2016年01月29日(金) 
全日空・民泊・訪日外国人数・世界旅行客数〜賃貸で月額25万円のマンションが月額120万円に化ける
全日空:夏ダイヤの路線便数計画発表
民泊:空き家の「準公営住宅」指定で所有者による物件提供認め
訪日外国人数:2015年の訪日外国人客数
世界旅行客数:2015年の海外旅行者数
飛行機か?新幹線か?2時間半が分かれ道

全日本空輸は20日、3月27日に始まる夏ダイヤの路線便数計画を発表しました。
国内線では北陸新幹線の開業後、低迷していた羽田空港発着の小松線と富山線を1日6往復から4往復に減便する方針を発表し、減便で浮いた羽田発着枠を使って宮古線を1日1往復で新規開設するほか、旅客需要が堅調な岩国線や沖縄線などを増便するとのことです。
かつて上越新幹線が開通し、東京から新潟まで「2時間半」を切るようになったとき、航空便は相次いで撤退に追い込まれました。この「2時間半」というのが移動を選択するときの分かれ道になります。
JRも当然のことながら理解しているので、北陸新幹線の東京-金沢間も「2時間半」に収めています。そのため、途中にある軽井沢に停車しないのです。
全日空の北陸路線は対前年比でマイナス50%以上に落ち込んでいますが、このままの状態だと富山、金沢はいずれゼロになっていくことになると思います。
賃貸で月額25万円のマンションが、月額120万円に化ける

日経新聞が16日報じたところによると、国土交通省は全国で増え続ける空き家を公営住宅に準じる住宅として活用する見通しが明らかになりました。
まずカプセルホテル扱いで、その後新法検討と考えているようですが、私に言わせればそんなレベルの話ではなく、もっと大きなビジネスになる話です。
箱根湯本に温泉付きの別荘を持っている友人がいます。維持費、管理費、固定資産税などのコスト負担に頭を悩ませていましたが、エアービーアンドビーに登録して開放したところ、毎日のように外国人観光客が来て、なんと月収が100万円を超えたそうです。部屋の掃除や鍵の受け渡しなどを代行してくれる人に、月額30万円支払っても十分お釣りがくる状態です。
さらに都心に2LDKのマンションを持っている友人がエアービーアンドビーを活用したところ、1泊4万円で毎日利用者が来て、月収は120万になったそうです。このマンションは通常の賃貸だと、月額25万円が上限だったので、4倍〜5倍に収入が跳ね上がっています。
中国人観光客などは大体4人〜5人で来ますから、普通にホテルに泊まると総額1泊10万円くらいになるのを、このマンションだと4万円に抑えられます。またキッチンを使って料理をすることができるのも利点のようです。
* * *
大京が民泊事業に参入する方針を明らかにしています。現在、個別に契約している掃除や鍵の受け渡し等の代行業務を、組織的に運営する体制を整えればコストダウンも図ることができるでしょうし、非常に大きなビジネスになると思います。
私の周りだけでも、収入が3倍〜5倍に跳ね上がったという「エアービーアンドビー・ショック」が起きています。盆と正月が一緒に来たような状態です。今後の展開に期待したいと思います。
賃貸で月額25万円のマンションが、月額120万円に化ける

日本政府観光局(JNTO)が19日発表した2015年の訪日外国人客数は前年より47%多い1973万人となり、過去最高を記録しました。増加は4年連続で、円安を追い風に中国からの訪日客が急増しています。
そうした中、米ハイアット・ホテルズや米ヒルトン・ワールドワイドは、今後10年で金沢、鹿児島、広島などの地方都市にも開業を目指す方針が明らかになりました。
去年のはじめ、私が「2000万人」に達すると予想したとき、ほとんどの人は信じていなかったようですが、実際には近しい数字になりました。リーマン・ショックの後、少しだけ落ち込みましたが、ここ最近の伸びを見ると劇的です。
内訳を見ると、従来トップだった韓国人に代わって、中国人がトップになりました。中国人、韓国人の割合が高いですが、米国人でも100万人来日しています。また、香港、フィリピン、シンガポールから来る人も増えてきています。
現状で見れば、個人ベースの買い物では圧倒的に中国人が多いでしょうが、必ずしも中国人だけではなく、様々な国の人が訪れるようになってきています。今後は、韓国人、台湾人、米国人、など各国別に対応していくことが求められるでしょう。
さらに、ロシアに対するビザが開放されれば、ロシアからの観光客も増えるでしょう。特に、ロシア人が好きなエジプトやトルコには行きづらい情勢になっているので、大いに期待できます。ビザについては安倍首相に頑張ってもらいたいところです。
国連の世界観光機関が18日発表した2015年の海外旅行者数は世界で11億8400万人と前年に比べ4.4%増え、過去最高を更新しています。日本の2000万人が多いと言っても、全体からすれば2%に満たないレベルです。地域別に見ると、欧州が6億人と圧倒的に多くなっています。次いでアジア・太平洋となっていて、米国は多くありません。主役の座は完全に欧州にうつっていて、アジアのスーパーリゾートも魅力的でしょう。
国境を超えて旅行する人の数は、うなぎのぼりで、市場は自動車産業よりも巨大になっていますから、今後も注目でしょう。
この記事は1月24日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?

