインは、「1台売って4000ドル赤字を出すテスラの苦悩」と題する記事を掲載しました。

テスラは、第2四半期決算で赤字幅が拡大。営業経費と研究開発費が増大した一方で、売上が低価格モデルにシフトし、
海外の売上高がドル高の影響を受けて減少したことが響いたとし、
「いずれかの時点でテスラが資金調達を行う可能性は非常に高い」とする証券アナリストの分析を紹介しています。

イーロン・マスクにとっても正念場を迎えつつあるようです。
600万円の車を売って50万円の損失が出るという状況をイメージすると、確かにそのような自体はあり得るかもしれません。

テスラは充電インフラを全米に広げようと作っていますが、こちらの資金もかなりかかっています。

充電インフラが十分に整備されていないために、次世代モデルが売れず、仕方なく安いモデルを販売するという悪循環です。

もっと早い時点で資金調達をしておくべきだったかも知れません。
テスラは本体価格の45%を買取保証なども打ち出しており、見えない負債額も大きいと思われます。

こうなってくると、さすがのイーロン・マスクでも資金調達が難しいかも知れません。
電気自動車では唯一の成功事例と言われてきましたが、まだその橋は渡りきっていないようです。

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ギズモードは「アマゾン本社は壮絶なブラック企業?」と題する記事を掲載しました。

これはNYタイムズの記事を掲載したもので、元・現従業員100人以上の企業へインタビューした結果、
アマゾンにはただひたすら会社のためにロボットのように働く人材のみが生き残っていくという事実が明らかになったと紹介しています。

ジェフ・ベゾス氏自身はこの記事に大いに反発していますが、彼の1点集中する性格を鑑みるとこういうところもあるのかも知れません。

いずれにせよ、こういうことが発表されると、その企業は今後改善されていく可能性が高いので期待しても良いでしょう。

現在、アマゾンはAWSというクラウドコンピューティングでも収益を上げてきています。
現在の主力であるEコマース事業に比べて、こちらは事業の特性を考えても新しいカルチャーができつつあるのではないかと私は見ています。

Eコマース側は、まだジェフ・ベゾス氏のようなカリスマ的な存在が先導して引っ張って行かなくてはいけない時期ですから、
現在の状況も仕方ないと私は感じます。

ゆえに可能ならば、Eコマース側はジェフ・ベゾス氏が担当し、AWS側は別の人間が担当していくべきでしょう。


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▼バークシャー・ハザウェイは米最強最大のコングロマリット/ソフトバンクの怪しい資金の動き
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著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは10日、
航空・エネルギー業界向け金属部品製造の米プレシジョン・キャストパーツをおよそ320億ドル(約4兆円)で買収すると発表しました。

これまでもすでに株を保有していましたが、今回全ての株を保有することになりました。

これを受けて、格付会社はバークシャー・ハザウェイの格下げを検討するなどと発表していますが、
現状、バークシャー・ハザウェイはコングロマリットとして米国最強かつ最大を誇る企業になっています。

今回の買収対象であるプレシジョン・キャストパーツは、基本的には金属部品を作っている会社ですが、
その中でも航空分野が7割を占めています。

クライアントは、GE、エアバス、ロールスロイス等の大手で、合金技術・加工技術が優れた会社です。

収益の推移を見ると、年間1500〜1600億円になっていて、この数字を見ると確かに4兆円は高すぎると言う人もいるでしょう。

巨大企業がひしめく業界なので航空宇宙防衛企業の売上高ランキングを見ると、三菱重工と同じくらいで小さい部類に入ります。

但し、部品会社としては大きい規模だと言えると思います。

バークシャー・ハザウェイの事業を見ると保険がメインですが、
製造業の売上でも4〜5兆円の利益を出しており、さらには数年前に買収した鉄道分野での収益も高くなっています。

当時、鉄道会社を買収した際には、「時代錯誤」だと批判を受けましたが、この数字を見ると見事としか言えません。

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ソフトバンクグループ傘下の米携帯大手スプリントの6月末時点の総契約件数は5766万件となり、
4位のTモバイルUS(5890万件)に抜かれました。

