2018年07月13日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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メキシコ大統領/米朝関係〜北朝鮮の本性が再び。金王朝崩壊後のシナリオは?

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メキシコ大統領 ロペスオブラドール氏が勝利
米朝関係 「アメリカ側の態度は遺憾」

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▼メキシコ新大統領には、トランプ大統領の牽制などを期待したい
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メキシコ大統領選挙が1日行われ、新興左派の野党、
「国家再生運動」のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドールが
2位に大差をつけて勝利しました。
ロペスオブラドール氏は米トランプ大統領にも通じる
ポピュリズムの政策を主張、規制政治の打破を訴え、
汚職や治安悪化に対する国民の不満を取り込みました。

ロペスオブラドール氏は、
左派のトランプ大統領と言われる人物です。
基本的な主張はほぼ同じで、ロペスオブラドール氏の場合は
「メキシコファースト」が主張の柱になります。
知名度は高かったのですが、
これまで2度大統領選には敗北してきました。
今回は「メキシコファースト」の主張を軸に、
トランプ大統領を批判することで、選挙に勝ちきりました。

ロペスオブラドール氏が見事に53%の得票率を獲得しました。
ロペスオブラドール氏が大統領になったことで、
めずらしくトランプ米大統領の腰が引けています。
「おめでとう、一緒に仕事をできることを楽しみにしている」
という趣旨のことをTwitterで発言しています。

ロペスオブラドール氏が大統領になることで、
トランプ大統領の牽制につながると思います。
また、北米自由貿易協定(NAFTA)を維持するためにも、
重要な役割を果たしてくれるかも知れません。

OECDのジニ係数を見ると、
メキシコはチリに次いで高い水準となっていて、
貧富の格差が激しくなっています。
石油の埋蔵量も生産量も減ってきています。
代わりに自動車産業など期待できる分野もあります。
国別のメキシコへの直接投資を見ると、
米国が圧倒的にナンバーワンです。
貿易相手国でも、輸出入ともに米国がトップ。
輸入は中国、日本と続きます。

メキシコへの直接投資が大きいということは、
すなわち、米国企業がメキシコに来て
ビジネスを展開しているということです。
この事実をトランプ大統領は正しく認識せず、
メキシコを批判しています。

ロペスオブラドール氏は大統領になって、
汚職や麻薬などの腐敗にメスを入れることを公言しています。
メキシコは今回の選挙期間中にも、
約130人の政治家や立候補者が殺害されています。
メキシコという国は、本当に危険な国です。
ロペスオブラドール氏にとっても、
大変なことは多いと思いますが、
トランプ米大統領への姿勢も含め、
期待してみたいと思います。




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▼北朝鮮の本性が再び。金王朝崩壊後のシナリオは?
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北朝鮮外務省は7日夜、
非核化を巡って平壌で行った2日間にわたる
米朝高官協議に関して「米国側の態度は遺憾極まりない」
とする報道官談話を発表しました。
北朝鮮側が米朝間の交流拡大や
朝鮮戦争の終戦宣言などを変更して扱うことを
提案したのに対し、米国側は完全で検証可能かつ
不可逆的な非核化(CVID)などに言及し、
「一方的で強盗のような非核化要求だけを持ち出した」
と非難しています。

ようやく私たちがよく知っている北朝鮮が戻ってきた、
と感じます。シンガポールでの両首脳会談では
表面的なことしか語られませんでした。
トランプ大統領としてのパフォーマンスとしては
良かったのかもしれませんが、その後はそうはいきません。
具体的なことを話していかなければ、何1つ前に進みません。

今回その役割を担ったのはポンペオ米国務長官でした。
北朝鮮側はポンペオ氏を相手にしない、
という姿勢を見せています。
しかし、ポンペオ米国務長官がやらなければ、
ボルトン大統領補佐官が登場するでしょうし、
背後にはマティス国防長官が控えています。
北朝鮮の思惑通りにはいかないでしょう。

シンガポールでの首脳会談を受けて米国内のマスコミからは、
北朝鮮はまた騙すつもりだ、という指摘がありました。
ポンペオ氏としても、
より具体的な指摘をしていくしかない状況です。
それゆえ、非核化のプロセスやステップを明確にし、
どのような順序で進めていくのかを明示しろ、
という話になったのだと思います。

