2019年05月24日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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スマートシティー/コクヨ/富士フイルムHD/
キーエンス/ソフトバンクグループ〜2つの事業提携とその先行き

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スマートシティー トヨタ、パナソニックが住宅事業を統合
コクヨ ぺんてるに101億円出資
富士フイルムHD 営業利益2098億円
キーエンス キーエンス、高収益の秘密
ソフトバンクグループ 連結純利益1兆4111億円

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▼トヨタとパナソニック、コクヨとぺんてるの事業提携の先行きは暗い
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トヨタ自動車とパナソニックは9日、
住宅関連事業を統合すると発表しました。

2020年1月に共同出資会社を立ち上げ、
トヨタホームやパナソニックホームズなど
両社の住宅関連子会社を移管する計画です。

移動サービスの台頭で、都市のあり方が変わる中、
両社の資源を融合させ、街づくりに絡む事業を強化する考えです。

日本の住宅メーカーは専業が強く、
トヨタもパナソニックも住宅関連事業に参入したものの、
どちらも好調とは言えません。

そんな「イマイチ」同士が手を組んだところで、
果たして結果は期待できるのか?というのが、私の率直な感想です。

パナソニックは家電を組み込んだスマートホーム、
トヨタはEV充電施設がある街づくりを目指していく。

トップ同士が会談をすると
「こうした社会を実現するために」という話になるのでしょうが、
それだけでは競争力は生まれません。

積水ハウス、大和ハウスなどに対抗できるでしょうか。

また日本は、都市部でマンションが増え、
全体的に新築住宅が増えるわけではない市場環境なのです。

この点を踏まえて、どのような戦略を考えているのか、
私にはわかりません。

私に言わせれば、今回の発表において
「両社ともトップになれなかった」という事実を
受け止めた発言がなかった点に懸念を感じます。

過去の失敗をどのように分析し、今後どのような戦略で
勝ちに行くのかを述べるべきだったと思います。

それをせずに、「スマートシティー」という言葉だけで
逃げたのは、トップが戦略を考えていない証拠だと私は感じました。


コクヨは10日、筆記用具大手のぺんてるに出資したと発表しました。

101億円を出資し、事実上の筆頭株主となる見通しで、
国内事業に軸足を置くコクヨと、
海外進出を積極的に進めてきたぺんてると協業の可能性を探り、
海外市場での存在感を高める考えとのことです。

この提携も良い組み合わせではないと思います。

たしかに、ぺんてるは海外展開に成功していて、
逆にコクヨは海外進出に苦戦しています。

しかし、ぺんてるの海外拠点を使うだけで
コクヨの海外展開も上手くいくと考えるのは、甘すぎます。

コクヨの国内の収益事業の1つは、事務機器です。

ぺんてるが主力とするボールペン販売とは似て非なる商品です。

単に拠点があるというだけで、
コクヨの事務機器も簡単に海外で販売できるとは思えません。

そもそも両社ともに今後間違いなく縮小していく市場に
身を置いているリスクについて、
どのように考えているのでしょうか。

鉛筆やペンでモノを書く機会が減り、
紙媒体も少なくなってきています。

同業を憐れむ程度の考えで、
手を組んだところで全く成功できるイメージがわきません。

新聞記者は、安易にシナジー効果が期待できるなどと書きますが、
この記事もその典型例でしょう。



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▼富士フイルムは、ビジネススクールの良いケーススタディになる
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富士フイルムホールディングスが8日発表した
2019年3月期の連結決算は、営業利益が前期から70%増の
2098億円となりました。

08年3月期以来、11年ぶりに過去最高を更新。

事務機事業での構造改革が進んだほか、
医療機器やバイオ関連のヘルスケア部門も
好調だった要因とのことです。

10年以上前からカメラなどの
イメージングソリューション事業の売上が減少していく中、
ヘルスケア事業、ドキュメントソリューション事業などを強化し、
見事に経営を立て直したと思います。

特に大きく業績が落ち込んだ同業のコダックと比較すると、
富士フイルムの健闘が讃えられるべきでしょう。

フィルムそのものがなくなっていく時代で、
デジカメ分野にも決して強くなかったのに、
よくぞ生き残ったと思います。

これはビジネススクールの立派なケーススタディになるでしょう。

よくこの手のケーススタディでは、
日米の差で比較されることがあります。

たとえば、日本では電線メーカーは
光ファイバーの担い手に転じることで生き延びましたが、
米国ではガラスメーカーが光ファイバーのメーカーになったため、
電線メーカーは没落しました。

今回の富士フイルムの例は、日米の差ではなく、
企業の経営力の差として良い事例になると思います。

富士フイルムとコダックの経営陣の差が、
今日の両社の違いを生み出したといえるでしょう。



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▼キーエンス、オムロン、ファナックの違いとは?
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日経新聞は8日、
「キーエンス、高収益の秘密」と題する記事を掲載しました。

多くのメーカーが相次ぎ下方修正に追い込まれた中でも、
キーエンスは2019年3月期に7期連続で最高益を更新した、と紹介。

背景には、データ分析と収集による営業の効率化や
顧客のニーズを的確に捉えた製品開発がある一方、
故障やトラブルがあっても部品を即日配送するなど
スピード重視の姿勢も顧客の信頼を得ている要因としています。

自ら製造するわけではないファブレス企業のキーエンスが、
これほど高収益を出し続ける要因は、
世界の7不思議の1つと言っても良いくらいだと私は感じています。

BBTでも社長を務めていた佐々木道夫氏を招聘して
話を伺ったことがあります。

しかし、「なぜ、キーエンスがすごいのか」
もう1つわかりませんでした。

逆に言うと、それがすごいことなのかも知れません。

キーエンスの特徴は、お客様に生産性向上の答えを届ける
ソリューション営業が秀でている点です。

このあたりは、創業者の滝崎武光氏の影響が
強いのだと思います。

競合のファナック、オムロンとの大きな違いにもなっています。

オムロンは似たような商品を販売していますが、
ソリューション営業ではなく、
部品などの単品売りが中心です。

メーカーのオムロン、ソリューション営業のキーエンス、
その間にいるのがファナックという競合関係です。

この3社の競合関係と売上・利益を見ると、
この業界の状況をよく理解できます。

売上高で見ると、
オムロン(約8595億円)
→ファナック(約6356億円)
→キーエンス(約5871億円)の順です。

しかし、営業利益と純利益では全く逆の順序で、
キーエンス(営利3179億円、純利2261億円)
→ファナック(営利1633億円、純利1542億円)
→オムロン(営利766億円、純利543億円)になります。

そして、時価総額もキーエンス(約8兆円)
→ファナック(約3.9兆円)
→オムロン(約1兆円)の順になっています。



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▼ソフトバンクが決算を「派手」にした理由とは?
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ソフトバンクグループが9日発表した2019年3月期連結決算は、
純利益が前期比36%増の1兆4111億円となりました。

ファンド事業の含み益が初めて1兆円の大台に乗り、
利益拡大をけん引しました。

孫正義会長兼社長はサウジアラビアなどと組んだ10兆円規模の投資ファンド
「ビジョン・ファンド」の第2号ファンドを
立ち上げる考えを示しました。

この発表には、若干の「トリック」があります。

それは、含み益を決算に入れていることです。

含み益は、あくまでも「含み」ですから
まだ「実現」してはいません。

ですので、含み益を連結純利益に入れずに
計算する、という考え方もあります。

ところが、今回はあえて含み益を入れて
計算する方法をとり、またヤフーも連結子会社化して
決算に入れ込みました。

これだけ「派手」な決算にしたのは、
何か理由があるのだと思います。

ソフトバンクの有利子負債は10兆円を超えています。

その大きな負債への心配を打ち消したいのかもしれません。

「ビジョン・ファンド」の第2号ファンドについては、
第1号と同じように上手くいくのか?というと
難しいと私は見ています。

10兆円規模の投資に値する、
ウーバーやWeWorkのような企業が世界を見渡しても、
見つからないからです。



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※この記事は5月19日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、事業提携のニュースについて大前が解説しました。

トヨタとパナソニック、コクヨとぺんてる、
どちらも事業提携で競争力を強化する方針ですが、
はたして上手くいくのでしょうか。

住宅市場は専業が強く、
トヨタもパナソニックも住宅関連事業が好調とは言えません。

コクヨとぺんてるは主力商品が異なり、
海外展開が同じように上手くいくとは思えません。

事業提携を検討する際には、

「提携することによって規模の経済が発揮できるのか?」
「双方の強み弱みを補う存在となれるのか?」

協業後の競争力を冷静に把握することが大切です。

2019年05月17日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米中貿易〜追加関税の影響とその結末予測

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米中貿易 中国輸入品への追加関税25%への引き上げ発動

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▼米中貿易問題の今、そして次のラウンドでは中国側の妥協だけでは済まない
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米政府は10日、中国からの約22兆円分の輸入品にかける
追加関税を10%から25%に引き上げる制裁措置を発動しました。

米中高官が9日、合意に向けてワシントンで協議したものの、
中国地方政府が地元企業に出す産業補助金をめぐり激しく対立したことで、
トランプ大統領が強硬姿勢に転じたものです。

これを受けて、中国側があらためて報復措置を予告。

世界経済への悪影響が懸念されています。

今のところ、中国側の報復は効いていません。

米国が関税を上げた分、
中国の輸出企業が値引きして対応しているからです。

それゆえ、米国はインフレにならず、
低インフレの状態を保つことができています。

このような中国企業が妥協している状況は、
日本にとっても大きな問題です。

なぜなら、中国に部品を納品している日本企業も、
「中国企業の妥協」の影響を受けるからです。

しかし、次のラウンドはこのままでは済まないと思います。

というのは、米国側のインフレを誘発しやすい商品が
並んでいるからです。

たとえば、iPhoneのような製品です。

中国側も出荷価格を25%値引きすることは難しいでしょうから、
関税が上がった分、米国の販売価格が25%上昇することになるはずです。

そうなると、米国ではインフレが進み、
米国の消費者も黙っていないでしょう。

中国の劉鶴副首相の発言を聞いていても、
中国側の妥協だけで丸く収まることは、やはりないでしょう。

日本は日米貿易戦争で「天変地異」を経験しました。

これから中国は同じ経験をすることになるはずです。

そして、もしかすると日本企業よりも
大変な道が待ち構えているかもしれません。

日本企業は米国に言われるがまま、米国内で生産する
体制を整えるなど、生産基地をバラバラにすることで
結果的に生き延びることができました。

しかし、中国企業の場合、米国内で生産するといっても
米国側が歓迎しない可能性があると私は感じます。

たとえば、ファーウェイが米国で生産すると言って
承諾されるとは思えません。

現状、中国企業は米国に言われたとおりにしてきただけで、
自らグローバル化するプロセスを経験していません。

ですから、米国から関税25%という条件を突きつけられた時、
対応するのは非常に難しいと思います。

生産拠点をベトナムやバングラデシュに移すといっても、
今の中国と同じ規模の生産拠点にはなり得ないでしょう。

広東省だけで6000万人規模ですから、単純に比較すれば、
それだけでベトナム全体の規模になってしまいます。

また、高速道路や港湾などのインフラ整備の点を見ても、
ベトナムやバングラデシュは中国ほど進んでいません。

かつての日本のように、業務を自動化することで
関税を上げた25%分を吸収するという方法もありますが、
これも難しいと感じます。

そうなると、最終的には関税の上昇分は、
やはり米国の消費者が支払うことになってしまうでしょう。

一方、この関税は米国政府の収入になりますから、
政府は濡れ手で粟の大金を得ることができます。

この資金を使って農民補助をすることもできるでしょうし、
トランプ大統領の人気取りもできるでしょう。

私に言わせれば、このような形で
25%の関税上昇分の収入を得ることは、暴力団と変わりません。

米国暴力団と言ったところでしょう。

これが米中貿易問題の現状です。



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※この記事は5月12日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、米中貿易のニュースについて大前が解説しました。