一方で、20日の東京市場でソフトバンクの株価は一時前日比4%高い、7772円まで上昇しています。

この背景には色々な動きがあります。孫氏はスプリントの立て直し策がわかったということで、
109億円分の0.58%の株を買い増していますが、これは孫氏特有の「トリック」だと私は見ています。

もし本当に立て直し策がわかったのなら、黙って静かに実行すれば良いだけですから、0.58%株を買い増しても意味はありません。

おそらく、株価維持のためにこのような動きをしたのではないかと私は見ています。若干、怪しい動きです。

また先日、ニケシュ・アローラ副社長が約600億円で自社株を購入すると発表しましたが、これも怪しい動きです。

同氏は「コミットメント示す」とのことですが、私に言わせれば、そもそも600億円の資金はどこから出てきたのか?不思議です。

アローラ氏がサインアップボーナスのような形でソフトバンクから650億円の報酬をもらい、
そのうち600億円を使ったという説明のようですが、日本の税制では650億円のうち手元に残るのは半分以下です。資金の出処が何とも不透明です。

さらに言えば、アローラ氏は「無限の信頼」などと言っていますが、
私が知るこういうタイプの人は、取締役をやめたらさっさと持ち株を売ってしまいます。

アローラ氏が株を売る動きを見せていないかを監視するほうがよほど重要かも知れません。

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※この記事は8月22日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


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▼今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は各企業の動向をお届けしました。
一時、前日比4%まで高くなったソフトバンクの株価。

大前はこの現象について、自社株を買い増した孫氏とアローラ氏を
「怪しい動き」であると解説しました。

ニュースなどから情報を得る際、事実をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

なぜそうなったのか?背景では何が起こっているのか?という視点を持ち、
情報を読み解いていこうとすることが重要です。

このことを意識することで「考える」習慣は徐々に身についていき、
正しく物事を理解することにつながります。

2015年08月21日(金) 

■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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国内経済・訪日外国人・国内タイヤ大手〜20世紀型の経済政策では景気は上向かない

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国内経済 4-6月GDP予測 前期比0.38%減
訪日外国人 星野リゾートがANAクラウンプラザホテルを買収
国内タイヤ大手 大手4社中3社が経常増益

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▼そもそも2%の物価上昇率を目指したことから、間違っていた
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日本経済研究センターが11日発表した民間エコノミスト41人の経済見通しによると、
4〜6月期の実質国内総生産(GDP)の予測の平均は前期比0.38%減、年率で1.55%減だったとのことです。

最近では、アベノミクス「3本の矢」のこともほとんど触れなくなりました。

私は何度となく繰り返し説明していますが、
今の日本は「低欲望社会」であり、従来の20世紀型の経済政策では景気は上向かないのです。

眠ったままになっている個人金融資産1600兆円がマーケットに出てくるような心理経済学を使うことです。

安倍首相は2%の物価上昇率を掲げていましたが、
私に言わせれば、そもそも2%の上昇を目指す理由はあるのか?と思います。

失業率も低く、飢えて困っている人がいるわけでもありません。

結局のところ、財投を含め様々なことをやっているようですが、
そのほとんどが不必要なものではないかと思います。

最近は、安倍首相も日銀の黒田総裁も静かになってしまいました。

私としても自分が提唱する心理経済学が正しかったと声高に言っても嬉しくも何ともありません。

そんなことよりも日本の景気が上向いてくれることが重要です。

そして、お金を眠らせてしまうのではなく、
一人でも多くの人がお金を使って人生を楽しみ、満喫してほしいと思っています。

安倍首相や黒田総裁には、ぜひそれを実現すべく動いてほしいと思います。


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▼訪日外国人観光客は3000万人規模へ/ブリジストンは絶好調
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星野リゾートは27日、金沢市などにある4つの「ANAクラウンプラザホテル」を買収すると発表しました。