具体的に言えば、第三者が検証できるように、
北朝鮮が保有する核開発の施設、
開発リストをすべて提出すること。
完成したと言われる核弾頭は20基あると言われていますが、
責任を持ってそれらを破壊するので、
すべて引き渡すこと、など。

このような具体的な話になると、
北朝鮮は「強盗のような要求だ」と非難してきます。
北朝鮮がどのような国なのか、
ということをあらためて十分に理解できたはずです。
トランプ大統領は、話題を提供することしか頭になく、
具体的に話を進めることは何1つ考えていません。
結局、具体的に落とし込もうとすれば、
すぐに北朝鮮は態度を変化させますし、
関係性も悪化します。

シンガポールでの首脳会談は曖昧なまま終わりましたが、
唯一期待できるのは、トランプ大統領は金正恩氏に
「何かあったら、直接電話しろ」と、
自身の携帯電話の番号を伝えたと言われていることです。
もしこのまま事態が進み、
金正恩氏がトランプ大統領に直接相談しなければ、
トランプ大統領のことですから、
「相談がなかった」ということで
強硬手段に出る可能性も大いにあります。
本来なら、シンガポールの首脳会談で
もっと具体的に話を詰めておくべきですが、
今はこのトランプ大統領への直接電話という切り札が、
北朝鮮の抑止力になってくれることを期待したいところです。

もし北朝鮮の金王朝が崩壊するとしたら、
どのようなことが予想できるでしょうか。
韓国、中国、ロシアはが虎視眈々と
その機会を狙っていると思います。
韓国は南北朝鮮の統一をすぐには望んでいないでしょう。
統一すれば、韓国側の財政負担が大きいからです。
一人あたりGDPで1000ドル未満の国と、
2万ドル近い国では差が大きすぎます。
この差がある程度埋まるまでは、
植民地のように安い値段で労働力を活用し、
自国の力をつけることに専念するはずです。

中国もすでに人件費は北朝鮮より高くなっているので、
北朝鮮が倒れたら、その安い労働力を活用したいと考えているでしょう。
ロシアも極東ロシアの開発で人員が足りておらず、
北朝鮮の労働力を手に入れたいという思惑です。

隣国はすべて北朝鮮の崩壊を絶好の機会として狙っており、
邪魔なのは金王朝だけという状況になっています。
そして崩壊しても、北朝鮮国民は職もあるし、
恐怖から開放されて安心して過ごせるはずです。
その後、段々と生活レベルが上がってきて、
韓国と同じレベルの待遇を求めるようになってきたら、
ドイツのように統合する道が見えてきます。
かつてドイツのコール首相は西ドイツを主力として、
統合を実現しました。これは大英断だったと私は思います。
韓国と北朝鮮が統合するなら、
誰かがかつてのコール首相の役割を果たす必要があるでしょう。



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※この記事は7月8日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、米朝関係の話題を中心にお届けいたしました。

非核化を巡り、米朝高官会議が平壌で行われました。

シンガポールの両首脳会談で、
非核化の共同声明にサインした北朝鮮。
しかし、具体的な話になった今回の米朝高官協議に関しては、
「強盗のような要求だ」と態度を変化させました。

これに対して大前は、シンガポールの首脳会談では
トランプ大統領のパフォーマンスとしてはよかったかもしれないが、
非核化に向けて具体的な話をしていかなければ
前には進まないと指摘しています。

記事中で、非核化のステップなどを
具体的に提示していますが、
問題解決にあたっては、課題を定義した上で
一つ一つのステップに取り組む必要があります。

問題解決のステップを具体的に進めていくことで
大きな成果につながります。

2018年07月07日(土) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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安倍内閣 〜安倍政権は、何1つとして政策の成果を上げていない

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安倍内閣 支持率52%、不支持率42%

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▼安倍政権は、何1つとして政策の成果を上げていない
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日本経済新聞社が6月末に行った世論調査によると、
安倍内閣の支持率は前月比10ポイント上昇し
52%となったことがわかりました。
一方、不支持率は11ポイント低下し、42%に下がり、
4ヶ月ぶりに支持が不支持を上回りました。
支持の理由としては、「国際感覚がある」「安定感がある」
「指導力がある」などが挙がったとのことです。