記事中で大前は、
今後の追加関税に関する予測を述べています。

予測をすることで、
次の一手、二手先を事前に考えることができます。

これは、どんなビジネスでも同様です。

楽観的なシナリオだけでなく、
悲観的なシナリオも準備しておくことで、
次の一手が遅れることを防ぐことができます。

2019年05月10日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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ウクライナ大統領/米朝関係/ロ朝関係〜ゼレンスキー氏大勝の背景

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ウクライナ大統領 ゼレンスキー氏が大勝
米朝関係 非核化交渉からポンペオ国務長官排除を要請
ロ朝関係 ウラジオストクで初の首脳会談

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▼ウクライナの利益誘導政治の歴史を一新させてほしい
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ウクライナ大統領選挙の決選投票が先月21日実施され、
コメディ俳優のウォロディミル・ゼレンスキー氏が
約7割の得票率で大勝しました。

ペトロ・ポロシェンコ現大統領も敗北を認め、
ロシアとの対立が続くウクライナを
政治経験がない大統領が率いることになります。

政治経験のないことを問題視する声もありますが、
ウクライナの場合には政治経験の有無は
特に大きな問題にはならないでしょう。

それよりも今回の選挙で大きなことだと私が感じたのは、
従来的な政治に染まった政治家が大敗北を喫したということです。

ゼレンスキー氏が、より一般民衆に近い自分の立場を
上手に利用した結果だと思います。

ゼレンスキー氏は、テレビ俳優で、
米トランプ大統領と同様に知名度が高い人物です。

あるテレビドラマの中で、
「偶然大統領になってしまうという役」を演じたことがあるそうで、
今回の選挙でまさにそのドラマが現実になった形です。

選挙においては、イホル・コロモイスキー氏という富豪の方が
財政面でバックアップしたと言われています。

コロモイスキー氏は、
ロシアとの会話を求める路線らしいので、今後ロシアに近づいて、
ミンスク合意に戻る可能性もあるかもしれません。

ポロシェンコ現大統領は、
一貫してロシアと対立する姿勢でしたが、
結局のところ、その成果としては何も残っていません。

ウクライナ国民はそれを不満に思っているでしょうし、
本心を言えば、ロシアと対立しても、
大きな意味はないと思っているはずです。

ゼレンスキー氏はそうした国民の心境に
うまく同調できたのだと思います。

ロシアのプーチン大統領との関係で気にかかるのは、
選挙直後にプーチン大統領が、ウクライナ東部地域の住民に
ロシア国籍を付与することを認める大統領令に署名したことです。

プーチン大統領の早とちりなのかも知れませんが、
いくら何でもタイミングが早すぎると私は感じました。

今回の選挙は、「出来合い」だったのではないか?と
勘ぐりたくなるほどです。

物理的な占領はしていないものの、ロシア国籍を与えることで、
パスポートの力で人を吸引しようという行為に対して、
他のウクライナの地域からも反発を招く可能性は高いと思います。

ソ連邦崩壊以降、ウクライナは政治家による
利益誘導の政治が横行してきました。

はっきり言えば、
ろくでもない政治家しかいませんでした。

今回、ゼレンスキー氏という「無色」の人が
大統領になることで、それが一新されることを願うばかりです。

一般常識がある人として、
良いスタートを切ってもらいたいと思います。



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▼北朝鮮に打てる手はなし。ロシアに協力要請しても無駄。
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非核化を巡る米朝交渉で、北朝鮮外務省の対米担当の幹部が
先月18日、2回目の首脳会談が物別れに終わった責任は、
ポンペオ国務長官にあるとして、交代を求める声明を発表しました。

これに対し、米国国務省は北朝鮮と建設的な交渉を行う用意があるとし、
あらためて非核化に向けた協議に戻るように呼びかけました。

北朝鮮の担当者のほうが、
ズレまくっていてお話にならないレベルです。

北朝鮮側の担当者が考えているのは、
金正恩委員長とトランプ大統領が直接2人で話し合えば
何とかなる、ということでしょう。

そのためには、前哨戦に登場するポンペオ国務長官や
常に隣にいるボルトン大統領補佐官が邪魔なのだと思います。

そもそも一番おかしいのは金正恩委員長ですが、
北朝鮮という国でそれを言うわけにはいきませんから、
無理やり今回のような要求を突きつけているのでしょう。

もちろん、こんな要求に応じて、
ポンペオ国務長官が退くことはあり得ないでしょう。

北朝鮮の金正恩委員長は先月25日、極東ウラジオストクで
ロシアのプーチン大統領と初めて会談しました。

その中でプーチン大統領は、北朝鮮が主張する
段階的な非核化を支持し、制裁と圧力路線を維持する米国を牽制。

一方、金正恩委員長は、
自らの立場を米国のトランプ大統領に伝達するよう
プーチン大統領に要請したとのことです。

要請されたプーチン大統領にしても、
現在の立場を考えれば、とてもトランプ大統領に
そんなことを言える状況ではありません。

私に言わせれば、そもそも金正恩委員長とプーチン大統領が
会談した理由すら理解できません。

金正恩委員長は、ロシアに足並みをそろえてもらって、
米国の制裁を打開できると思っているのでしょうか。

たしかに、米国の北朝鮮に対する制裁は
厳しすぎるという意見もあり、中国も同調しています。

とは言え、ロシアが勝手に制裁を解除すれば
米国からの締め付けは厳しくなるのは必然で、
ロシアとしては簡単に実行できるはずもありません。

それでも金正恩委員長がプーチン大統領に会いに行ったのは、
にっちもさっちもいかない状況で、
他にやれることもなかったからでしょう。

一方のプーチン大統領からすれば、
一帯一路構想の件で中国に赴く予定があったので、
そのついでに寄り道した程度だと思います。

この件に関して、
ロシア・プーチン大統領ができることはほぼありません。

今回の会談でプーチン大統領は金正恩委員長に
「6者協議」の復活を提案したそうですが、
まさに打てる手立てがないことを証明しているようなものだと思います。

6者協議は、米国、韓国、北朝鮮、中国、ロシア、日本の6カ国で
北朝鮮の核開発問題について直接協議を行う会議体でしたが、
2009年北朝鮮は離脱を表明し、さらに「6者協議は永遠に終わった。
6者協議には絶対に参加しない」とまで発言しました。

ゆえに、6者協議を北朝鮮の発案で復活させるというのは、
さすがにあり得ない話です。

結局のところ今回の会談は、ウラジオストク好きのプーチン大統領が、
中国に行くついでに金正恩委員長を引っ張り出しただけ、というものに
過ぎないと思います。



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※この記事は4月28日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、ウクライナ大統領選挙のニュースについて
大前が解説しました。

選挙結果には驚きますが、長年の流れを追っていれば、
今回の結果にも納得できるかもしれません。

目の前のニュースを単発的な事象として捉えず、
それまでの背景を含めてしっかり理解することは、
ニュースの本質を正しく見抜くことに繋がります。

そのためにも、常に学び続けることで、
教養を高めていく必要があります。

2019年05月03日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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LIXILグループ/TKP/日本電産〜TKPとリージャスのシナジー効果は期待できるか

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LIXILグループ 創業家・潮田氏が全役職辞任へ
TKP 日本リージャスHDを買収
日本電産 オムロンオートモーティブを買収

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▼LIXILグループの経営は、誰がやるにしても非常にむずかしい
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LIXILグループは先月18日、
潮田洋一郎会長兼CEOが、5月末に取締役を辞任し、
6月の定時株主総会を経て、会長とCEOからも退くと発表しました。

会見で潮田氏は、2019年3月期の連結業績が赤字に転落する要因は、
前CEO瀬戸氏の業務執行にあると強調。

自身が全役職から退くことで
瀬戸氏を任命した責任をとるとしています。

今期約500億円の赤字を計上した原因は、瀬戸氏を招く前にあり、
全てを瀬戸氏の責任とするのは間違いだと私は思います。

潮田氏は、自身の38年間の取締役人生の中で、
最大の失敗は瀬戸氏を招いたことだと述べています。

しかし、潮田氏が手がけたイタリアの
Permasteelisa S.p.A社の大型買収も結果として大失敗でしたし、
やはり瀬戸氏だけをクローズアップするのは違和感があります。

機関投資家はLIXILの経営状況に鑑み、
臨時株主総会を要求していましたが、
潮田氏・山梨氏の取締役退任が決まったので、
定時株主総会だけで収まるかもしれません。

ただし、大株主の状況を見ると、
アクティビストファンドが臨時株主総会を要求し、
潮田氏を追求する可能性もあると思います。

ちなみに、潮田氏の信託財産を扱う野村信託銀行の持分比率は
約3%に過ぎませんから、プロキシーファイトになった場合、
ほとんど力を持っていないと言えます。

また従業員持ち株会の2%も、
潮田氏を支持する可能性も低いと私は思います。

このような状況を受けて、
潮田氏は本社の移転やシンガポールの企業による買収など、
色々と画策しているという報道もあります。

しかし、今の状況で潮田氏や山梨氏が
状況を打開することは難しいと感じます。

とは言え、瀬戸氏が返り咲いたとしても、
この会社を経営できるのか?というと疑問が残ります。

LIXILは「ヤマタノオロチ」に例えられます。

頭がたくさんあって、制御不能ということです。

国内企業の合併だけでも未だにしっくり来ていないのに、
縁もゆかりもないグローエなども買収し、
グループ全体としてのまとまりがありません。

この会社の経営は非常に難しく、
まともに経営できる人はほとんどいないと思います。



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▼TKPのリージャス買収に、本当にシナジー効果はあるのか?
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ティーケーピー(TKP)は先月15日、
スイスのIWG傘下の日本リージャスHDを買収すると発表しました。

5月末までに発行済み株式の1万3700株を467億円で取得し、
完全子会社化とするものです。

TKPはレンタルオフィス市場での展開を加速する考えです。

TKPは売上も営業利益も驚くほど伸びています。

その状況からも、買収はもちろん可能ですが、
私はやや懸念しています。

というのは、TKPとリージャスではビジネスモデルが異なるため、
シナジー効果が本当に期待できるのかわからないからです。

TKPは貸会議室を展開しています。

料飲・ケータリングや宿泊などオプションをつけて
付加価値を提供しているのが秀逸ですが、
ビジネスモデルの根幹は会議室を貸すことです。

一方、リージャスのビジネスモデルは
WeWorkと同様にレンタルオフィスです。

一括して不動産を借りておき、
煩雑な不動産契約などを省き、それを貸し出します。

ネットで簡単に申し込めて非常に手軽で、特にスタートアップ企業や
フリーランスなどにはありがたいサービスです。

しかし今、レンタルオフィス市場の代表的な存在である
WeWorkに対して、三井不動産、住友不動産、森ビルなどが
大いに警戒していて対抗する動きを見せています。

乱戦模様になってきていて、今後も今までと同じような収益が
見込めるのか疑わしい状況になりつつあります。

また、TKPの売上が約300億円ですから、
リージャスはほぼ同程度の規模と言えます。

シナジー効果は一部あるにしても、
この点からもややリスクが高い買収だと感じます。

貸し会議室市場は、TKPがユニークに開発してきた市場ですが、
レンタルオフィス市場はそうではありません。

伝統的な企業がひしめきあうなど競合が非常に多い市場です。

今回のリージャスの買収も吉と出るか凶と出るか、わかりません。

それほど簡単にシナジー効果を期待できる状況ではないと
私は見ています。



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▼1000億円の買収額は高すぎる。永守氏には何か秘策があるのか?
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日本電産は先月16日、オムロンの子会社で、車載電装部品を手がける
オムロンオートモーティブエレクトロニクスを買収すると発表しました。