また産経新聞は「大型バス“爆売れ”」と題する記事を掲載しました。

三菱ふそうトラック・バスは6月時点で前年の約2倍の受注となったほか、
日野自動車も4〜6月は前年の1.6倍の売上を記録しています。

これまでのんびりと構えていた星野リゾートも、
さすがにここまで中国人観光客の人数が増えてきて都市型のホテルまで満杯状態が続いてしまうと、
手を打たざるをえなかったということでしょう。

同様に大型バス不足も深刻です。

マッキンゼーの後輩でもある日本交通の川鍋一朗社長とも話をしましたが、
さすがにこんな状況になるとは予想できなかった、と。

中国の景気次第という側面もありますが、
おそらく訪日外国人数は2000万人を超えて、3000万人規模になると私は見ています。

今後もバス不足は続くでしょう。

また、タイヤ大手の業績も順調です。

ブリヂストンが7日に発表した2015年1〜6月期連結決算は、
純利益が前年同期比2%増の1446億円となり、上半期として3年連続で最高を更新しました。

自動車生産が堅調な北米でタイヤ販売が伸び、
天然ゴムや原油などタイヤの原材料価格の下落がプラスとなったとのことです。

ブリジストンを筆頭に、日本勢は調子が良い状況です。

ファイアストンの買収も成功し、ブリジストンはタイヤメーカー世界トップ3の中でも、トップに躍り出ました。

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※この記事は8月9日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


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▼今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は国内経済の話題を取り上げました。

物価上昇率2%をかかげている安倍首相。
これに対し大前は、失業率が低く飢えもない状況において、
そもそも「2%」を目指す必要性に疑問を呈しています。

目標値を定める際、目的に向けた相応しい設定がされていなければ意味はありません。

その数字が達成されることで何を実現したいのか?
このような視点をもって考えることが重要です。

目的が意識されていないままでは良い解決策は導けず、
大きなインパクトを創出することはできません。

2015年08月14日(金) 
(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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三菱重工業・ベトナム原発建設・福島第一原発事故〜何をもって「事故原因」と定めるべきか?

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三菱重工業 米サンオノフレ原発
ベトナム原発建設 三菱重工−仏アレバ連合の新型炉を推奨
福島第一原発事故 東電旧経営陣3人を「起訴すべき」

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▼三菱重工の受けた損害賠償9300億円はあまりにも痛い
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三菱重工業は先月28日、米カリフォルニア州のサンオノフレ原子力発電所で、
三菱重工業製の主要装置が破損し廃炉になった問題で、
納入先のサザンカリフォルニアエジソン社などから75億7000万ドル(約9300億円)の
損害賠償を請求されたと発表しました。

三菱重工が納めた蒸気発生器が壊れ、結局、廃炉になってしまいました。

サンオノフレ原発はロサンゼルスからサンディエゴに向かう海岸にぽつんとある原子炉で、
防波堤もなく地震や津波が襲ってきたら、かなり危険な状態でした。

蒸気発生器のトラブルで損害賠償9300億円ということですが、
保険に加入しているわけでもないでしょうし、さすがにこの金額になると三菱重工にとっても痛いでしょう。

選択と集中を考えるにも大きな制約になると思います。

一部、日立と手を組んでいる分野もありますが、
原子炉ということで考えるのなら仏アレバ社と提携するのもアリでしょう。

先日、日本勢が建設することで政府間合意しているベトナムの原子力発電所の建設計画で、
日本政府がベトナム政府に三菱重工業─仏アレバ連合の新型炉を推奨していることが明らかになりました。

日立-GE、東芝-ウェスティングハウスとなると、
三菱重工は仏アレバと手を組むというのは自然な流れとも言えます。

ベトナムへ納品する原子炉は2基で、総額は1兆円規模になる見込みです。

これ自体は非常に良い話ですが、だからこそ9300億円の損害賠償は返す返す残念です。

トラブルで売上がたたないばかりか、
損害賠償で9300億円を負担するのはあまりにも大きいと言わざるを得ません。

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▼福島第一原発事故の責任を東電のみに押し付けるのはおかしい
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東京電力福島第1原子力発電所事故をめぐり、
東京第5検察審査会は31日、東電の勝俣元会長ら旧経営陣3人を業務上過失致死傷罪で起訴議決を公表しました。