現在、大きく支持に傾いているように聞こえますが、
3年前にも似たような状況がありましたし、
支持と不支持は拮抗している状況です。

「国際感覚がある」と言っても、政府専用機を使って
海外に出掛けていく回数は多いものの、
取り立てて成果は上がっていません。
「安定感がある」というのも、
私に言わせれば「森友・加計問題」において、
堂々とブレずに嘘を突き通す安定感はありますが、
皮肉以外の何物でもありません。

今の安倍政権は何1つ、今の日本が抱えている
本当の問題に手を付けていません。3本の矢、憲法改正など、
次々と口先だけの発表をしていますが、何1つ形になっていません。
今は働き方改革やIR法を取り上げて重要法案などと言っていますが、
冗談もほどほどにしてほしいと思います。
これらが今の日本にとって重要法案のはずがありません。
もっと日本にとって重要な問題は山ほどあります。

中央集権の体制を克服し、どのように地方に権限を与えるのか、
という問題。労働人口が圧倒的に足らず、毎年減っているという問題。
AIを始めとした新しい領域における人材が育っておらず、
以前にも増して国際競争力を失っているという問題。

過去の首相の成功事例を振り返ると、
こうした重要な問題に対してシングルイシューで取り組むことが
必要だと私は思います。池田勇人元首相の所得倍増計画、
田中角栄元首相の日本列島改造論、
中曽根康弘元首相の三公社の民営化など、
1つのことに絞って徹底的に実行しました。
小泉純一郎元首相の郵政民営化も同様でしょう。
小泉進次郎氏が進めていた農業改革に私は期待していましたが、
農協の民営化に対して手綱を緩めてしまいました。
残念ながら、父親のように徹底することはできないようです。


それでも、今回の調査で国民が安倍政権を
「支持する」割合が高かったというのは、
文科省の勝利かも知れません。
先生の言うことを忠実に聞く、
という教育が徹底された結果とも言えるでしょう。



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▼野党が奮起しなければ、自民党は長期政権・独裁化の道を歩む
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しかし一方で、安倍政権が信用され支持を受けているのではなく、
野党がだらしなく空中分解している結果という見方もあり、
私もまさにそう感じています。実際、世論調査の結果では
「支持政党なし」が約30%になっています。
この人たちは「都市型のサイレントマジョリティー」です。

民主党や民進党の調子が良かった時代には、
彼らを取り込むことに成功し、いわゆる、
「1区現象」を引き起こしました。
そして、政権奪取にまで成功しました。
しかし、その政権運営があまりに酷すぎました。
それが未だに影響しています。

あのときの失政を認めて反省し、
国民に詫びた上で新しい態度を示さない限り、
民主党などの野党が再び力を持つことは難しいと思います。
小池都知事が優勢だと思えば、
踏み絵を踏んで希望の党に身を寄せ、
小池都知事の人気に陰りが見えれば、
手のひらを返したり、このようなことを繰り返していて
国民から支持されるわけがありません。

今の自民党ではダメだと思っている国民は多いはずです。
「森友・加計問題」への対応などを見ていても、
自民党は嘘ばかりを並べ立てて、国民も野党も
バカにしています。そのような状況を
許してしまっていることが、最大の問題の1つです。

9月に総裁選が予定されていますが、
再び安倍首相が選ばれるとなると、
さらに状況は悪化していくことになると思います。

長期政権で独裁化し、掲げた政策は何1つとして
まともに完了せず、空中分解で成果ゼロ。それでも、
それを追求し指摘するマスコミはほとんどいません。
マスコミも、手痛いしっぺ返しを恐れていて、
「長いものには巻かれろ」という姿勢になっているからです。
特に、産経新聞と読売新聞はそのように感じます。

朝日新聞と毎日新聞は、若干、抵抗していますが、
それも限界が見えています。朝日新聞が最後のあがきで、
「森友・加計問題」関連の資料を掲載していますが、
最終的には黙認したまま力技で押し切られることになりそうです。

自民党と共に政権を担っている公明党にしても、
かつては明確な役割や思想がありました。
しかし、政権政党の旨味を味わった今、
真っ向から自民党を批判することはできず、
やはり「長いものには巻かれろ」状態です。
自民党からすれば、最も御しやすい党に成り下がってしまいました。

今の自民党への支持は、本当の意味での支持ではなく、
野党の失速が生み出してしまったものです。
このままでは、長期政権・独裁化という道を
自民党は進んでいくでしょう。
野党は過去を反省した態度を国民に示し、
野党としての役割を果たしてもらいたいと強く思います。