買収価格は約1000億円を見込み、
これにより日本電産は重点成長事業と位置づける
車載事業を強化する考えです。

100社以上の企業買収で1つも失敗したことがない、という
日本電産の永守氏ですから、今回の買収も問題ないのだと思います。

しかし、単純計算すると買収額を回収するまでに数十年かかるので、
この点をどのように見ているのか、正直私には理解できません。

日本電産は売上高2兆円を目指して成長していますが、
本業の精密小型モーターが伸び悩んでいます。

そこで、M&Aで特に成長著しい車載などの事業に1000億円を投資し、
さらに大きく伸ばしていこう、ということでしょう。

オムロンオートモーティブの利益は30〜40億円程度です。

永守氏が経営するとなると、さらに利益を出せるのかもしれませんし、
あるいは永守氏には外から見えない別の秘策があるのかもしれません。

また、逆にオムロンの立場から見ても、
私には売却した理由がピンときません。

これから先、IoTが進み、自動車そのものがサイバー化していく
時代において、今回のオートモーティブが持つ技術や資産は
重要になってくると思います。

なぜ、その事業を今手離してしまうのでしょうか。

永守氏の狙いもオムロンの売却理由も、現時点で理解できませんが、
今後どのような展開を見せてくれるのか注目したいと思います。



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※この記事は4月21日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、TKPの買収の話題について大前が解説しました。

TKPはこれまで、貸し会議室市場という独自の市場を開拓してきました。

一方、リージャスが戦ってきたレンタルオフィス市場は
貸し会議室市場の近接市場ではありますが、
その特徴はTKPと異なります。

事業領域の拡大は、
企業の成長にとって有効な一手ですが、

「その市場での競合は誰なのか」

「KFS(Key Factor for Success/勝ち残るために必要なカギ)は何か」

を把握することで、
新たな戦い方が必要かどうかを見極めることができます。

2019年04月12日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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楽天/独ダイムラー/米ボーイング〜コンピューターと人間の衝突

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楽天 有価証券評価益 約1100億円計上へ
独ダイムラー 中国・浙江吉利に小型車ブランド売却へ
米ボーイング 「737MAX8」墜落事故で装置の誤作動認め

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▼リフトで利益が上がったが、投資案件トータルで見ると?
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楽天は1日、米リフトの上場に伴い、2019年1〜3月期に
約1100億円の有価証券評価益を計上する見通しと発表しました。

一方、リフトの株価は上場2日目にして公開価格の72ドルを割り込み、
年内の上場を目論むスタートアップにとっての試金石となっています。

リフトの時価総額は、上場前の推計企業価値115億ドル予想に対して、
251億ドルまで跳ね上がりました。

今後のリフトの価値がどの程度になるのかは、まだわかりかねます。

楽天はリフトの株式を11.5%保有しているので、
時価総額が約2兆円なら有価証券評価益は2,000億円ほどに相当します。

楽天のリフトへの投資額は約300億円です。

この投資案件だけで見れば、大きく利益が出たと言えますが、
その他の投資案件で大きな損失が出ています。

代表的なものを挙げれば、バイ・ドット・コムに2.5億ドル、
プライスミニスターに2億ユーロ(のれん代172億円減損)、
コボに3.15ドル(のれん代78億円減損)の資金を投じていますが、
全く回収はできていません。

さらに大きいのは、
ベラルーシのバイバー・メディアに投じた9億ドルです。

現時点で214億の減損処理が行われています。

これらを合わせて考えると、この手の投資案件の結果としては
決して悪い結果ではありませんが、楽天の投資全体で考えると、
決して手放しで喜べないのではないでしょうか。



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▼スマートはベンツブランドの中で、お荷物だった
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独ダイムラーが小型車ブランド「スマート」の株式の50%を
中国民営自動車大手の浙江吉利控股集団に売却する交渉を
進めていることが、先月26日明らかになりました。

ダイムラーは、ベンツ、マイバッハ、AMG、ふそう、
フレイトライナーなどの様々なブランドを保有しています。

スマートは40〜50年前のスバルを彷彿とさせる小さい車です。

私は欧州に旅行した際に、何度か運転したことがあります。

販売台数は、SUV、ベンツCクラス、
ベンツEクラス、ベンツA/Bクラスに次いでいます。

それでも、約10万台/年間に過ぎず、
ベンツらしくないブランドのため、ダイムラーにとっては
現実的にお荷物ブランドになっていたのは間違いありません。

ですから、浙江吉利控股集団への売却は
良い選択だったと私は思います。

そして、おそらく浙江吉利控股集団であれば、
スマートというブランドをもっと良い形で活かせるだろうとも感じます。



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▼ボーイング社の企業姿勢そのものに不信感を覚える
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米ボーイングのミューレンバーグCEOは4日、
新型旅客機「737MAX8」が昨年12月と今年3月に墜落した事故について、
失速を防ぐため自動で機首を下げる装置が
いずれも不正確な情報が元で起動したのは明らかと述べ、
誤作動が起きたことを認めました。

一方、「私達にはリスクを排除する責任があり、
その方法は分かっている」と述べ誤作動の再発防止に自信を示しました。

この事故の原因は、1994年に発生した名古屋空港の
エアバス(中華航空140便)墜落事故と酷似しています。

事故の根本的な原因は、
コンピューターによる自動制御と人間による判断の衝突です。

今回の事故は、コンピューターセンサーによって
機首を下げようとする自動制御の動きと、
パイロットの判断が対立したために起きています。

この問題は飛行機事故に限らず、
原子力発電所の事故でも発生しています。

米国のスリーマイル島原発事故では、自動制御に対して
オペレーターがパニックを起こして手動で動作させたために、
大きな事故に発展しました。

今後、車の自動運転が一般化していく際にも、
同じ問題に直面するはずです。

明らかにコンピューターが間違っているときには、
人間が正しい判断でオーバーライドする必要があります。

その意味でも、スリーマイル島原発事故のように、
人間がパニックにならないことも大切です。

今回の事故で言えば、訓練を受けたパイロットでしたから、
その判断を尊重して自動運転をオーバーライドできるように
設計しておくべきだったと私は思います。

初歩的な安全設計が欠如していたと私は思います。

また、こうした事実をボーイング社が理解していないと思われる点に、
私は大いに不安を覚えます。

以前JALとANAが購入したボーイング機のバッテリーから
出火した事故がありましたが、本当に原因を解明できたのでしょうか。

企業としての姿勢に誠実さを感じられません。

また、アメリカ合衆国連邦航空局 (FAA)は
「737MAX8の性能に問題を確認できない」としていましたが、
一体どういうことなのか?と思います。

もはやアメリカ合衆国連邦航空局 (FAA)の信頼は、
地に落ちたと言わざるを得ません。



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※この記事は4月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、ボーイングのニュースについて大前が解説しました。

大前が記事中で述べているように、
「コンピューターによる自動制御と人間による判断の衝突」は
今後も起こりうる問題です。

今後AI化が進む中で、
私たちはいかに機械と付き合っていくのか。

コンピューターが判断を間違えてしまう時も、
本質的課題に対応することになるのは私たちです。

今後どんなに技術が進歩するとしても、
本質的課題を発見し解決する力は身につけておく必要があります。

2019年04月05日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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ドイツ金融大手/決済サービス/三井住友カード/デジタル銀行〜テクノロジーの進化に揺れる金融業界

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ドイツ金融大手 独コメルツ銀行との統合交渉へ
決済サービス 米ワールドペイを買収
三井住友カード 米スクエアとの提携強化
デジタル銀行 タイで「スマホ銀」開業

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▼ドイツも英国系と同様、銀行の統合による大規模化の流れ
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経営再建中のドイツ銀行は先月17日、
ドイツのコメルツ銀行との統合交渉を進める方針を
明らかにしました。

ドイツ政府は、
これまで経済成長を支える強力な銀行が必要だとして
両行の統合に前向きな姿勢を示してきました。

ドイツ銀行は単独での再建が進まない中、
政府の後押しを得て統合に舵を切る考えです。

ドイツ銀行には、
ドナルド・トランプグループとの関係性もあるなど、
何をやっているのかわからない「悪さ」を感じてしまいます。

収益性も低く、
かつての負債処理が重くのしかかっている状況です。

セグメント別売上を見ると、
売上高が低い資産運用部門が唯一安定しているものの、
その他はアップダウンが激しくなっています。

最近の状況で言えば、
投資銀行部門は特に大きな損失を出しています。

コメルツ銀行との比較で見ると、売上高、時価総額、
社員数、営業拠点などはドイツ銀行が上回っていますが、
純損益になるとコメルツ銀行が優れています。

ドイツ屈指の銀行同士の大型統合ですが、
おそらく欧州委員会の承認も得られるでしょう。

両行が統合すると、ドイツの銀行も英国系の銀行と同様、
ますます大規模化していく流れになっていくと思います。

その中で懸念されるのは、
欧州の銀行に対する投資家の警戒心が強いことです。

ビジネスウィーク誌によると、欧州の銀行は
「ブックバリュー100に対して、マーケットバリュー80」と
なっています。

米国の銀行は
「ブックバリュー100に対して、マーケットバリュー140」ですから、
明らかに投資家の評価が違います。

この点は、欧州の銀行全体の課題と言えるでしょう。



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▼世界的な潮流は、クレジット決済からデビット決済
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米金融サービス大手、
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)は
先月18日、決済サービス大手のワールドペイを買収すると発表しました。

負債を含めた買収総額は430億ドル(約4兆8000億円)で、
これにより電子商取引(EC)やオンライン決済の分野で
規模の拡大をめざす考えです。

私に言わせれば、
「なぜ、この期に及んでこんな買収をするのか?」全く理解できません。

決済手段の世界的な兆候を見れば、
主流になっているのは、クレジット決済ではなく、
特に中国を中心とするデビット系決済です。

私ならば、デビット系決済のサービスを自分で作ることを考えます。

さらに将来的なことを見据えても、
ブロックチェーンなどの技術を活用し、
ネットだけで決済が完結する時代になることは確実です。

そのような時代の流れがあるにも関わらず、
クレジットカード決済のワールドペイに
4兆円も支払う意味があるのか?ということです。

あえて言えば、現時点ではワールドペイは
決済行為の約半分ほどを握っているので、
まずはそこを抑えることから始めよう、ということ
なのかも知れません。

同じように、三井住友カードもクレジット決済という
古い発想に固執してしまったようです。

三井住友カードは先月26日、決済端末を提供する
米スクエアとの提携を強化すると発表しました。

4月から期間限定で中小企業などに
スクエアの決済サービスを無償で提供する他、
売上高30万円まで手数料を無料にするとのことです。

POSシステムがなくても、スマホなどで決済できる
スクエアのクレジット決済システムは
よくできています。

しかし、そもそも「クレジット決済」そのものが
問題になってきていると私は感じています。

デビットカードの決済手数料が安価にもかかわらず、
いまだにクレジットカードの決済手数料は
3%を超えるケースもあります。

未払いリスクをクレジットカード会社が負うことになるので、
その分手数料が割高になってしまうのです。

一方、デビット決済の場合には、
その瞬間に決済が行われるので、未払いのリスクはありません。

ゆえに、手数料を低く抑えることができます。

特に中国を中心とするデビット決済の流れが、
世界的にも広がっていくように思います。

こうした流れを見据えた提携とは思えません。

三井住友カードもスクエアも
旧態然としてクレジットカードに依存し続けるなら、
将来は明るくないでしょう。



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▼LINEは決済サービスに注力すべき
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日経新聞は先月20日、
『タイで「スマホ銀」開業』と題する記事を掲載しました。

