2015年03月10日(火)11:41 
◆致知出版社の「人間力メルマガ」-----2015年3月10日 ◆


講演回数は7千回を超え、著作も90冊に及ぶなど、
これまで多くの人々に“やる気”を与えてきた
社会教育家の田中真澄さん。


かつて日経BP社に所属し、
『日経ビジネス』の基礎を固めた後、
43歳の時に独立。


以来36年間、己の身一つで、
講演と執筆だけで生きてきました。


そんな田中真澄さんが語った
「ビジネスで大事なたった2つのこと」とは──。


┌───────今日の注目の人─────────┐


  「ビジネスで大事なたった2つのこと」


     田中真澄(社会教育家)


    ※『致知』2015年4月号
      特集「一を抱く」より


└───────────────────────┘

サラリーマンは退職と同時に
「所属価値」を失ってしまいます。


大企業の権威をバックに肩で風を切る勢いだった人も、
会社の社員という所属価値を失ってしまえば、
誰からも相手にされなくなるものです。


その時、問われるのが「存在価値」です。


言い換えれば、


「どこの企業のどういう肩書の方ですか」から
「あなたには何ができますか」


という問いへの答えが求められるのです。


これからの人生百年時代をいきいきと生き抜く上では、
自分自身の「生き方革命」がとても重要になってきます。


私に存在価値の大切さを
気づかせてくれたのは父でした。


父は元軍人で私たち一家は戦後、
いまの韓国・釜山から日本に引き揚げてきました。


ところが、日本が独立するまでの6年半、
父はパージによって公職に就くことができず、
過酷な行商で家族の生活を支えたのです。


日本国内が食べるものに事欠いていた頃までは、
行商でもなんとか食い繋いでいけましたが、
物が豊かになるにつれて厳しさは増していきました。


それでも父は決して行商をやめようとせず、
朝早くから夜遅くまで人の2倍、3倍、
汗水流して黙々と働きました。


私はそういう父の後ろ姿をとおして
「人間は命懸けで打ち込めば生きられるのだ」
と教えられたのです。


父は軍人だっただけに商売には全く不慣れでしたが、
ある人からこう教わったそうです。


「田中さん、商売というのは簡単なんだよ。
 太陽のように生きればいいんだ。
 太陽は2つのものを人に与えてくれる。

 1つは熱。

 熱意を持って人に接すれば、
 その熱は自然と相手に伝わる。

 もう1つは光。

 光を与えて相手を照らし、
 関心を持ってその人の存在を
 認めてあげることが大事なんだ」


父は生前、


「俺は商いのことは何も知らないが、
 この2つだけは心の支えにしてきた」


と私に話していました。


私が個業家(個人事業主)として
自分の存在価値で勝負しようと思ったのも、
そんな父の影響です。


これまで有料の講演会だけでも
6500回以上も行ってきましたが、
私が伝えたいメッセージを凝縮すれば、
父から教えられた「熱と光を相手に与えよ」に
尽きるように思います。
 

老舗には私たちが学ぶべき点が多くありますが、
ここでは私たちが参考にすべきいくつかの例を
紹介してみたいと思います。


最初は、熊本市にある「花の木」という
家族経営の小さなレストランです。


創業36年と老舗と呼ぶには歴史は浅いのですが、
私が注目するのは36年間、1日も休まずに営業を続け、
しかも一切広告をしないのにファンが全国から
駆けつけて客足が絶えないことです・・・

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