2017年08月25日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米スティーブ・バノン氏/米トランプ政権/ロシアゲート問題 〜トランプ政権崩壊の転換点を迎えつつある

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米スティーブ・バノン氏 バノン主席戦略官・上級顧問が退任
米トランプ政権 新首席補佐官と規律なきトランプ政権
ロシアゲート問題 FBIがマナフォート氏の自宅を捜索

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▼トランプ政権崩壊の転換点を迎えつつある
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米ホワイトハウスは18日、トランプ米大統領の最側近である
バノン首席戦略官・上級顧問が同日付で退任すると発表した。
バノン氏は米国第一主義を主張し、
昨年の米大統領選当選の立役者でしたが、政権内の穏健派と相容れず、
またトランプ氏の家族との意見対立もあり
解任を求める声が強まっていました。

おそらく多くの米国人が喜んでいると思います。
バノン氏の役割は選挙期間中、極めて重要でした。
白人至上主義だけでなく、ほとんどの政策を牛耳っていた
と言っても過言ではないでしょう。
しかし他のアドバイザーや共和党との折り合いが悪い上、
ここにきてトランプ氏との間にも決定的な軋轢が生じました。

バノン氏がテレビで北朝鮮問題を軽視した発言をしたためです。
本当の問題は中国であり、将来中国が脅威にならないように
今抑え込まないでどうするのか、という持論を展開しました。
北朝鮮問題に取り組んでいるトランプ大統領からすると、
これは自分を馬鹿にしたのと同じだと捉えたのでしょう。
トランプ大統領の娘婿のジャレッドクシュナー氏とも馬が合わないですし、
クビにせざるを得ない状況だったのは間違いありません。

朝日新聞デジタルに掲載されていた記事の中に、
「ホワイトハウスを去る高官らとバノン氏を巡る構図」
が示されていましたが、プリーバス氏、バノン氏、
スパイサー氏、フリン氏はすでに去り、
ペンス氏とトランプ大統領本人しか残されていません。
これはすごい状況だと思います。
現在の状況であれば、ペンス氏とティラーソン氏が頑張って
トランプ大統領の解任動議を出すとクーデターが可能だと思います。
実は、このシナリオの方が弾劾よりも実現しやすいかもしれません。
上院、下院の3分の2の賛成で可能ですから、もう少しという段階です。

ニューズウィーク誌の表紙には大きくトランプ大統領が掲載され、
「LAZY BOY」とタイトルがつけられていました。
重要法案を通した数はゼロで、6ヶ月経過してゴルフ場で
過ごした日数が40日だと指摘されています。
オバマ大統領のゴルフ場通いを批判していたのに、
一体どういうつもりなのでしょうか?
トランプ大統領は米国をどうしようとしているのか?
まったく見えてきません。

現在のトランプ政権の混乱ぶりと、今後の見通しについて、
エコノミストは8日「新首席補佐官と規律なきトランプ米政権」
と題する記事を掲載しています。
先月31日に米ホワイトハウス広報部長を解任された
スカラムチ氏の在任期間は10日で、
それ以降も高官の辞任は続き混乱を極めていると指摘。
また先月28日にはトランプ米大統領がプリーバス首席補佐官を更迭し、
後任に海兵隊大将も務めた退役軍人の
ケリー国土安全保障長官を据えていますが、
ケリー氏に政権立て直しを期待する人々が最も警戒するのは、
人の助言を聞かないトランプ氏そのものであり、
トランプ氏の政治的、戦略的、道徳的な素質に
疑問符が付くと述べています。

さすがに共和党もこれでは中間選挙は戦えないと判断し、
今後は態度を変えてくることが予想されます。
今はその転換点にあると思います。
私は最初からトランプ大統領は半年ももたないと
提言してきましたが、もうすぐ、その半年を迎えようとしています。


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▼ロシアのエージェントに引っかかった愚かなトランプ陣営
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米紙ワシントン・ポストは9日、米連邦捜査局(FBI)が
7月にマナフォート元選対会長の自宅を家宅捜索していたと報じました。
マナフォート氏は旧ソ連諸国関係者から多額の金銭を受け取り、
見返りに便宜を図っていた疑惑があるとともに、
昨年6月にはロシア人弁護士らと面会し、
ロシアの米国大統領選への介入に共謀した疑惑も浮上しています。