シンガポール大手のユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)が
アプリだけで営業する銀行をタイで開業しました。

実店舗に行かなくても口座を開設できる他、ゲーム感覚の預金サービスや
チャットでコールセンターとやりとりできるアプリなどを備えています。

ネットバンキングの人口普及率が74%と世界首位のタイで、
利用者を拡大する考えです。

ユナイテッド・オーバーシーズ銀行は
シンガポール3大銀行の1つです。

預金サービスも全てスマホで行うというのは
非常に面白いと思います。

明らかに日本よりも進んでいます。

日本では銀行筋の力が強いため、
この手のサービスを展開しづらい面もありますが、
それでもLINEが積極的に手がければ良いのに、と私は思います。

国内月間アクティブユーザー数が7800万人に上るのが
強みになるでしょう。

なお、フェイスブックはLINEと同じような
コミュニケーションシステムからスタートして、
今では決済市場に積極的に参入しています。



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※この記事は3月31日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、決済サービスなど金融関連の話題について
大前が解説しました。

テクノロジーの進化に揺れる金融業界。

既存勢力と新たなプレイヤーの構図は、他の業界で働く人にとっても、
企業の生き残り戦略を考えるうえで非常に参考になります。

LINEとメルカリの提携が最近発表されましたが、
今後どのような一手を考えているのか。

一方、大手クレジットカード会社はどんな動きをとるのか。

「もし自分が当事者だったらどうするか(What if〜?)」

世の中で起きていることを、自分事として考えることで
戦略的思考を磨くことができます。

2019年03月29日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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株主還元/資金配分/米株式市場/米政策金利〜世界経済の現状と先行き

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株主還元 2018年度に世界で約265兆円
資金配分 米、自社株買いに規制論
米株式市場 米株の強みとコストの怖さ
米政策金利 政策金利を据え置き

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▼経済のソフト化によって大きな設備投資が不要になった
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日経新聞が21日報じたところによると、
世界の企業が行った配当と自社株買いの合計額は2018年度に
2兆3786億ドル(約265兆円)と過去最高となったことがわかりました。

金融緩和で資金が大量に出回っていることに加え、
産業構造の変化により企業が設備投資を行わなくなっていることが要因で、
投資家が株主還元ばかりを重視するようになれば、
特定の企業にお金が集中する富の偏在を生みかねない現状としています。

経済がソフト化し、大きな設備投資をする必要が
なくなったということが大きな要因になっています。

かつては100〜200億円の投資も当たり前だったシリコンバレーでも、
今は1〜2億円でも充分な案件が増えています。

企業が設備投資をしなくなったのではなく、
大きな設備投資の必要がない成長機会が増えた、というのが実態です。

ユーザーが買ってくれたスマホが設備投資の役割を果たすなど、
現在の設備投資は特定の企業が大きく実施するものではなくなっています。

「5G」の設備投資は従来型の大きなものですが、
それでも初期の頃の携帯電話網の設備投資額に比べると小さくなります。

経済のソフト化に伴い、企業には資金が余ります。

これを株主還元し、株価が高くなるという構図です。

株価が上昇することで「富の偏在」という問題が発生する、という
指摘もありますが、米国企業のように401Kを組み込んでいると、
むしろメリットを享受できます。

例えば、近年では株価が低迷していますが、GEは自社株を
401Kに組み込んでいて、ジャック・ウェルチ氏が経営者の時代に
株価は約30倍になりました。

この自社株を保有できた社員は、
もしGEを解雇されても困ることはなかったでしょう。

失業が増えても、早期退職を迫られても
個人として安心できるというのは非常に大切なことだと思います。



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▼競争力を前提とせず、給与・賃金を上げても問題は解決しない
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日経新聞は12日、「米、自社株買いに規制論」と題する記事を掲載しました。

米民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務が
企業は労働者のために資金を使うべきだとし、
自社株買い規制の必要性を訴えたと紹介。

トランプ大統領は、株式市場にショックを与えかねない政策には
慎重姿勢ですが、共和党内の一部にも規制に同調する動きが見られ、
背景には米国の深刻な格差問題があるとしています。

シューマー氏は金融関係では、特に大きな発言力を持つ人物です。

しかし、今回の発言にはもう1つ具体性がなく
説得力が欠けると私は感じました。

労働者のために資金を使うというのは、具体的に何を意味しているのか?と
考えると、おそらく「給料」のことだと思います。

しかし、そうであれば、一体どんな競争力を前提として
給料を上げることができるのでしょうか?

競争力を持つIT関係の米国企業は、すでに世界最高水準の
給料を支払っています。

世界的に競争力を失っている、下請け企業やレストランなどで
働く人の給料を上げるとなると、即インフレを招くことになるでしょう。

すでに多くの米国企業が競争力を失い、
中国からの輸入が止まらない時期に、このような発言をされても、
「結局、何をどうすれば良いのか?」というのがわかりにくいと思います。



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▼長期的に見ると、米国株・米国不動産は群を抜いて安定している
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日経新聞は24日、「米株の強みとコストの怖さ」と題する記事を掲載しました。

ウォーレン・バフェット氏が、
経営するバークシャー・ハザウェイの株主に年に1回送る手紙で、
『今年は「米国株に投資する強み」と「コストの怖さ」を指摘した』と
紹介しています。

株高が米国の多くの国民の幸せに結びつく構図が、
米株の長期上昇トレンドを維持させていることや、
売れ筋投信の多くが高コストのアクティブ型である日本の投資家こそ
コストの重要性を知るべきかもしれないとしています。

日本でも米国でも、運用成績が良い投資信託は、
ほぼ全てが「米国株」を組み込んでいます。

日本株なども良い時期はありますが、
長期間で見ると米国株だけが圧倒的な安定感を誇っています。

トランプ大統領は、米国が負けている感を演出していますが、
実際にはそんなことはありません。

GAFAを筆頭に、米国企業は最先端市場でも強いですし、
株価も上がっています。

競争力も圧倒的で、IT技術者などの給与もかなりの高水準です。

結局、ブラックマンデー、リーマンショックなど
大暴落があったとしても、10年、20年、30年という長い目で見ると、
「最も上昇しているのは米国株」というのが実態となっています。



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▼米国の政策金利据え置きは、決してマイナスのことではない
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米連邦公開市場委員会(FOMC)は20日、短期金利の指標である
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25−2.50%のレンジで
据え置く方針を全員一致で決定しました。

海外経済の成長鈍化が逆風となり、米国経済も予想より減速していることを
受けたもので、2018年12月に続く追加利上げも見送りました。

パウエルFRB議長の発表を見ていて、なぜ、わざわざ惨めな
言い方をしてしまったのだろう?と残念な気持ちになりました。

FF金利の誘導目標を据え置く理由を、
「海外経済の成長鈍化」と言う必要は全くありません。

私なら、このような言い方は絶対にしないでしょう。

日米欧の政策金利の推移を見ると、
ECBも日銀も0%あるいはマイナスに張り付いていて、
FRBだけが2.5%近辺まで上昇してきています。

これを根拠に、「米国企業は非常に好調であり、
これ以上金利を上げる必要性がなくなったので据え置く」と
発表するべきだったと思います。

海外経済の成長鈍化などと「他に原因」を求める必要はなく、
欧州、日本という巨大経済が停滞している中、
米国経済はよく持ちこたえていて、これを維持していく方針だ、と
言えば何も問題はなかったはずです。

また、中央銀行の総資産残高を見ても、FRBは残高を下げてきています。

この点もリスクマネジメントができているということを強調して
発表できたと思います。

一方、日本は大きな問題を抱えています。

日銀はいまだにマイナス金利を継続し、日銀が抱える総資産残高は
上昇していて、リスクは高くなっています。

日本としては、かなり重大な問題として受け止めて
対処するべきものです。



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※この記事は3月24日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は「お金」をテーマとしたニュースについて大前が解説しました。

お金の流れを把握するためには、
そこに登場する様々なプレイヤーを把握することから
始めなくてはなりません。

中央銀行、政府、企業、個人。

舞台は国内だけでなく、海外まで及び、
いまでは仮想空間にまで繋がっています。

お金がどこからやってきて、どこに行くのか。

これらを一つずつ紐解いていくことで
お金の流れを理解することができます。

お金の流れが変わる瞬間は、
世の中が変わる瞬間でもあります。

時代の潮流に乗るためには、
お金の流れを把握することも大切です。

2019年03月22日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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世界自動車大手/EU情勢〜迷走する英国に残された選択肢

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世界自動車大手 「合意なき離脱」なら英生産撤退の可能性
EU情勢 「今こそ欧州ルネサンスの時」

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▼期日が迫る英国のEU離脱。英国が取れる選択肢は?
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トヨタ自動車は6日、英国のEU離脱が「合意なき離脱」になった場合、
2023年以降に英国の生産から撤退する可能性があることを示しました。

EU離脱でEUとの間で完成車や部品の取引に関税が発生し、
英国の競争力が低下するためです。

企業は自衛の姿勢を強めている現状です。

インドのタタ自動車の傘下にあるジャガー・ランドローバーは、
約4,500人の人員削減で大幅な縮小路線を示し、
日産はインフィニティ、BMWはMINIの生産中止を発表しています。

ホンダ、トヨタも追随する動きを見せており、
ボクスホールのみが残るという状況になりつつあります。

40〜50万台の自動車を生産していた企業が、
次々と大規模な削減や撤退をするわけですから、
英国内は大変な状況になってしまうでしょう。

その原因になっているのは、もちろん英国のEU離脱問題です。

離脱までの期限が迫る中、英議会下院は14日、
EUからの離脱の延期をEUに求める政府動議を可決しました。

メイ首相の不人気な離脱案を20日までに承認し、6月30日までの
延期を経てEUを離脱するか、さもなければEUが設定する条件に従い、
長期の離脱延期を余儀なくされるか議会に選択を迫る内容です。

21日に始まるEU首脳会議の前に、依然として予断を許さない情勢です。

英国側は3月29日から6月30日までの延期を要請するとしていますが、
EU側からすれば、延期の明確な理由も示さずに
何を勝手なことを言っているのか、というところでしょう。

英国は議論の必要性を強調するかもしれません。

しかし、EUが合意できる内容は数年前に英国議会で否定されているので、
英国側の主張を鵜呑みにできないのも頷けます。

英国が取れる選択肢は2つあります。

1つは6月30日までの延期。

ただし、これにはEUの承認が必要です。

EUに承認されなければ、このまま3月29日がデッドラインに
なってしまいます。

もう1つの選択肢は離脱そのものを引き下げるというもの。

届け出そのものを引き下げれば、
英国民は落ち着いて再度話し合いをすることができます。

現在の状況からすると、野党を含め「再投票」に傾いており、
離脱ではなくEUに留まるという意見が約6割に達するのではないかと
見られています。

そのような結果になれば、以前の離脱合意の国民投票は
何だったのか、という意見もありますが、私に言わせれば、
2年半前のことであり、当時は議論が不十分だったと思います。