今週は民泊の動向に関する話題をお届けしました。
記事中、幾つかの事例をもとにエアビーアンドビーが大きなビジネスになることを解説。同サービスのような「空きリソース」を活用する経済の新しいフレームワークを、大前はアイドルエコノミー(Idle Economy)と提唱しています。
変化の兆しに注目し整理して考えることで、そこから新しいチャンスを見出すことが出来ます。停滞する世の中においては既存のやり方に固執するだけでは戦えません。新しい切り口を見つけ実践することが、問題解決につながっていくのです。

2016年01月15日(金) 
国内GDP・GDP算出法・国債発行・国内経済〜1人当たりGDPで5万ドル台を目指す政策を
国内GDP:2014年の1人当たりGDP
GDP算出法:来年改定
国債発行:「前倒し債」上限額 2016年度に48兆円へ
国内経済:「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした
1人当たりGDPで5万ドル台を目指す政策を

内閣府が2015年12月25日に発表した統計によると、2014年の日本の1人当たり名目GDPは3万6230ドルとなり、前年から6.0%減少したことがわかりました。
前年を下回るのは2年連続で、経済協力開発機構(OECD)の34カ国中20位になり、統計で遡れる1970年以来の最低に転落しました。
かつて主要国で3位に位置したこともある日本にとって、20位というのは何ともみっともない状況です。
名目GDPは、円高になると上がり、円安になると下がります。今の状況は仕方がないと思う人もいるでしょうが、そうではありません。
確かにドルベースの推移を見ると、為替の影響もあり上下に変動していますが、「今が最悪」というタイミングではありませんので、為替だけを理由にしてGDPが伸び悩んでいる現状を説明するのは無理があるでしょう。
為替に関係なく「日本のGDPは伸びていない」というのが事実です。
そのような中、日経新聞は先月27日、「GDP算出法、来年改定」と題する記事を掲載しています。日本のGDPに算入されていない企業の研究開発費などが2016年7-9月期の2次速報から新たに算入される見通しを紹介。
これにより、名目GDPは現在の500兆円から3%以上、金額にして15兆円以上増える見込みとのことです。
これは当然のことかも知れませんが、当初の「アベノミクスによる経済成長」という話とは別ものです。計算方法を変えたら3%伸びました、では筋が違います。
政府の政策によって改善したわけではありませんから、これをもって結果として受け入れることはできません。
研究開発費などを算入するのは、他の国でも事例があるので良いと思いますが、それでも結局のところ、わずか3%しか改善しません。
日本の1人当たりGDPはかつて4万ドル台でしたが、今は3万ドル半ばでイタリアと同レベル。世界のトップは6万ドル台です。私としては、せめて5万ドル経済を目指す「抜本的な政策」を打ってほしいところです。
安倍首相が進めている「携帯電話の料金値下げ」「法人税減税による投資拡大の要請」などを見ていると、残念ながらそのような政策になるとは思えません。ポイントがズレていると私は感じています。
いくら隠れた資産があっても、引っ張りだせなければ机上の空論