これは非常に難しい問題です。
何をもって「事故原因」と定めるかは色々な見方ができます。

判決としては、津波は「予知可能」だったものとし、
それに対する「備え」を怠ったという理由で勝俣元会長ら旧経営陣を被告としています。

とは言え、同じ論法で言うならば、
他の原子力発電所も「予知と備え」を怠っていることは間違いありません。

福島第一原発を襲ったレベルの津波に他の原子力発電所は耐えうるのか?
と問われれば、答えはノーでしょう。

私に言わせれば、東電のみに責任を負わせるのではなく、
同時に経産省や保安院も対象にすべきだと思います。

米国は9.11テロの後、テロリスト・テロ行為への対処として
ステーション・ブラックアウト(全電源消失)への対応をしてきました。

福島第一原発の例を見ても、全電源消失になっても
非常用電源が1つでも残っていれば何とかなったことは明白です。

9.11テロ後、私は日本政府にも米国と同じように、全電源消失への対応をするべきだと進言しました。
しかし、役所も含め誰も本気で受け止めて対処した人はいません。

東電も対処を怠ったのは確かですが、
東電を指導する立場にある役所である経産省や保安院も、見て見ぬふりをしたのですから同罪でしょう。

福島第一原発事故を感情的に見てしまうと、
当事者である東電に対して厳しくあたってしまうのかも知れません。

しかし、経産省や保安院が「日本という国」として対処すべきことを怠ったという事実を
私は見逃してはいけないと思います。

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※この記事は8月9日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


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▼今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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業務上過失致死傷罪で起訴議決となった東電旧経営陣。
これに対し大前は、事故原因については色々な見方が出来ると指摘しています。

今回の話題に限らず、立つ視点によって物事の捉え方は全く異なります。
一つの事象に、複雑なステークホルダーの利害関係が関わってくることがあります。

重要なのは、物事の一部分だけを見て判断をしないことです。

感情ではなくロジックに基づいて「最も確からしさ」のある解を導いていくことが、
ビジネスシーンにおいても求められています。

2015年08月07日(金) 

■(1)〜大前研一ニュースの視点〜
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自動運転車、ゼネラル・モーターズ、アマゾン、アリババ〜アマゾンの時価総額を押し上げた要因とは?

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自動運転車 自動車ハッキング、米欧で対策着手
米ゼネラル・モーターズ インドに約1250億円を投資
米アマゾン・ドットコム 純利益約113億円
中国アリババ集団 大企業クラウド顧客

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▼自動運転車の課題は大きい/天下のGMとして気構えを見せてほしい
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日経新聞は、先月24日、
「自動車ハッキングへの対策着手 クライスラーやBMW」と題する記事を掲載しました。