当時の英国民は、アイルランドの国境問題を筆頭に
EU離脱で生じる問題について十分に理解していたとは言えません。

ビジネスウィーク誌は、メイ首相は何とかEU離脱を
成し遂げるのではないかという論調の記事を掲載しているようですが、
私にはそうは思えません。

おそらく、一度EU離脱を引き下げる状況になり、
国民投票をすることになるでしょう。

そして、その状況になればメイ首相は辞表を出すしかないと思います。

私は当時から、再度国民投票をするしかない、と述べてきました。

3月29日の期限が迫り、いよいよ英国にはその道しか残されていないと
あらためて感じます。



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▼足元がおぼつかなくても、大胆な提案を繰り広げるマクロン大統領の二面性
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フランスのマクロン大統領は5日、EU加盟国の主要紙に寄稿し、
「今こそ欧州のルネサンス(再生)の時だ」と呼び掛けました。

5月の欧州議会選に向け、域内で勢いづく
右派ポピュリズム(大衆迎合主義)への警戒した内容で、
欧州の民主主義をサイバー攻撃や偽ニュースなどから守る
EU機関の新設などを提案しています。

以下が、マクロン大統領が提案している主な内容です。

・右派ポピュリズム(大衆迎合主義)への警戒
・シェンゲン協定(国境検閲無しで自由往来可能)の再検討
・欧州安全保障理事会の設置
・同一労働・同一賃金を保証するEU全体の社会的な盾の導入
・気候変動対策に融資する「欧州気候銀行」の創設
・デジタル巨人企業へのEUレベルでの監督体制の創設
・EU主要機関や加盟国、市民の代表者らが会する「欧州会議」を設置

「欧州会議」と「欧州議会(EU)」は何が違うのか?など、
個別に気になる点も多々ありますが、そもそもナポレオンの帽子をかぶって、
フランス大統領をやっているなどと揶揄されている人が、
よくこのようなことを提案できるものだと思います。

燃料税の導入だけでフランス国民にそっぽを向かれているなど、
足元がおぼつかない状況でも、このようなことを考える余裕があるというのは、
さすがに根っからの「エリート」なのだと感じます。

マクロン大統領の二面性がよく表れていると言えるでしょう。



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※この記事は3月17日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、英国のEU離脱問題について大前が解説しました。

3月29日という期限が迫る中、いまだに迷走が続いている英国。

このような事態になると、どれほどの人が事前に把握していたでしょうか。

2年半前に離脱合意した国民投票がありながら、
期限ぎりぎりまで方針が固まらない様子を見ると、
首相も国民もこの問題の重大さを十分に
理解できていなかったように感じます。

意思決定をする際は、感情に流されることなく、
その決断の影響範囲を見極めなくてはなりません。

そのためには、物事を俯瞰して捉えることが大切です。

どんな立場であれ、影響範囲を確認したうえで
決断を下すことが意思決定の基本となります。

2019年03月15日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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ライドシェア大手/自動運転〜自動運転の世界で勝ち残るカギとは?

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ライドシェア大手 ウーバージャパンと第一交通産業 タクシー配車で提携
自動運転 グーグル系独走

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▼ライドシェアでは、自動車メーカーのブランドが通用しない
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タクシー大手の第一交通産業とウーバー・ジャパンは4日、
タクシーの配車サービスで提携したと発表しました。

国内の配車アプリを巡っては、日本交通系のジャパンタクシーが
先行していますが、ウーバーは第一交通との提携でサービスの
提供地域を拡大し、日本での影響力を高める考えです。

第一交通は北九州に本社を置く企業です。

私はよく九州に出掛けますが、
第一交通のタクシーを指名することも多いです。

というのは、QRコードやSuicaの決済に対応していて
利便性が高いからです。(地域によっては利用不可)

ウーバーは日本進出で苦戦しています。

日本の法律ではウーバーの運転手になるには、第2種免許が必要です。

ゆえに第1種・第2種免許を持たないと、
日本では白タク扱いを受けますが、世界的に見れば、
「空いている人」が運転してくれるというだけで
特に大きな問題とならない国もあります。

こうした規制があるために広がらない、日本における
ライドシェアの問題も、第一交通のような企業が介在すると、
少しは前進する可能性があるので、期待したいところです。

ユニコーン企業の時価総額ランキングを見ても、
ライドシェア企業の躍進が目立ちます。

滴滴出行が3位、楽天が投資している米リフトも
上位に食い込んでいます。

また、ライドシェアと自動車メーカーの時価総額を見ても、
ライドシェア市場の将来性を感じます。

現在の時価総額ではトヨタが断トツですが、
米自動車メーカービッグ3(GM、フォード、クライスラー)の
時価総額合計と、ウーバーとリフト2社の時価総額に類する
推計企業価値が接近してきています。

そして、ライドシェア市場が大きく成長していこうとしている傾向は、
自動車メーカーが多い日本にとっては、脅威以外の何者でもありません。

オーストラリアのライドシェアサービスでは、
ほとんど日本製の自動車を使っていないように見受けられます。

値段が半額で性能にそれほど大きな差がないため、
韓国製や中国製の自動車のほうが選ばれているのでしょう。

実際、お客さんもライドシェアを使うときに
自動車のブランドを気にする人は少ないでしょう。

私がよく見かけるオーストラリアで走っている
ウーバー車の多くは、韓国のヒュンダイ製です。

これからのMaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス)の時代、
日本車は相当苦労することになると思います。

今後、車を作るメーカーはトラブルを抱える立場として、
一層厳しい状況を迎えることになるでしょう。



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▼自動運転では、走って実績を作った人が勝つ
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日経新聞は8日、「自動運転 グーグル系独走」と題する
記事を掲載しました。

米カリフォルニア州で公道試験を行う各社の報告を
集計したところ、昨年1年間の走行距離は、
ウェイモが地球50周分に相当する約202万キロメートルでトップでした。

実用化を控えた競争が激しさを増しているとのことです。

自動運転の世界では、「走って実績を作った人が勝つ」ことになります。

たくさん走行していれば、もちろん事故は起こります。

しかし、そのたびにその事故から学び、AIは賢くなっていきます。

その点で、グーグルのウェイモは、
グーグルストリートビューを撮影するために、
世界中を「自動運転」で走行していて、その実績は圧倒的です。

地球何周目かに相当する距離を走っているときに事故を起こしていますが、
それは目の前の車が急にUターンをしたといった「例外」的な状況に
対応できなかった事故でした。

この事故から、またウェイモのAIは一段賢くなったはずです。

このような例外的な事例のデータがたまらないと、
自動運転は安全にはなりません。

だから、頭で考えるだけでなく、とにかく走りまくった人が勝ちます。

昨年1年間のグーグルのウェイモの走行距離は200万キロで断トツです。

その他自動運転の走行距離の上位を見ると、
上位7位までは米国企業が占めていて、中国企業が
続いているという状況です。

すでに、相当遅れている日本ですが、
いまだに自動運転の危険性ばかりが強調され、
自動運転で走らせる場所すらありません。

ところが、中国などは国が奨励して
積極的に自動運転で走らせようとしています。

深センではバスの自動運転の実験が行われているなど、
省や市町村単位で許可しているところもあります。

日本は車を製造する技術は世界一かも知れませんが、
自動運転のトラックレコードには
トヨタや日産でさえも上位に食い込めていません。

いくらトヨタや日産の優秀な人が、
研究室で頭をひねって自動運転のシステムを作ったとしても、
間違いなく事故はおきるでしょう。

飛行機などの過去を振り返って見ても、
事故がないものは安全にはなりません。

だからこそ、実績が重要です。

今からグーグルのウェイモに追いつくのは、至難の業でしょう。

ウェイモが自動運転技術を盗まれたとして
ウーバーと裁判になり、大きな話題になりました。

ある意味、実績に基づいたデータと
技術の貴重さを物語っていると言えるでしょう。

自動運転において出来上がった新しい序列を見ると、
上位にいるのは自動車メーカーではなかったという
状況になっています。

米GMは善戦していますが、
それでもウェイモの3分の1の実績に過ぎません。

日本勢は絶望的です。

自動運転は、「石橋を叩いて渡っていて」は
絶対にうまくいきません。

まず、この事実を認識してほしいと思います。



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※この記事は3月10日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、自動運転の実用化に向けた各社・各国の動きについて
大前が解説しました。

記事の中で大前は、
自動運転は走って実績を作った人が勝つ、と述べています。

自動運転における走行実績のように、
「その業界で勝ち残るために必要なカギ」のことを
「KFS(Key Factor for Success)」とよびます。

そして現状、テクノロジーが変化する中で、
ビジネスのKFSは時々刻々と変化していきます。

自動運転において出来上がった序列のトップに
自動車メーカーがいないところにも、
KFSの変化がよく表れています。

このような状況下でKFSを強化するためには、
自社の能力を高めるだけでなく、
他社との提携も含めて自社がとるべき戦略の選択肢を洗い出し、
動いていく必要があります。

2019年03月08日(金) 
[1]〜大前研一ニュースの視点〜
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日産自動車/コンビニエンスストア/日本郵船〜世の中の変化は追い風にも逆風にもなる

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日産自動車 ゴーン前会長勾留100日
コンビニエンスストア コンビニ、「24時間」転機
日本郵船 豪華客船「飛鳥2」後継船建造へ

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▼ゴーン氏は絶対権力を手にしてから、おかしくなった
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毎日新聞は先月26日、「ゴーン前会長勾留100日」と題する
記事を掲載しました。

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、
最初に逮捕・勾留されてから100日が経過したと紹介。

東京地検特捜部は引き続き捜査を続けており、
前会長の指示でオマーンの販売代理店に約35億円が
送金された目的は、前会長の私的な借金返済目的だったと
見ているとのことです。

日産の西川社長は、「日産の改革を行ったのは
ゴーン前会長の力だけではなく、それぞれの現場の力もあった」
などと発言していますが、これは不要な発言だと私は思います。

ゴーン前会長の就任最初の5年間の成果は
素晴らしいものでしたし、それは認めるべきです。

問題とすべきなのは、その素晴らしい成果に安住して、
日産の会長になり、そしてルノー会長にもなって、
絶対権力を手にした後のことです。

ゴーン氏の悪事が始まったのは、そこからです。

日産としても、絶対権力を手にしたゴーン氏を
あまりにも信用して任せすぎたというのは問題です。

日産も訴えられている立場なので、
西川社長自身も本当に何も知らなかったのかどうか、
しっかりと検証する必要があります。

西川社長は決して傍観者ではなく、当事者の1人であり
言い訳できる立場ではありません。

フランス側は、ゴーン氏の個人的な、
あるいはルノーを巻き込んだ悪事が明らかになるにつれて、
事件発覚当初とは違い、日産に協力する態度に変わってきました。

ゴーン氏の悪事もこれだけ出てくると、
さすがに全てが嘘ということはないでしょう。

また、ゴーン氏が行ってきた悪事を見ていると、
自らの生い立ちと関係しているものが多いと気づきます。

ブラジルで生まれたゴーン氏は、幼少期をブラジルで過ごし、
その後レバノンのベイルートで中等教育を受けています。

ブラジル、フランス、ニューヨークなど日産を通じて
多額の資金を投資させていますが、特にレバノンの
ベイルートに対する投資額は異常です。

また、この地域の人との付き合いの様子を見ても
異常だと私は感じます。

完全に日産のガバナンスが効いていない
状況だったことを物語っています。

ゴーン氏は陳述において、
「日産や日本を愛している」と述べていました。

しかし、結局のところ、
「一番愛していたのは自分だけ」だと感じてしまいます。



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▼コンビニ本部による契約を盾にしたゴリ押しは通用しない時代になってきた
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日経新聞は先月27日、「転機の24時間営業 コンビニ、
一部加盟店の反対先鋭化」と題する記事を掲載しました。