財務省は次年度に発行する予定の国債を1年早く発行する「前倒し債」の上限額を、2016年度は48兆円に引き上げる方針を固めました。
2015年度の当初計画に比べ16兆円増え、過去最高額となる見込み。日銀の異次元緩和で市場に出回る国債が少なくなっており、需給の逼迫で金利が乱高下するのを防ぐ狙いです。
現在、日本は国債で流動性を確保しているため、それが足らないという判断でしょう。確かに国債の需要はありますが、これは国の債務を増やすことに直結するので、「禁じ手中の禁じ手」だと私は思います。
一方で、日本の借金はそれほど大きいものではない、という錯覚を抱いている人もいます。例えば、現代ビジネスは先月28日、『「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした』と題する記事を掲載しました。
元大蔵省・財務官僚で経済学者の高橋洋一氏が国のバランスシートを分析した結果を紹介。財政破綻を煽る通説は、バランスシートの負債側しか見ていないことや資産として政府内の子会社を連結していない問題点があるとし、それらを仔細に見ていけば日本の財政はマスコミや学者が言うほどに悪くはない、と指摘しています。
私は以前から高橋洋一氏のことを知っています。「財務省が握っている特別会計がある」「いざというときのリザーブになっている」と、高橋氏は20数年間ずっと同じことを主張し続けています。しかしながら、その間一度も、指摘している資産が借金返済に使われたことはありません。
国が強い意識を持って、財務省が握っているものを丸裸にして国の借金返済に自由に使えるのならいいのですが、結局のところ、「使えなければ意味がない」のです。死ぬときに貯金はいっぱいあるけどもっと使っておけばよかった、というのと同じです。
そして重要なのは、マーケットがどう見るか、ということです。「資産があります」と言われても、それを引っ張りだすことができず使えないのであれば、役に立たないものとマーケットは判断します。だからこそ、日本の国の格付けも落ちていくわけです。
もし「いざというとき」のための資産だというなら、それを使うルールを法律で定めるべきだと私は思います。
「格付けがここまで落ちそうになったら、これだけの資産を取り崩して借金返済に充てる」ということを決めて、格付けが落ちないようにすべきです。
高橋氏の話は「ウケ」がいいのは間違いないと思いますが、結局のところ20数年間、リザーブの資産を引っ張りだすことができていないのも事実です。
それが実現できなければ、どれだけ「実は、資産があって換金できる」と言われても机上の空論に過ぎません。マーケットがどう判断するか、ここに焦点をあてるべきだと思います。
この記事は1月10日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?

今週はGDPに関する話題を取り上げました。
計算方法が変更されることにより、3%以上数値が増える見込みのGDP。大前は、アベノミクスによる経済成長ではないため、結果としては受け入れられないと指摘しています。
データを見る際は、なぜその数字になったのか確認する必要があります様々な要因が存在する中、何が最も影響を与えていたのか理解しないままでは、結果を正当に評価することはできません。問題解決においては、このような数字の読み解き方が求められます。

2016年01月08日(金) 
東芝・新日本監査法人・キリンHD〜海外進出の遅れは業界全体の問題
東芝:2016年3月末までに国内外で1万600人削減
新日本監査法人:3ヶ月の新規業務停止命令
キリンHD:上場以来初の連結最終赤字
5000億円の不正会計よりも、将来の布石がないことが問題

東芝は21日、2016年3月末までに国内外でグループ全体の5%に相当する1万600人を削減すると発表しました。
16年3月期の連結最終損益は構造改革費用などで5500億円の赤字と過去最大になる見通しで、会計不祥事で覆い隠されていた低収益体質を改善し、経営再建を急ぐ考えです。
状況がわかってくると、単に「利益を底上げしていた」というよりも、より構造的な問題が大きいと感じます。
私が一番懸念するのは、不正発覚前は時価総額2兆円越の企業でしたが、「中核事業」が曖昧になり、ふわっとした雰囲気になっていることです。
東芝のセグメント別の売上高・利益を見ると、以下の様な状況になっています。
・電力インフラ事業:2兆円規模だが、利益率が1%と低い
・電子デバイス、半導体事業:利益は出ているが、急激に減速している
・コミュニティソリューション事業:そこそこ利益が出ている
・ライフスタイル事業(パソコン、テレビなど):業績は悪く、足を引っ張っている
・ヘルスケア事業:利益も出ており、日本ではトップに入る
これらの中で、ヘルスケア事業を売却し、ライフスタイル事業は富士通と一緒に展開すると言われています。電子デバイス事業も別会社化、独立を検討していると聞きます。
そうなると、東芝に残るのは、コミュニティソリューション事業と電力インフラ事業になりますが、これらの事業で「東芝の中核」を成すことができるのか不安です。
最も利益を出している電子デバイス事業にしても世界に目を向ければ、サムソン、TSMCなど強力な競合がいます。
不正会計による5000億円よりも、将来に向けた布石が何もないことのほうが、より重大な問題だと私は感じます。
シャープも非常に素晴らしい会社だったのに、今では方向性が定まらず、同様にふわっとした会社になってしまいました。
電機大手の時価総額を見ると、ソニーが回復してきて、日立、パナソニックが頑張っています。東芝は一気に1兆円を割り込み、シャープは大安売りという状況です。
東芝は、「中核事業」の位置づけを再度見なおしてもらいたいと思います。
監査法人の業界全体を健全化しなければ、同じ不正は繰り返される