今月末に発売されるベルダ誌で私が寄稿したのも、
まさにこの問題でした。プーチン大統領は世界一のお金持ちで、
その資産は20兆円に達すると言われています。
しかし、この資産の身動きが取れなくなる事態が発生しました。
オバマ前大統領が2012年、ロシアの人権侵害を理由に
ロシアの政府幹部の資産凍結を決定したマニッキー法を通したためです。
この資産凍結を解くために、プーチン大統領は
約2万人のエージェントを主として米国にばらまき、
各州の議員に個別に接触し法改正を働きかけたと言われています。

トランプジュニアと娘婿のジャレッドクシュナー氏が
昨年6月に会ったと言われているベセルニツカヤ弁護士
とロビイストのアクメチン氏。
両名はマニッキー法撤回を求める中心人物です。
今回モスクワに呼び戻されたキスリャク駐米ロシア大使なども、
プーチン氏のために尽力していた人物の1人だと言われています。
マニッキー法を共和党に変えてもらうために
派遣された2万人のエージェント。
愚かにもこの2万人にトランプ陣営が引っかかったということです。
おそらく、今後のロシアコネクションの調査で
そのつながりが明らかになってくるはずです。



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※この記事は8月20日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、トランプ政権の話題を中心にお届けいたしました。

政治的、戦略的、道徳的な素質に疑問符が付くトランプ大統領。

米国をどうしようとしているのかがまったく見えず、
トランプ政権崩壊の転換点にあると大前は指摘しています。

いくら権力やカリスマ性があったとしても、
リーダーの行動が機能するためには、
信頼されていることが前提となります。

リーダーの行動原則として、ビジョンを掲げ、共有し、
また、模範となり率先して行動していく必要があります。

2017年08月18日(金) 
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【1】今週の 〜大前研一ニュースの視点〜
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≫ソフトバンクグループ/米ウーバーテクノロジーズ/三菱商事/エールフランスKLM 〜スカイチームの提携強化で変わること

ソフトバンクグループ 米ウーバーへの出資を検討
米ウーバーテクノロジーズ CEO候補にジェフ・イメルト氏
三菱商事 イギリスで海底送電線を取得
エールフランスKLM 英ヴァージン株31%を取得

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【2】問題解決力トレーニングプログラム より
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≫「問題解決ベーシック思考コース」9月開講クラス生募集中

考える/ 表現するための基本となる国語を見直すところからはじめ、
問題解決に必要な思考力を鍛える!お申込は【8月25日(金)15時まで】

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【3】問題解決力トレーニングプログラム より
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≫『インパクト提案書作成トレーニング』2017年9月開講クラス募集中!

相手の心を動かし、行動を起こす提案書を作成するために必要な
「メッセージ」「ストーリー」「図解」のスキルを習得する

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【4】BBT大学経営学部 より
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≫在学生と共に履修できる特典付「単科生制度」を拡充

特に強化したい知識やスキルを1科目より選択し受講可能
短期間集中して学びたい方へ【10月開講期出願期限:8月28日(月)】

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【5】クリックアンケートのお願い
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【6】あとがき
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■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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ソフトバンクグループ/米ウーバーテクノロジーズ/三菱商事/エールフランスKLM 〜スカイチームの提携強化で変わること

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ソフトバンクグループ 米ウーバーへの出資を検討
米ウーバーテクノロジーズ CEO候補にジェフ・イメルト氏
三菱商事 イギリスで海底送電線を取得
エールフランスKLM 英ヴァージン株31%を取得

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▼ソフトバンクがウーバーに投資しても、他国への相乗効果は期待できない
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米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先月25日、
配車サービスを展開する米ウーバーテクノロジーズに
ソフトバンクグループが出資を検討していると報じました。
ソフトバンクは中国で配車大手の滴滴出行に加え、
インドのオラなど複数のライドシェア(相乗り)関連の企業に出資しており、
今回の出資が実現すれば、ソフトバンクがアジアで事業運営を
統合するよう働きかける可能性があると伝えています。

私はソフトバンクが事業運営を統括することになる可能性は
薄いと見ています。ソフトバンクは、中国の滴滴出行、
インドのオラ、シンガポールのGrabに投資していますが、
この種のサービスは国をまたいで投資しても
相乗効果はそれほど期待できないからです。
ソフトバンクがウーバーに出資することになっても、
中国やインドで大きな変化が起こるとは思えません。

カラニック氏がウーバーのCEOを辞任し、
誰がウーバーの舵取りをするのか?ということですが、
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先月28日、
トラビス・カラニック氏の後任候補の1人として、
ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルトCEOを
検討していると報じています。