加盟店オーナーらが作るコンビニ加盟店ユニオンが、
終夜営業を見直すよう、最大手のセブン―イレブン・ジャパンに
要求したと紹介。

コンビニ各社は利便性と収益の基盤となる24時間を
維持する考えですが、人手不足や働き方改革の流れを受けて
逆風は強まっており、フランチャイズチェーン(FC)方式で
店舗を拡大してきたコンビニの急所にもなりかねない、としています。

コンビニは、本部が圧倒的に強い力を持ち、統制しています。

各店舗の商品の陳列についても本部の意向に逆らうことができません。

そうした契約書にフランチャイズオーナーはサインをしているからです。

先日、東大阪のセブンイレブンのオーナーが、
2月から営業時間を19時間に短縮すると公表しました。

当然、契約に従うなら違約金の支払いが発生し、
本部は時短営業を一切認めることはないでしょう。

ところが、セブンイレブン本部は一旦従来通りの対応を見せましたが、
方針を変更したかのように、24時間営業の見直しに向け、
時短営業の実証実験を開始しました。

これは、ブラック企業が世間で話題になり、人手不足で夜間に
働いてくれる人も少なくなってきている状況を踏まえ、
従来のような対応をすると「炎上」すると判断したからだと思います。

私も従来通りの対応のままだと「炎上」するだろうと感じましたし、
実際に「炎上」しかけました。

本部の統制だけでなく、現場の経営者の判断が入る余地を作らないと、
今後は上手く機能しないでしょう。

本部の命令で命に関わるような過剰労働を強いられるというのは、
やはり改善されるべきことだと思います。

有効求人倍率を見ても、商品販売の職種は2.5倍の数値になっていて、
特に人手不足が激しい状況です。

セブンイレブン本部は、今後も炎上しないように
丁寧に対応する必要があると思います。



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▼クルーズ船市場は、日本式にすることでまだまだ伸びていく市場
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日経新聞が先月27日報じたところによると、日本郵船が
豪華客船『飛鳥2』の後継船を建造し、2020年代半ばにも
投入する見通しが明らかになりました。

建造費は最大600億円になる見込みで、国内でも
クルーズ旅行の市場が広がっていることを受け、
既存船も運行を継続し、2隻体制にするとのことです。

日本郵船は三菱系の企業なので、
従来であれば三菱重工が製造するという流れです。

しかし、火事やトラブルを起こしたこともあり、
三菱重工そのものが大型客船製造から事実上撤退するので、
今回の豪華客船をどの企業に発注するかも気になります。

発注先の課題が残る一方で、
クルーズ船市場には大きな魅力があるのは確かです。

日本人のクルーズ乗客数の推移をみると、2002年の約15万人から、
2016年には25万人、そして2017年には30万人と増加しています。

私はさらに伸びると感じていて、
おそらく100万人を突破することはそれほど難しくないと思います。

というのは、今運行しているクルーズ船の多くは、
日本人のニーズを捉えておらず、そこを改善すれば
もっと多くの集客が見込めるからです。

今、日本人が乗っているクルーズ船のほとんどは、
イタリアやノルウェーなどの欧州系の豪華客船、
またはアメリカ系の豪華客船です。

ところが、これら欧米の豪華客船は、
日本人には「向かない」ところが多いのです。

例えば、夜になると正装して食事に行きますが、日本人は
ドレスアップするよりも、夜は浴衣を着てドレスダウンしたい、
という人も多いはずです。

またキャビアから始まるような豪華な食事をお腹いっぱい食べて、
その後ダンスに興じるというのも日本人には向かないと思います。

お風呂も大浴場で広々したものに入りたいと思うのが日本人です。

欧米の豪華客船とは違う、日本式の豪華客船で日本人らしいニーズを
汲み取ることができれば、さらに市場は拡大すると思います。

豪華客船の旅は、歩き回る必要もなく、
ボケッとしていても気持ちよく過ごせるので、
その意味でもポテンシャルが非常に大きい市場です。

ぜひ、日本人らしい過ごし方ができる
日本式の豪華客船を製造して欲しいと思います。



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※この記事は3月3日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、セブンイレブンやクルーズ船のニュースについて
大前が解説しました。

セブンイレブンのニュースの裏側には、
慢性的な人手不足と働き方改革の流れがあります。

クルーズ船のニュースの背景には、クルーズ旅行の
市場拡大があり、大前はさらなる市場の伸びについて、
理由とともに言及していました。

事業運営では、世の中の変化にあわせて常に進化するだけでなく、
世の中の変化を先取りして動くことが求められます。

そのためには、マクロな変化だけでなく、
日々の仕事で発見する新たな変化の兆しも見逃してはいけません。

次にとるべき行動のヒントは、
意外にも身近なところで見つかるものです。

2019年03月02日(土) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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ホンダ/イギリス情勢〜ホンダの決断と英国のEU離脱に関係はあるのか

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ホンダ 2022年までにイギリス工場を閉鎖
イギリス情勢 最大野党・労働党8人が離党

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▼ホンダのイギリス工場閉鎖は、EU離脱の影響ではない
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ホンダは英国工場を2022年までに閉鎖すると発表しました。

欧州の四輪事業は販売低迷から赤字が続き、
工場の稼働率も低迷していました。

英国の欧州連合(EU)離脱に伴い欧州事業の不透明感が一段と
増したことから、英国における生産撤退に踏み切る考えです。

今回のホンダの発表は、「タイミングが悪かった」と思います。

日産が数週間前に、欧州市場向けのエクストレイルの生産拠点を、
当初計画の英国から日本の九州工場に変更すると発表していたため、
ホンダが工場を閉鎖して約4000名を解雇するということが、
より大きな事態として受け止められてしまいました。

そして何より、英国のEU離脱のタイミングと重なったことです。

英国メイ首相にも「ホンダの決定には深く失望している」と
言われてしまいましたが、今回のホンダの工場閉鎖は
英国のEU離脱とは本質的に関係ありません。

ホンダの世界戦略の中で欧州の事業展開が上手くいかないので
撤退する、というだけの話です。

実はホンダの車はあまり欧州では売れていません。

ホンダにしては珍しく買収なども仕掛けて、積極的に
欧州市場の開拓を試みましたが、英国での生産台数は
わずか年間16万台でトップのジャガー・ランドローバーが
約44万台、2位の日産もほぼ同じくらいの数字ですから、
半分以下の水準です。

ホンダが、発表のタイミングをずらして、
英国のEU離脱が何かしらの形で落ち着く3月29日以降にしていたら、
報じられているほど“衝撃”として受け止められることは
なかったでしょう。



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▼EU離脱の期限が迫る中、まず時間を止めることが大事
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英最大野党、労働党の穏健派議員8人は、党指導部が
EU離脱を支持していることや党内で人種差別、威嚇、暴言の
文化が拡大しているとして、先月19日までに離党しました。

一方、与党の保守党もメイ首相の離脱方針への反発から
議会採決への造反が相次いでおり、3月末に予定する
離脱に向けて、英国政界の混乱は一段と深まってきました。

最初に離党した7人に続いて1名加わり、合計で8人が
離党する事態になり、コービン党首には全く指導力がない
ということが判明してしまいました。

離党した8人が主張しているのは、
「再投票をやるべき」ということです。

同じ考えを持つ人は保守党の中にもいて、同様に3人が
離党しています。

議員全体の割合から見れば、11人はわずかですが、
今後この11人の勢いが増していく可能性は大いにある
と思います。

メイ首相を批判するコービン党首ですが、
もう1歩踏み込んで決断できていません。

「再投票する」とは明言せず、とりあえずメイ首相を
辞任まで追い込む動きを見せていますが、要するに
伝統的な野党のやり方を踏襲しているだけです。

また、他の内閣のメンバーも、日々意見が変わっている
ような様子で頼りになりません。

誰もが苦労しているメイ首相を目の当たりにしています。

しかし、メイ首相をクビにして自分が代わりに首相になろう
という人はいません。

誰も火中の栗を拾いたくないと思っているのでしょう。

メイ首相は、何度もEUに足を運んで相談していますが、
まともに取り合ってもらえていません。

メイ首相自身が英国議会で通せないものを、他国の人間が
合意したところで意味がない、とでも言われているのでしょう。

このような状況で、EU離脱の期限である3月29日は
刻一刻と迫ってきています。

期限を延長するなり、離党の届け出を撤回するなり、
何かしら時計の針を止める動きを取るべきだと私は思います。

とても期限までに事態を収拾できるとは思えません。

一方でEUから見ると、英国がEU離脱で苦しめば苦しむほど、
他の国の結束が強くなるという良い側面もあります。

例えば、デンマークなどは英国に続いてEUから離脱を
考えていた国の1つですが、これだけ苦労している姿を見て、
今はEU離脱はやめておこうという気持ちになっていると思います。

先日のフォーチュン誌に「アイルランドが冠をかぶる?」
という趣旨の記事が掲載されていました。

英国がEUを離脱した場合、アイルランドが取って代わって
漁夫の利を得るシナリオになるのではないか、ということです。

これは大いにあり得ると思います。

英国がEUを離脱するとなったら、スコットランド、
北アイルランド、ウェールズが英国から独立して、
それぞれがEUに残りたいというでしょう。

つまり、イングランドだけがEUを離脱するという構図です。

そのとき、中心勢力になるのは、アイルランドです。

しかし、もしその状況になると分かれば、そもそも
イングランドもEU離脱をするのをやめたいとなるでしょう。

何とも冗談でやっているのかと思うほど、おかしな事態になっています。



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※この記事は2月24日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、ホンダの英国工場の閉鎖について大前が解説しました。

EU離脱の議論が大きく注目されている中でのホンダの発表に
英国では衝撃が走っています。

ただし、ホンダの撤退と英国のEU離脱を結び付けて考える前に、
なぜこのような決断をしたのか、冷静に考えることが大切です。

実際、ホンダのヨーロッパ戦略という文脈で読み解くと、
今回の発表は英国のEU離脱とは本質的に関係なく、
ホンダの世界戦略を踏まえた決断である、という事実が見えてきます。

目の前で起きている事象を本質的に理解するためには、
キーワードから身近なニュースに短絡的に紐づけるのではなく、
背景に何が存在するのか、丁寧に見極める必要があります。

2019年02月22日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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日本マクドナルドHD/ニューロ/ドン・キホーテ〜データが語る深刻な現状

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日本マクドナルドHD 連結営業利益250億円
ニューロ ソフトバンクグループから約1040億円出資
ドン・キホーテ ドンキ社名変更、創業者復帰のワケ

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▼マクドナルドの実態は、営業利益が横ばいで売上は半減
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日本マクドナルドホールディングスが12日発表した
2018年12月期連結決算は、営業利益が前期比約32%増の
250億円でした。

夕食の時間帯の新サービス「夜マック」が好調だったほか、
既存店の改装などでファミリー層が増えたことなどが寄与した
とのことです。

私はカサノバ氏が社長に就任したとき、マクドナルドは簡単に
上手くいかないだろうと思っていました。

日本の中食マーケットは、コンビニ、牛丼チェーン店などの
競合が多く、厳しい市場だからです。

マクドナルドの業績をV字回復させたのは見事ですし、
十分な功績だと思います。

しかし、そのV字回復も過去の話であり、現状はすでに
純利益は減少傾向にあります。

マクドナルド全店で業績の好調さをアピールしていますが、
それはちょっと違います。

また、売上高は約10年前の売上高4000億円から2000億円に
半減しています。

夜マックのヒットなどがあり、一部利益が回復しているものがあっても、
売上が低迷しているのはかなり深刻だと言わざるを得ません。

結局のところ、日本の中食マーケットは、うどん、そば、
牛丼チェーンを始め、相変わらず厳しい状況が続いている
というのが実態です。



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▼宅配事業の難しさ。再配達問題に画期的な解決策はない。
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自動運転技術を開発する米新興企業のニューロは11日、
ソフトバンクグループから9億4000万ドル(約1040億円)
の出資を受けたと発表しました。