東芝の会計不祥事を巡り、金融庁は12月22日、会計監査を担当した新日本監査法人に3カ月の新規業務の停止を命じる行政処分を正式発表しました。
監査法人に対し初となる約21億円の課徴金も科し、これについて金融庁は「相当の注意を怠り、長期間にわたり批判的な観点から検証ができなかった」と指摘しています。
監査法人に対し初となる約21億円の課徴金と言っても、私に言わせれば「甘すぎ」ます。21億円の追徴金など、何の問題もなく支払うでしょう。
そして全く痛痒を感じることなく、反省もないままに終わると思います。もっと会社がひっくり返るくらいの罰を与えるべきだと思います。
日本の監査法人業界は、新日本、トーマツ、あずさという御三家が君臨しています。何か事故があっても、この3社が焼け太りをするだけで、本質的に変化することはありません。
この業界構造が問題だと私は見ています。
監査法人はもう少し中堅規模になり、数年に一度、任期満了で交代する、といったルールを設けるべきです。
そうしないとお互いに切磋琢磨することなく、まるで顧問先の契約を継続しようとするように、「守る」意識ばかりが強くなります。また、企業側の意思で監査法人を変えようとすると、「嫌がらせ」に近い対応を受けます。
最長でも5年で監査法人は変えるなどして、業界体質を変えなければ、オリンパスを始め、過去の事例を見ても明らかなように、同じ問題は繰り返されるでしょう。業界全体の仕掛けを変えることに着手して欲しいと思います。
海外進出の遅れは、キリンに限らず業界全体の問題

キリンホールディングスは2015年12月期の決算が、1949年の上場以来、初めて連結最終赤字を計上する見通しとなりました。
2011年に買収したブラジル子会社ののれん代など、約1100億円を特別損失として計上することが響くもので、2016年から新たな中期経営計画が始まるのを前に、誤算続きの負の遺産にケリをつける考えです。
これは、ブラジルのビール会社・スキンカリオールの買収が失敗だったということでしょう。特別損失でのれん代を一気に償却するということは、将来的に成長を見込めない、あるいは時価総額に対して買収金額が高すぎた、ということになります。
この点については、もう少し明確に買収の失敗を開示すべきだと思います。キリンの売上高・利益を見ると、国内は好業績ですが、全体として伸び悩んでいます。海外に進出していきたいと考えるのは理解できますが、正直に言って、海外戦略を取るのが遅すぎたと言わざるを得ません。
これはキリンに限らず、日本のビール会社全体に当てはまります。海外のビール会社は、キリンの比ではない大規模な会社も多く、バドワイザーによるサブミラーの買収など、何兆円という単位の大型合併も行われています。
海外のビール会社の買収と言っても、参入するのが遅すぎたためリスクの高いものしか残っておらず、ババを引かされた格好です。
キリン単体の問題というよりも、日本のビール業界全体の問題として捉えることが重要だと思います。

■2016年01月01日(金)  元旦は思考始め

01 今週の 大前研一ニュースの視点

米マクドナルド・LIXILグループ・リクルートHD〜日本市場の本質を理解していない米マクドナルド
米マクドナルド:日本マクドナルド株売却をファンドなどに打診
LIXILグループ:藤森義明社長兼CEOが2016年6月に退任
リクルートHD:USGピープルを買収
米マクドナルドは、日本市場の本当の問題を全く理解できていない