7月末でGEを退任したイメルト氏。
パワハラ問題などで社内はぐちゃぐちゃのウーバーでも、
イメルト氏なら何とかしてくれるという期待が持てるのでしょう。
私がイメルト氏の立場であれば、ウーバーのCEOは受けません。
検討する余地もありません。
ただ、もしイメルト氏が引き受けたなら、
ソフトバンクの孫社長はイメルト氏と旧知の仲ですから、
出資に好影響が出るかも知れません。


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▼海底送電線への投資をするなら、もっと戦略的に
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日経新聞は先月26日、三菱商事は英国で
洋上風力発電から地上に電気を送る海底送電線を
1億8000万ポンド(約270億円)で取得すると報じました。
風力発電は安定的に電力を供給するのが難しいとされますが、
発送電の分離が進み今後も需要がある英国を中心にノウハウを蓄積し、
欧州全域を網羅する再生エネルギーの発送電網構築を目指すとのことです。

商社は潮流発電など、様々なものに投資をしていますが、
その1つが今回の海底送電線への投資です。
この電源は、おそらく3000ボルト以下のものでしょうから、
サハリンから日本へ送り込むような高圧直流は必要ありません。

欲を言えば、高圧直流を研究して、ウラジオストクから新潟へ送電する、
あるいはサハリンから日本へ送り、さらに福島に残っている送電網へつなぐなど、
もう少し戦略的に投資すると良いのではないかと思います。

2017年08月11日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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トヨタ自動車/日産自動車/中国自動車大手/韓国・現代自動車 〜トヨタは全方位ではなく迷走している

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トヨタ自動車 マツダとの資本提携を発表
日産自動車 営業利益1533億円
中国自動車大手 中国、自動車3社に統合構想
韓国・現代自動車 韓国・ヒュンダイが「自壊」危機

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▼トヨタは全方位ではなく迷走している/日産北米は崩壊している
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トヨタ自動車とマツダは資本提携を正式に発表しました。
電気自動車(EV)の共同開発や米国内で
新工場の建設を今後検討するとのことで、
自動車技術や排ガス規制など競争環境が大きな転換点を迎える中、
トヨタは全方位の提携で生き残りを図る考えです。

私は今、トヨタは迷走していると感じています。
ハイブリッド車が成功したので、
現状は悪くありませんが、将来に懸念を感じます。
電気自動車の開発で遅れを取り、自動運転、
水素自動車の分野では、さらに遅れています。
テスラが新モデルを発売するなど、電気自動車市場で躍進し、
すでにこの分野では勝負あったという状況です。
では、将来の水素自動車はどうするのか?
未来を考えなくてはいけません。

今さら電気自動車で、マツダと提携して共同開発では遅すぎます。
トヨタはハイブリッド車が上手く行き過ぎて、
電気自動車の開発が遅れたことが今になって影響が出ています。
全方位戦略と言えば耳あたりは良いですが、
私に言わせれば「方向感覚」を失っていると思います。

今後のトヨタにとって大きな課題、考えるべきことは大きく3つあります。
1つは「電気自動車」について、どう考えるか。
もう1つは「シェアリング・アイドル」で、
自分で持たない市場が大きくなると、
自動車販売台数は3分の1程度になると予想されます。
この需要の減退について、どう考えるか。
そして最後は「自動運転」で、レベル4の自動運転が実現すると、
同じく自動車の数は激減すると思います。
スマホで予約して自動運転の車が来てくれる、という世界になるからです。
これをどう考えるか。

さらに言えば、電気自動車になると使用する部品の数も大きく減ります。
極端に言うと、10分の1程度になるかも知れません。
この部品需要の激減に対して、トヨタを頂点とした3万社はどう対処すべきか。
トヨタはどう責任を取るつもりなのか。

世界の自動車販売台数を見れば、マツダを加えることで、
フォルクスワーゲンを10%程度抜いてトップになりますが、
これは短期的な話に過ぎません。
マツダと提携して、電気自動車の開発というレベルの話でもありません。
トヨタはもっと未来に対して危機感を抱くべきだと私は思います。

日産自動車が発表した2017年4〜6月期の連結決算は、
営業利益が前年同期比12.8%減の1533億円でした。
国内販売が好調だった一方、カルソニックカンセイが連結対象から外れたほか、
北米市場で実施した販売奨励金によるコスト増加が響いたと
見られているとのことですが、これは非常に甘い見方です。

北米日産は、50%弱をレンタカー会社に供給しています。
要するに、売れてもいないのにそのような提供をすることで
販売台数を水増ししているというのが実態です。
もはや禁じ手だと思います。浮かれている場合ではなく、
増収減益になった理由はこの北米にあります。
日産の北米がどのくらい崩壊しているのか、
私は注意深く見守る必要があると思います。