ニューロは米国内で自動運転車を使った食料品などの
宅配サービスを始めており、調達した資金をサービス提供地域
の拡大などに使う計画とのことです。

率直な私の感想を言えば、「10兆円という潤沢な資金があるので、
やりたければやればいい」といったところです。

孫正義会長は”人の金でリスクを取る”のが上手いと言われますが、
今回もまさにその事例でしょう。

今回ソフトバンクグループが出資したニューロが手がける
宅配サービスというのは非常に難しいものです。

私自身、生鮮食品の宅配事業を15年間経験しました。

最終的に黒字の事業に成長させましたが、
苦労も多くありました。

特に「再配達」の問題には悩まされました。

いまだに革新的な良い解決方法はない状態です。

施錠ができる限定された場所があれば良いのですが、
例えば新しいマンションにある宅配ボックスなども
圧倒的に数が不足しています。

ゆえに、現実には再配達を避けるために荷物を玄関先などに
置いておく、という方法が取られます。

しかし、これは非常に危険です。

例えば、悪意を持った人が「毒物」を入れることさえあり得ます。

そこまで危険ではなくても、第三者が荷物を持って行って
しまう可能性があります。

実際、米国では置かれた荷物の約1割はそうなっているそうです。

確実に安全に荷物を置いておくための場所として、
ガソリンスタンドやコンビニなどを活用することなども、
私は考えたこともありますが、都心の店舗は狭く、
荷物を置く場所を確保しきれないなど問題がありました。

結局、再配達の問題を解決する唯一の方法は、
「再配達しない」ことです。

すなわち、配達をする前に確実に本人と連絡を取って
手渡すことです。

今回ソフトバンクが出資をした配車サービスも、自動運転車で
配達に行く前に、スマホで本人に連絡を取るのではないかと思います。

そもそも、受け取る人がいないのに、自動運転車で配達に
行ってしまったらせっかく自動運転車を利用するメリットも
ありません。

再配達という問題にどのように対処できるサービスになっているのか
という点は、重要なポイントでしょう。



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▼ドン・キホーテに大転換の必要性があるのか?
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日経ビジネスは12日、「ドンキ社名変更、創業者復帰のワケ」
と題する記事を掲載しました。

ドン・キホーテホールディングスが1日、社名を
「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」
に変更するとともに、2015年にCEOを退任した創業者の
安田隆夫氏が取締役に復帰しました。

安田氏は近年、シンガポールなどの海外事業を統括し、
同社の店舗は現地でも知名度を上げてきているとのことで、
大企業病や管理職の慢心が懸念される中、今回の動きは
「異端児」としての気風を取り戻すための大転換
と見る関係者が多いとしています。

安田氏が復帰し、社名が「パン・パシフィック・
インターナショナルホールディングス」になるということですが、
私はどうしてもこの社名にしっくりきません。

こう感じるのは私だけでないはずです。

おそらく「ドン・キホーテ」という名称のほうが業界の人には
畏敬の念を持ってもらえると思います。

ユニー・ファミリーマートホールディングスが、ユニーの経営を
ドン・キホーテに託したのも、「ドン・キホーテ」という
“名前が持つ力”にも期待していたはずです。

「パンパシフィック」という名前は、かつて東急ホテルが
展開していたものです。

この名前が、ドン・キホーテが目指すものと相容れるのかどうか
私には疑問です。

そもそも、異端児の気風を取り戻す「大転換」をする
必要があるのでしょうか。

私はその必要性も感じません。



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※この記事は2月17日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、日本マクドナルドHDの業績について大前が解説しました。

新聞などのニュースでは、V字回復が取り上げられていますが、
実際のデータを見ると、純利益はすでに減少傾向で、
売上高も約10年前から半減していることがわかります。

このように、関連するデータまで確認することで、
周囲の言葉に惑わされることなく、正しく現状を認識することができます。

また、短期的な変化だけでなく、
10〜20年の長期スパンでデータを見ることも重要になってきます。

問題解決の基本は事実ベースで考えることです。

ニュースをそのまま受け取るのではなく、
関連データまで確認し、事実ベースで考えることが問題解決の第一歩です。

2019年02月15日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米朝首脳会談/INF全廃条約〜他人事ではないミサイルの脅威

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米朝関係 日本にも影響及ぶ朝鮮戦争「終戦宣言」の現実味
INF全廃条約 核条約の死、日本の選択は

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▼終戦宣言は、日本に対する北朝鮮の脅威を意味する
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東洋経済オンラインは4日、『日本にも影響及ぶ朝鮮戦争
「終戦宣言」の現実味』と題する記事を掲載しました。

これは2月下旬に行われる2回目の米朝首脳会談で、
トランプ大統領が「終戦宣言」をする可能性が高い
と指摘しています。

トランプ氏がこれまで朝鮮半島に張り付かせていた米軍を
撤退したいと考えていることが要因で、実現した場合には
日本にも駐留米軍や安保体制の見直し、及び北朝鮮との関係改善を
迫られる可能性があるとしています。

韓国の文在寅大統領も米トランプ大統領も、ノーベル平和賞に
取り憑かれている状態だと思います。

文在寅大統領の頭にあるのは、かつての上司であった
金大中元大統領です。

金大中元大統領は金正日総書記と南北首脳会談を実現して、
ノーベル平和賞を受賞しました。

自分も同じようになりたい、と考えているのだと思います。

そして、米トランプ大統領も朝鮮戦争の「終戦宣言」を行い、
その功績でノーベル平和賞を狙っているのでしょう。

それが自らの大統領続投へつながると考えているはずです。

朝鮮戦争は、1953年に休戦したまま、実はまだ「終戦」していません。

南北の平和条約は締結されていない状況です。

米国の大統領に、朝鮮戦争の「終戦宣言」を行う権利が
あるのか?と言うと、上院の3分の2の同意と助言があれば、
憲法に抵触しない限り可能となっています。

もちろん、民主党は反対すると思いますが、
上院では共和党が有利ですから、トランプ大統領としては
終戦宣言をして平和条約の締結に結びつけたいところでしょう。

先の中間選挙で大敗したので、ここで朝鮮戦争の終戦宣言と
平和条約の締結によって、自分の功績を残し、大統領を継続する
資格があることを周囲に示したいからです。

日本への影響という点で、日本周辺の兵力を見ていると、
朝鮮半島の北側にロシア・北朝鮮・中国が非常に大きな軍備を
抱えていて、韓国・在韓米軍が南側で対抗する形をとっています。

そして周辺の兵力として、日本・在日米軍・台湾軍が存在し、
にらみ合っている状況です。

このような状況で韓国が抜けるとなると、在韓米軍は一気に減少します。

そうなると、沖縄が北朝鮮に対する最前線基地になると同時に、
日本全体にとっても非常に大きな問題が生じます。

それは北朝鮮のミサイルの脅威が日本に向かってくる可能性が高いからです。

今の状況だと米国に対する長距離弾道ミサイルは、遠慮して
発射する可能性は低いと思います。

短距離ミサイルの射程圏内にある韓国が、北朝鮮と平和条約を締結して
ミサイルの危機を回避すれば、残るのは「中距離弾道ミサイル」の脅威です。

中距離弾道ミサイルの射程圏内のターゲットはまさに日本ですから、
この問題は決して他人事ではありません。

日本の防衛費は対GDP比1%を下回っています。

貧弱ではありませんが、他の国に比べると明らかに米国の
軍備に頼っています。

日本だけでは、北朝鮮の脅威を回避するのは難しいでしょう。




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▼INF全廃条約の破棄は、日本と欧州がロシアのターゲットになることを意味する
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日経新聞は8日、「核条約の死、日本の選択は」と題する記事を
掲載しました。

これは米国とロシアが、中距離核戦力(INF)全廃条約の履行を
停止したと紹介。

日本がやるべきことは、現在進めているロシアとの平和条約交渉に
アジア極東への中距離ミサイル配備を控えるように要請すること、
米国の「核の傘」が揺らがないように日米の連携を強化することだ
としています。

米ロ間では、戦略兵器削減条約において大陸間弾道ミサイルの
保有数などが全体的に制限されています。

そして、中距離弾道ミサイルについては、ゴルバチョフ書記長と
レーガン大統領の時代に中距離核戦力(INF)全廃条約が締結されました。

ところが、実質的にこの条約は「ほぼ破棄」されたも同然の
状況になっています。

米国はトマホークを開発し、いつでも中距離以上の核弾頭ミサイルに
応用することが可能な状況です。

一方ロシアも、地上発射型巡航ミサイル「9M729」を開発していて、
シリアの軍事介入でも巡航ミサイル「カリブル」を使用、その威力は
証明されています。

そして今、米国もロシアも相手が条約を破棄するのであれば、
それを受け入れる姿勢を示しつつあります。

INF全廃条約が破棄されれば、核兵器開発競争及び
ミサイル開発競争が再開されます。

これは日本にとって決して他人事ではありません。

ロシアからの中距離弾道ミサイルの射程圏内500キロというのは、
欧州と日本がターゲットになるからです。

INF全廃条約を破棄させないように、日本としては全面的に動くべきです。

今の日本の対応は静かすぎます。

もっと強く主張するべきです。

決して米国とロシアの問題ではありません。

日本と欧州がターゲットになる戦いにつながっていくのだということを
理解して、もっと重く受け止めるべきだと私は思います。




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※この記事は2月10日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、米朝首脳会談やINF全廃条約など、
日本を取り巻く世界情勢とその脅威について、大前が解説しました。

北朝鮮・ロシアからの中距離弾道ミサイルの射程圏内に位置している日本。
一見、他国の問題にみえていても、これらが日本に大きな影響を及ぼす
可能性は十分にあり、決して他人事ではありません。

近い将来、大きな変化が起きる可能性があるのであれば、
まずは自身や周りへの影響を冷静に分析する必要があります。

そのためには、定量情報だけでなく、
その背景に存在する定性情報も掴んでおくことが大切です。

日頃から視野を広く持ち、情報に対する感度を高めることが、
突然訪れる危機への対応力を上げていきます。

2019年02月08日(金) 
[1]〜大前研一ニュースの視点〜
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国内経済/統計不正問題/野村HD/曙ブレーキ工業〜データの裏にある本当の理由

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国内経済 景気回復が「戦後最長の可能性」
統計不正問題 2018年の実質賃金伸び率
野村HD 最終赤字1012億円
曙ブレーキ工業 事業再生ADRを申請

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▼数値と手取り収入の違いが、根本的な問題となっている
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政府は先月29日に公表した1月の月例経済報告で、
景気の総括判断を「緩やかに回復している」に据え置き、
2012年12月から始まった景気回復の期間が戦後最長となった
可能性があるとしました。

回復を牽引しているのは、収益が過去最高水準にある
企業業績で、人手不足を背景に企業が省力化・電動化の投資を
増やす一方、女性や高齢者の労働参加が進み、個人消費を
支えている現状とのことです。