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※この記事は7月1日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、安倍政権の話題を中心にお届けいたしました。

日本経済新聞社が6月末に行った世論調査によると、
安倍内閣の支持率は52%、不支持率は42%となり、
4ヶ月ぶりに支持が不支持を上回りました。

「国際感覚がある」「安定感がある」「指導力がある」
などが支持理由として挙げられたとのことですが、
大前は記事中で、今の安倍政権は、労働人口減少など、
今の日本が抱えている重要な問題に手を付けておらず、
何1つとして政策の成果を上げていないと指摘しています。

問題解決に取り組むにあたって最も重要なことは、
目の前に起きている問題をやみくもに対処するのではなく、
「何を解決すべき課題とするのか」を決めることです。

記事中でも、過去の首相の成功事例を大前が紹介していますが、
本質的な問題を徹底的に分析した上で、
解決策の立案や解決策の実行に取り組むことが大切です。

2018年06月29日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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英EU離脱/イタリア情勢/ギリシャ情勢/イスラエル情勢 〜ギリシャの財政再建の見通しと、イタリアの今後への不安

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英EU離脱 先行き再び不透明に
イタリア情勢 少数民族ロマの調査実施へ
ギリシャ情勢 8月にギリシャ金融支援終了
イスラエル情勢 ネタニヤフ首相の妻サラ夫人を在宅起訴

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▼英国EU離脱によって、United kingdomの崩壊の可能性
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日経新聞は20日、「英EU離脱、先行き再び不透明に」
と題する記事を掲載しました。19日に公表した
共同文書について、EUのバルニエ首席交渉官は
「アイルランド問題をめぐって深刻な相違が残っている」
と警鐘を鳴らしたと紹介。当初は6月の首脳会議で
アイルランドの国境問題を打開する想定でしたが、
英国側がメイ政権の求心力低下により具体策を
示せていないのが現状で、交渉が「白紙」に戻り、
2019年3月に無秩序な離脱に陥るリスクも
意識され始めているとのことです。

無秩序な離脱、すなわち、「合意しないまま離脱する」
という可能性が浮上しています。
アイルランド側の言い分としては、
共通旅行区域(Common Travel Area)は、
EUが発足する前から英国とアイルランドの間で取り交わした協定なので、
英国がEUを離脱しても不問にしてほしい、というものです。

しかしEU側には認める様子はなく、英国がEUを離脱するならば、
アイルランドとの間には国境線を引かなければだめだと主張しています。

実際問題としては、アイルランドから
北アイルランドへ働きに出ている人も多いですし、
北アイルランドとアイルランドの間は
配送トラックが1日の間に何度も往復しているというのが現状です。

このような現状を考えても、この問題はおそらく
最後まで尾を引くことになると思います。
もしEUが言うように、アイルランドと北アイルランドの間に
国境線を引かなければならないとすれば、
北アイルランドはEUに残りたいと主張するでしょう。
そして、その場合には北アイルランドはアイルランドと
一緒になりたいと言うかもしれません。

これは「United Kingdom」の崩壊を意味すると思います。
そうなると、北アイルランドに続いて、
ウェールズ、スコットランドも離脱し、
イングランドだけが残り、「England Alone」
になってしまう可能性も大いにあると私は見ています。


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▼ギリシャの財政再建の見通しと、イタリアの今後への不安
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欧州連合(EU)は21日、ギリシャの8年に及んだ金融支援を
8月に「終了」させる枠組みで合意しました。
過去の支援融資の償還期間を10年延長するなど
返済の負担を軽減。新たな金融支援なしでもギリシャが
財政再建を続けられるようにする内容となっています。

ギリシャのツィプラス首相にとっては、
非常に嬉しい状況になったと言えるでしょう。
「反EU」を掲げ「負債の支払いはしない」
と公言し首相になったものの、ドイツに厳しい指摘を受けて、
思うようにはいかない我慢の年月を過ごしてきたはずです。

支援融資の償還期間の10年延長に加え、1部の債権放棄によって、
ようやく支援なしでギリシャ再建の道筋が見えてきました。
赤いネクタイを締めて、初めてスーツ姿を現した
ツィプラス首相としては、嬉しかったことでしょう。