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▼電気自動車を見据え外資を排除する中国/現代自動車の危機を招いている原因
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日経新聞は2日、「中国、自動車3社に統合構想」と題する記事を掲載しました。
これは、中国国有自動車大手の中国第一汽車集団と
中国長安汽車集団の経営トップが入れ替わる人事が明らかになったと紹介。
東風汽車公司を含めた3社間でトップが持ち回りのように交代しており、
中国では3社が経営統合を視野に入れたとの見方が浮上しています。

かつて鉄鋼会社同士でも似たようなことがありましたが、
国策会社として大同合併をするという流れでしょう。
中国のメーカー別自動車販売台数を見ると、VW、GM、日産、本田など
外資系との合弁企業がトップから名前を連ねています。
逆に言うと、外資系の資本が入っていない企業は非常に規模が小さい状況です。

今の中国の動きを見ていると、外資系企業と袂を分かち、
自分たち自身で電気自動車を世界に輸出して
大きくなるという布石のように思います。
合弁会社を作ってきた外資系企業からすれば、
今まで信じて一緒にやってきたのに、技術だけ盗まれて終わり、
という可能性が出てきています。
電気自動車が普及し、内燃機関の自動車は2025年以降販売できない
などとやられてしまったら、目も当てられません。
その意味で、「また中国にやられるのか」という戦慄が走っています。
今後、中国がどの程度乱暴に外資を排除しにくるのか、
注目する必要があると思います。

産経新聞は先月24日、「韓国・現代(ヒュンダイ)自動車が「自壊」危機」
と題する記事を掲載しました。
今年上半期の最重要市場の中国での販売台数が
前年同期比でほぼ半減していると紹介。同社は中国販売の急減は、
米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」
の韓国配備に対する中国側の報復措置の影響と説明しているものの、
現代自動車自体の競争力も低下している現状で、
労働組合は6年連続のスト実施を決定していることなどを含め、
韓国の製造業を代表するガリバー企業は
「自壊」の危機にひんしているとしています。

米国市場をみるとよくわかりますが、現代自動車の特徴は、
それほど質と価格が高くないということです。
明らかに、日本車や欧州車の下の値段で勝負しています。
その意味では米国のような市場で競争するには、魅力的なものではなく、
実際2回ほど米国市場からは撤退をしています。

一方、低い価格帯のブランドとしては買収した起亜自動車などを活用し、
総じて言えば世界戦略は成功してきました。
途上国、インド、トルコ、そして中国市場での成功が
大きな要因になっていました。その中国市場で傷ついてしまったので、
今の状況は非常に厳しいものがあります。



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※この記事は8月6日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、自動車業界の話題を中心にお届けいたしました。

記事中で、電気自動車の開発というレベルの話ではなく
トヨタはもっと未来に対して危機感を抱くべきだと
大前は指摘しています。

トヨタが考えるべき大きな課題として言及しているように、
現在の延長として解決策を考えるのではなく、
未来がどうなるかを推測し、その中でどうあるべきかを
考えることです。

問題を長期や全体の関係でとらえず、
現状を小さく打開するような打ち手や小さく改善するような
場当たり的な判断では根本的な解決の機会を失ってしまいます。

複数の未来を前提にし、長期的な視点で広く世の中を見渡し、
客観的にシナリオを考えることが重要です。

2017年08月04日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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岐阜県高山市/地方創生/米シアーズ/米アマゾン・ドット・コム/中国IT企業 〜アマゾンとの提携はシアーズの生き残る道

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岐阜県高山市 岐阜県高山市でホテル建設相次ぐ
地方創生 2016年度の移住相談 21万3000件
米シアーズ アマゾンに白物家電販売を委託
米アマゾン・ドット・コム アマゾン株終値1053ドル
中国IT企業 中国が超速で「IT先進国」に変貌している理由

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▼飛騨高山は宿泊施設を充実させよ/引退後の移住先を選ぶポイントは?
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日経新聞は先月21日、「岐阜県高山市でホテル建設相次ぐ」と題する記事を掲載しました。
高山グリーンホテルが敷地内に新館を建てる他、
森トラストもJR高山駅近くに4700平方メートルのホテル用地を取得しました。
高山市は飛騨地域への観光の拠点となっているほか、
春と秋の高山祭などの時期には宿泊予約が取りにくくなっており、
新たなホテルの建設で訪日客の取り込みを図る考えです。

高山市は外国人に人気のある観光地で、
訪れる観光客の10人に1人は外国人になっています。
私も過去に訪れたことがあります。
観光客の数が多い割に宿泊施設はお粗末なものが多く、
今回新しいホテルが建設されるのは良い機会だと思います。
白川郷等に行くにも起点となる立地で、
今後も観光地として期待したいところです。