景気回復の期間が戦後最長と言われても、
ピンと来ない人も多いと思います。

ここには統計上の問題があり、私たちが感じる実態とは
かけ離れているからです。

一例をあげれば、社会保障費の負担増です。

国民が受け取る可処分所得に置き換えるとマイナスに
なりえるからです。

実際、多くの人は給料が上がっている感覚はないでしょうし、
景気が良くなっているとも感じていないでしょう。

当然のことながら、物価も上がっていません。

統計上の問題は、毎月勤労統計でも別の形で露見しています。

毎月勤労統計の不適切調査問題を巡り、厚生労働省は
先月30日の野党合同ヒアリングで、2018年1〜11月の実質賃金の
伸び率が大半でマイナスになるとの見方を示しました。

これまでは1月〜11月のうち5ヶ月はプラスでしたが、
野党側が示した専門家による試算ではプラスはわずか
1ヶ月のみで、これを受けて野党側は物価の変動を考慮しない
名目賃金の参考値だけでなく、生活実感に近い実質賃金の
参考値を公表するよう厚生労働省に求めました。

厚生労働省も、野党側が算出した計算で合っていると
認めてしまいました。

安倍首相はアベノミクスの効果は出ていると主張していますが、
これを見ても成果が出ていないのは火を見るより明らかです。

政府の能天気さには呆れるばかりですが、それ以上に
統計上の問題としても重大に受け止めて対処すべきだと思います。

これだけ統計数値に問題が出ているのは、
数値算出の方法などに根本的な問題があるからです。

本来は実地調査すべきものを郵送ですませたり、
全数で算出すべきものを少ないサンプル数ですませたり、
統計を取る方法にも杜撰な点があるはずです。

今回問題になったことを良い契機として、学者も合わせて
何が実態を表しているのかをあらためて議論して、
再度計算し直すべきだと思います。

そして過去に遡って数値を再計算してほしいと思います。
そうしなければ日本の実態は見えてきません。

この手の統計上の問題は、日本に限らず各国が
抱えているものですが、日本は今後きちんとした数値を
出して欲しいと強く思います。



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▼野村の減損処理と曙ブレーキのADR申請には、本当の理由が隠れている可能性がある
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野村ホールディングスが先月31日発表した2018年4〜12月期の
連結決算は、最終損益が1012億円の赤字となりました。

米中貿易摩擦など市場環境が不透明な中、個人向けの営業が
落ち込んだほか、2008年に買収した米リーマン・ブラザーズ
などの資産評価見直しに伴い、814億円の減損損失を
計上したことが響いたとのことです。

インスティネットとリーマン・ブラザーズの減損処理が
大きかったとのことですが、私は「怪しさ」を感じます。

どちらも、すでに10年以上前から保有しているわけですから、
もし減損処理が必要なら、もっと前にのれん償却を
しているべきです。

それを「なぜ、今なのか?」と考えると、昨年の12月に大きく
落ち込んで損失が出たので、それを言い訳にして全て
まとめて処理してしまおう、ということだと思います。

おそらく、これまでの経営陣が先延ばしにしてきた減損処理を、
会計事務所も合意の上で厄介払いしたのでしょう。

同じように、本当の理由を隠しているという「怪しさ」を
感じたのが、曙ブレーキ工業の事業再生ADR申請のニュースです。

曙ブレーキ工業は先月30日、事業再生実務家協会に対して、
私的整理の一種「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)」の
申請を行い、受理されたと発表しました。

曙ブレーキは自動車のブレーキ製品を手がけ、売上高の半分を
米国市場が占めていますが、リーマン・ショック後の景気回復で
各社から増産要請が相次いだ一方、負荷の増大による設備の故障や
人材不足などで事業の混乱が続き、収益が悪化していたとのことです。

GMの次モデルの失注が大きく影響したと発表していますが、
そもそも国内の自動車生産は落ち込み、曙ブレーキの業績は
営業損益マイナスの状況が常態化していました。

曙ブレーキの業態を考えれば、本来、ここまで経営が
おかしくなることはありません。

しかし、GMに目をかけてもらって米国で大きくなって、
米国でまともに経営できるボリュームを超えた結果、
ミス・マネージメントが起きたのでしょう。

つまり、米国において巨大化した会社を、
まともに経営管理できる人材がおらず、また機能させるシステム
がなかったことが、本当の問題だったと私は見ています。

米国で管理不能状態に陥っていた事情を
トヨタもよく知っていたのでしょう。

ゆえに、救済もせずに今回のADRに踏み切ったのだと思います。



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※この記事は2月3日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、月例経済報告や毎月勤労統計、連結決算や
ADR申請の発表など、政府・企業が公開したデータやニュース
の裏側にある可能性について、大前が解説していました。

政府や企業の主張に対して、個々のデータやこれまでの
経緯に目を向けていくことで、その裏側にある背景や、
別の可能性が見えてくることがあります。

「景気が回復しているというが、なぜ実感できない人が多いのか?」
「10年前に買収した企業の減損処理がなぜ今行われたのか?」
「GMの次期モデル失注の影響で全体の資金繰りが悪化するほど、
 依存度が高かったのか?そもそも売上構成・財務体質は
 どうなっていたのか?」

報道されるニュースや政府・企業の発表に対して、少しでも
疑問を持ったら、統計や決算書・財務諸表、企業情報などを
集めて、読み解いていくことで、別の側面が見えてきます。

ただし、情報収集と分析を行うには、情報の集め方や見るべき
ポイントを理解するなどの「コツ」があり、それらを習得するには、
実践を交えた継続的な訓練が必要となります。

まずは日々入ってくる情報をそのまま受け入れず、
「本当にそうなのか?」と疑問を持つ習慣づけからはじめて
みることで、ニュースやデータの見方が変わり始めます。

日々報道されるニュースやデータには、意図的な「狙い」や
「思惑」が入ったものも多いため、常に疑ってかかる姿勢を
持つことが重要です。

2019年01月25日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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奨学金制度/転職市場/国内金融業界/モラトリアム法〜キャリア向上と日本の金融機関が置かれた状況

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奨学金制度 保証制度の見直しに着手
転職市場 デジタル革命、越境転職促す
国内金融業界 金融×IT、銀行巻き返し
モラトリアム法 モラトリアム法、負の遺産

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▼奨学金は普通に銀行から借りるようにすべき
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日本学生支援機構が実施する貸与型奨学金について、
文部科学省が保証制度の見直しに着手することが分かりました。

長期の延滞が増加し、制度を圧迫している現状を踏まえ、
奨学金を借りるすべての学生から借入額に応じて
一定額を保証料として徴収する検討に入ったもので、
これにより制度は安定する一方、学生の負担は増える見通しです。

まず私が思うのは、奨学金の対象を大学と考えるのであれば
義務教育ではないのですから、本来は国が支援する必要はない、
ということです。

必要な人は銀行から普通にお金を借りれば良いのです。

そして、大学に通うことに価値があり、その価値が
上がったことで給与も高くなり、その分で返済ができるという
認識を持つことが大事だと思います。

そうなれば、銀行側としても貸出先がなくて困っていますから、
受け入れてくれるはずです。

公的な奨学金だと思うから返済が甘くなるのであって、
銀行であれば取り立ても行うでしょうから
返済率も改善するでしょう。

公的な就職先であれば返済を免除するなどの条件も
私は不要だと思います。



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▼異業種間の転職は、給与・キャリアの向上にも良い
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日経新聞は15日、「転職市場 デジタル革命、越境転職促す」
と題する記事を掲載しました。

2017年度に同じ業種の中で転職した人は、
2009年に比べて2.07倍だった一方、異業種への転職は
2.98倍にのぼったと紹介。

IoTやAIなどデジタル技術で事業を変革する動きが
各業種で広がり、データの取得や分析を行うエンジニアの
需要が高まっていることが要因で35歳を超えると就職先が
見つかりにくくなる年齢の壁も崩れ始めているとのことです。

これは非常に健全で良い傾向だと思います。

エンジニアの人がサービス業や銀行などの異業種に転職すれば、
そういう人材が不足していますから、大いに活躍が期待できますし
給与も上がり、キャリアも広がっていくと思います。

一方、サービス業などの業界にいた人がエンジニア業界に
転職しても、実際のサービスとして実現する内容などを
エンジニアに明確に伝えられるようになるので、
これも意味があると思います。

これまでの転職というと同業種間が多かったのですが、
このような異業種間の転職は非常に効果的だと思います。



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▼稚拙なAI融資から始まる日本/モラトリアム法は日本が抱え込んだ爆弾
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3メガ銀行と地銀など18社はベンチャー企業と新会社を
設立し、人工知能(AI)を駆使した中小企業向け融資に
参入する共通のデータ基盤をつくる見通しだと紹介。

日々の決済情報を審査に使えるよう解析するシステムを
開発する方針で、これによりAI融資で先行する
アマゾンやリクルートなど異業種組みに追いつきたい考えです。

中国のアントフィナンシャルに比べると、
ほとんど幼稚園のレベルですが、それでもこういうことから
始めていかなければ金融業界も生き残れない、
ということでしょう。

とても「銀行の巻き返し」とまでは言えませんが、
今後に期待したいところです。

日経新聞は15日、「地銀波乱 モラトリアム法 負の遺産」
と題する記事を掲載しました。

リーマン危機後の2009年12月、民主党政権が中小企業の
借金返済を猶予するよう銀行に求めた
中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)の施行から
10年が経過したと紹介。

しかし、その後の稼ぐ力が回復せず、経営破綻に追い込まれる
企業が続出し地銀の不良債権処理損額は
2018年4-9月期に8年ぶりの高水準に達したとのことです。

2009年亀井静香元金融相がゴリ押しで主導したのが、
この中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)でした。

それまでは貸付先の企業の経営状況が悪ければ、
「破綻懸念先」への融資になり一定割合の貸倒引当金を
計上する必要がありました。

しかし、モラトリアム法を施行した貸出先については
「正常先」と見なして良いということで、貸倒引当金を
計上する必要もなくなり銀行の経営もずいぶんと楽になりました。

そして、企業も銀行から返済に追い立てられることがなくなりました。

しかし、40万社にのぼるモラトリアム法の対象企業のほとんどは
経営改善せず、まともに復活したところはほとんどありません。

こうなってくると銀行にも他人事ではありません。

今後、金利が上昇してくると不良債権を抱えて
大きな赤字を計上する銀行が増え、さらに取り立てできずに
倒産する銀行も出てくると思います。

これは日本が抱え込んだ大きな爆弾です。



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※この記事は1月20日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、日本国内の話題を中心にお届けいたしました。

大前は記事の中で、奨学金や転職市場についてそれぞれ
言及していますが、私たちがこれからのキャリアを考える上での
大切なポイントが含まれています。

奨学金については「大学に通うことで上がった価値で給与を高くし、
その分で返済ができるという認識を持つことが大事」と、
転職については「異業種間の転職は給与・キャリア向上に効果的」
と述べていました。

大学に行くにせよ、転職をするにせよ、いずれも手段であり、
その手段を選んだ結果、自分の価値をどのように上げ、
どのように人生の糧にしていくかを考えなければなりません。

「とりあえず大学に行く」や「市場が活況だから転職する」
という考えだけでなく、進学・転職して得たものをどう活用して
キャリアを広げ、さらに稼いでいくかを考えることが大切です。

それらを考えることで初めて、「自分で上げた価値で返済する奨学金」
や「給与が上がり、キャリアが広がる異業種への転職」という
選択肢が選び取れるようになります。

これからの時代、どこの大学・企業に属していたかではなく、
自分自身に力をつけて、自らの価値を上げていくことが
重要となります。

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