米国の著名ハッカーが、つながる車の脆弱性を訴える目的で、米専門誌と協力し、
運転中の車を遠隔操作して乗っ取る映像を公開したところ反響が広がったと紹介。

車の製造元の米FCAUS(旧クライスラー)が22日、対応策を発表し、
独BMWも遠隔操作に対抗するためソフトウェアを更新したと発表しています。

つながる車の自動運転どころか、
運転しているのは「別の誰か」というおそろしい状況が再現されたようです。

これは相当、危険な状態です。
つながる車のソフトウェアに問題があったということで、FCAUS社は約140万台をリコールします。

これまでは、「いかにセンサーに忠実に反応できるか?」だけを考えて開発してきたため、
ハッカー対策にまで手が回っていなかったのでしょう。

原発と全く同じ問題を抱えているといえます。
年初に韓国の原発がハッキングを受けてニュースになりました。

北朝鮮は関与を否定しましたが、実際に韓国の原発が北朝鮮に乗っ取られたら一大事です。

自動運転車には同じようなリスクがあるということです。

140万台全てを乗っ取られるという想像するにおそろしい可能性すらあり得ます。
あまりにリスクファクターが大きく、前途多難と言わざる得ない状況だと思います。

***

米ゼネラル・モーターズ(GM)はインドに10億ドル(約1250億円)を新たに投資する計画を明らかにしました。

メアリー・バーラCEOによれば、インドに工場を集約し、新しく10車種ほど投入する考えも示しています。

しかし私に言わせれば、「天下のGMがやることか?」と思います。

現在、インドにおけるGMのシェアはわずかに1.6%に過ぎません。
トップのスズキが36.4%、2位のタタ・モーターズが14.1%、3位の現代自動車が13.1%です。

仮にGMがシェアを2倍にしたところで、4%に満たない状況で、トヨタにすら届きません。

あまりの望みの低さに驚いてしまいます。

せめて4位のマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(シェア11.8%)を
買収するくらいの意気込みを見せてほしいところです。

中国では圧倒的な強さを見せつけたGMですから、
インドでもそれを再現するくらいの気持ちがあっていいと私は思います。

「シェア4%を目指します」では、天下のGMとしてはさすがに物足りないと感じます。

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▼アマゾン時価総額はクラウドコンピュータ/アリババもアマゾンと同じ路線へ
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米アマゾン・ドット・コムが、先月23日発表した第2四半期決算は、
売上高は19.9%増の231億9000万ドル。

純利益は9200万ドルと黒字に転換し、大幅に改善しました。

ジェフ・ベゾス氏は創業時に「世界一の小売屋になりたい」と発言していました。

その言葉通り、今回時価総額ではウォールマートを上回り、小売のトップになったと言えます。

表面的には祝福の言葉をかけたい気になりますが、内情を見るとやや状況が違うとわかります。

実は、小売部門の利益改善はそれほどでもなく、利益を出しているのはクラウドコンピュータ部門です。

当然、時価総額を押し上げる要因になっているのも、この部門です。

日本でもアマゾンのクラウドコンピュータに対する関心は非常に高くなっています。

時価総額30兆円に達し、ウォールマートを抜いて小売のトップに踊りでたわけですが、
時価総額が高くなった本当の理由はクラウドコンピュータであり、小売事業そのものではありません。

***

日経新聞は、先月25日、中国の電子商取引(EC)最大手、
アリババ集団がクラウド事業の強化に動き出したと報じました。

これまで自社の仮想商店街へ出店する個人・中小企業向けの付帯サービスが中心でしたが、
今後は大手企業向けに展開するとのことです。

アリババもアマゾンを見ていて、クラウドコンピュータ事業の魅力に気付いたのかも知れません。

ECも非常に難しい事業ですから、
そこからクラウドコンピュータやアプリケーションの方向へ大きく舵を切ったということでしょう。

ジャック・マー氏の言葉を借りれば、「ITからDT(データ・テクノロジー)へ」ということになります。

また、アリババのライバル・テンセントが急成長を見せています。

利益も5000億円規模に達し、2005年〜15年の年率でみると、
株主へのリターンは1年で61.8%という驚異的な数値を示しています。

おそらく1年〜2年のうちには、フォーチュン500に入ってくると思います。
ソフトバンクのように、自ら使い切れない資金は積極的に投資していて、それも功を奏しています。

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※この記事は8月2日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


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▼今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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時価総額でウォールマートを抜いた米アマゾン。
しかし大前は内情に注目し、小売部門の利益改善はそれ程でもないと指摘しています。

分析の基本は、分けて比較することです。
ただ単に数値を眺めていては意味合いを見出すことはできません。

その要因は何か?という疑問を持ち、要素分解しながら考えることが重要です。

このような分析を繰り返すことで、因果関係は徐々に明らかになっていきます。
これは、本質的問題発見における基本的なアプローチです。

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