総務省がまとめた2016年度の移住相談件数は、
前年度比51%増の21万3000件でした。
相談件数1位の自治体は長野県で、
北陸新幹線で首都圏まで1時間30分程度という
アクセスの良さが人気だったとのことです。

この結果は私にとって、意外でした。
都心に人口集中が起こっている反面、
引退後は田舎に住みたいという人が多いのは知っていましたが、
私のイメージでは「暖かい場所」のほうが人気になると思っていました。
例えば、和歌山県、静岡県、あるいは伊豆半島などです。

ところが、移住相談件数1位は長野県で、次いで、
新潟県、北海道、富山県、石川県と寒い地域ばかりが続きます。
北海道はともかくとして、おそらく「交通の便」が良い地域が
優先されているのだと思います。

都心で引退した人にとっては、交通の便が良いことは重要な要素なのでしょう。
長野県(上田市など)や新潟県(越後湯沢など)は、
東京から1時間半もあれば着いてしまいます。
一方で、和歌山県、伊豆半島、あるいは四国なども暖かい土地ですが、
東京からの交通の便がよくないのが選ばれにくい原因でしょう。


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▼アマゾンとの提携はシアーズの生き残る道/
アマゾンが独禁法を適用されない理由/フィンテックでも台頭する中国IT企業
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米小売り大手シアーズ・ホールディングスは先月20日、
自社ブランドの白物家電「ケンモア」製品を
ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムで販売すると発表しました。
ケンモアはシアーズの自社ブランドの中でも人気が高く、
冷蔵庫、エアコンなどが売れ筋商品になっています。

白物家電の一流ブランドであるシアーズが、
アマゾンの軍門に下ったという見方もできるでしょう。

シアーズの業績を見ると、売上高は右肩下がりで、
損失を計上する状況に追い込まれています。

背に腹は代えられない状況というところでしょうが、
悲観的になり過ぎる必要もないかも知れません。
GEは昨年家電事業を中国のハイアールに売却しています。
このアマゾンとの提携で、シアーズの白物家電が復活するなら、
それは1つの生き残る方法だと思います。

提携する側のアマゾン・ドット・コムは非常に好調です。
米アマゾン・ドット・コムの株価は、先月26日の終値で1053ドルになり、
時価総額が初めて5000億ドルを超えたとのことです。
アップル、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックに次いで、
世界のビッグ5に名を連ねています。創業者のジェフ・ベゾス氏は、
一時ビル・ゲイツ氏を抜いて世界一の大富豪になりました。

アマゾンの強さは米経済に大きく貢献する一方で、
独占禁止法の適用が必要なのでは?と言われるほどになっています。
ところが、かつてのように独禁法を適用するのは今の時代にはなじまない、
という議論が出てきています。

かつては「モノ」を提供していたため、
独占後に値段を上げていく、という手法を取ることができましたが、
現代のサイバー時代は事情が違います。
今アマゾンがいくら強いと言っても、
巨大な競合企業が登場することも考えられます。
例えば、中国企業が台頭してくることもあり得るでしょう。
そうなると、アマゾンであっても、ひっくり返る可能性があります。

それゆえ、独禁法を適用して分割する、
という従来の方法が今の時代には、
なじまないのではないかと議論されています。


東洋経済オンラインは先月21日、
「中国が超速で「IT先進国」に変貌している理由」
と題する記事を掲載しました。
この半年ほどの間に中国のIT企業から、
極めて独創的かつ先進的なビジネスが登場しており、
今や中国はIT分野においては米国に次ぐイノベーションの発信地
という地位を確立しつつあります。

WeChatペイなどを含め、フィンテックでも強さを発揮しているのが特徴でしょう。
アリババグループのジャック・マー氏は、
今後はすべての小売りがインターネットと結合する
「新リテール」の形態が生まれてくると予言しています。



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※この記事は7月30日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、アマゾンの話題を中心にお届けいたしました。

損失を計上する状況に追い込まれているシアーズ。

これに対して大前は、アマゾンとの提携で、
シアーズの白物家電が復活するなら、
それは1つの生き残る方法だと言及しています。

今回のシアーズの例のように、
グローバル化、競争激化、技術革新のスピードが上がり、
企業が自社の経営資源のみで成長を目指すことが
難しくなっていることから、戦略的提携が加速しています。

連携や提携で補完的な機能分担や価値提供を行うことで、
高い競争力を獲得し、競合に対する持続的な優位を
確保することができます。

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