米マクドナルドが約5割を握る日本マクドナルドホールディングス株の売却に向け、大手商社や国内外の投資ファンドに打診を始めたことが21日わかりました。最大約33%分を売却する方針で、外部の資本とノウハウを取り込み低迷する日本事業の再建を急ぐ考えです。
私に言わせれば、この株を買う価値は全くありません。米マクドナルドのフランチャイズ契約で縛られて、ノウハウも商品も今まで通り提供を受ける限り、何の独立性もないからです。
極端なことを言えば、米マクドナルドと縁を切って、モスバーガーと一緒に、ということはできません。一番の問題は、米マクドナルドが日本マクドナルドの置かれている状況を理解していないことです。
私は何度も指摘してきましたが、日本の間食・昼食マーケットは米国のそれとは全く事情が異なります。ラーメン、うどん、牛丼、カレー、さらにはコンビニの弁当まで、信じられないくらいバラエティに富んでいます。日本マクドナルドにとって競合相手は、他のハンバーガー店ではないのです。
この点を理解していない米国マクドナルドから、いくらノウハウ提供を受けても現状を打破することは難しいでしょう。原田氏、カサノバ氏が失敗した理由も、ここにあると私は観ています。
結局、価格を上げ下げしたり、ハンバーガーの組み合わせを変えたり、試行錯誤をしていたものの、米国マクドナルドのノウハウ範囲内のことでした。本気で日本でマクドナルドを立てなおそうとするなら、間食・昼食マーケットを理解し、その中で戦略を練る必要があると思います。米国のフランチャイズ契約の範囲内で立て直しをするのは無理です。
米マクドナルドが株を売却して1000億円のキャッシュを手に入れるのは、虫のいい話で何ら解決には向かわないと私は感じます。
もしフランチャイズ契約から自由にさせてもらえるのであれば、非常に面白いことができるでしょう。店舗展開しているロケーションは良いですし、これだけ売上が下がったと言われている現状でも、ファーストフード市場では未だにトップですから、余力はあります。
LIXILの経営は、藤森流=GE流/リクルートはもっと大きな買収を狙うべき

LIXILグループは21日、藤森義明社長兼最高経営責任者が2016年6月に退任し、工具通販大手のMonotaRo(モノタロウ)の瀬戸会長が社長に就く人事を発表しました。「会社を大きくしてきた自負がある。5年を1つの区切りで考えていた」とかねて退任を検討していたと話し、子会社化した独グローエ傘下のジョウユウの不正会計問題について、進退とは「全く関係ない」と断言したとのことです。
藤森氏の実力については、以前のGEの業績を見ても疑う余地はありません。日本でも数少ない「プロ経営者」と呼ばれる一人だと思います。LIXILグループの経営にあたっても、海外戦略などは十分な成果を上げるなど、ほぼ満点に近い評価を受けています。唯一、従来からのチャネルである国内工務店との接点をもっと持って欲しかった、と言われています。
数年前から後任選びの第3者グループを作り、検討してきた結果、後継者として瀬戸氏を選んだと言うことですが、若干、用意周到に過ぎるとも感じます。また、私ならば後継者は別の人間を選んだと思います。というのは、藤森氏はLIXILのトップになるにあたり、GEで一緒に働いていたトップ人材の部下数名を連れて来ているからです。
LIXILの経営にあたって、その部下たちと一緒に「藤森流=GE流」の仕事の進め方に変えました。今後、経営を引き継ぐとすれば、そのやり方に精通している人材のほうが良いはずです。私なら、外部の人ではなく、GEから一緒に来た人材の中から後継者を選びます。逆に言えば、瀬戸氏が社長になった後、現在の仕事のやり方である「藤森流=GE流」をどう継承していくのか、変えていくのか、苦労するかも知れません。
藤森氏は非常に優秀なプロ経営者ですから、今後も声がかかると思いますが、もし次の会社に行くことがあるなら、自分の部下を連れていくことなく、単独で乗り込んでもらいたいと思います。
* * *
リクルートホールディングスは22日、オランダの人材派遣会社USGピープルを14億2千万ユーロ(約1885億円)で買収すると発表しました。TOB(株式公開買い付け)で全株式を取得するとのことで、米国やオーストラリアの企業に続く買収により、人材派遣で世界6位から4位に浮上するとのことです。
この買収劇は、一言で言えば「小物」過ぎます。リクルートは売上約6500億円、時価総額は2兆円を超えていますから、もっと「大物」を狙うべきだと思います。
この程度の買収をしても、その後の伸びはたかが知れています。国内ではEC等も手がけ、非常に上手くやっているリクルートですが、今回の買収は規模的に小さすぎると感じます。もっと高みを目指して欲しいと思います。
この記事は12月27日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?

今週は企業動向に関する話題をお届けしました。
日本市場に合わせた戦略が求められるマクドナルド。米国本社とのフランチャイズ契約の範囲内で立て直しをするのは難しいと、大前は指摘しています。
顧客のライフスタイルを知り、真の競合を正しく把握しなければ、自社の戦略は描けません。
取り巻く環境をファクトで押さえること、そして、これまでの枠組みに囚われずに問題の本質を見極めること。この過程を経て、インパクトを生み出す有効な解決策の立案が行えます。

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