ギリシャの政府債務残高の推移を見ると、
対GDP比で約160%という高い水準にはありますが、
依然問題を抱えながらも、ギリシャが一応は危機を脱したというのは、
EUにとっても非常に重要なことだと思います。
一方で、次はイタリアではないか?と言われており、
一難去ってまた一難という予断を許さない状況でもあります。

そのイタリアですが、マッテオ・サルビーニ内相は18日、
イタリア国内に居住する少数民族ロマに対する調査を実施し、
イタリア国籍がなければ国外追放する考えを示しました。
サルビーニ氏は今月、地中海で救助されたアフリカ系移民
約630人を乗せた船の入港を拒否して避難を浴びましたが、
今回の発言にも抗議の声が上がっているとのことです。

サルビーニ氏は反移民を掲げる極右政党「同盟」の党首です。
出身地である北部ロンバルディア州は、
かつての「ロンバルディア同盟」でも有名ですが、
今のサルビーニ氏の考え方はロンバルディア同盟とも異なってきています。

サルビーニ氏が手を付けた問題は、非常に難しいものです。
少数民族ロマの人々は、もともとはインドから移住してきたといわれ、
中東欧に多いことで知られています。古くからイタリアに来ていて、
住所不定であったり、国籍を持っていない人が多いのも事実です。

この人達の問題に手をつけるとなると、イタリアは
収集がつかなくなる可能性が非常に高いと私は思います。
事実、彼らが生み出すごみ問題などもありますが、
歴代の政府はすべて目をつぶってきました。
同じEUのルーマニアとの関係性の悪化も懸念されます。

スペインが受け入れてくれたのでEUとしては面目が立ちましたが、
過日、イタリアはリビアからの難民を受け入れませんでした。
「反EU」「反移民・難民」を掲げて政権をとっただけに、
今のイタリア政府の今後はさらに心配になります。
イタリア問題が第2のギリシャ化してしまうのではないか、
と私は懸念しています。


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▼長期政権になると、どこの国も同じように腐敗している
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イスラエルの検察当局は21日、
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の妻、
サラ夫人を詐欺などの罪で在宅のまま起訴しました。
サラ夫人は、首相公邸に料理人がいないように装い、
高級レストランから食事のデリバリーを
繰り返し注文していたとのことです。

ネタニヤフ首相自身も収賄の容疑で起訴されています。
首相在任期間も9年を超えてきて、
夫人共々やりたい放題といったところでしょう。
ネタニヤフ首相はトランプ大統領とは仲がよく、
トランプ大統領は、イスラエルが言うとおりに
米国大使館をエルサレムに移転するほどです。
トランプファミリーからの支持は得ています。

しかし一方では、完全に国民からの支持は失ってきていて、
その1つの象徴が首相夫人のこのような事件でしょう。
日本を顧みても、どこの国においても長期政権になると
似たようなものだと思うと、残念であり、情けない限りです。


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※この記事は6月24日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、世界情勢の話題を中心にお届けいたしました。

「反EU」「反移民・難民」を掲げているイタリア政府。

ギリシャの財政再建の見通しが立ってきている中で、
イタリア問題が第2のギリシャ化してしまうのではないか、
と懸念されています。

また、ロマの問題に手をつけるとなると
収集がつかなくなる可能性が非常に高いと、
大前は指摘していますが、正しく現状を認識しなければ、
企業であろうと国であろうと迷走してしまいます。

まずは、現状を見誤らないこと。
そして、目指す状態を決め、それに向かって
どの実現経路をたどるかが重要です。

2018年06月22日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米朝首脳会談 〜雪解けしたあと、北朝鮮と日本の問題はどのような展開が予想できるか?

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米朝首脳会談 非核化合意の共同声明に署名

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▼米朝首脳会談は、トランプ大統領演出のテレビショー
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トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長は12日、
史上初となる米朝首脳会談を行いました。
対談後、両首脳は新たな米朝関係を確立するとともに、
朝鮮半島の平和体制構築及び完全非核化へ向けた努力を
約束することを盛り込んだ共同宣言に署名しました。

今回の会談・声明についての海外の主要メディアの反応を見ると、
以下のようになっています。

ニューヨークタイムズ:声明の内容があいまい
ウォール・ストリート・ジャーナル:中身がない
ワシントン・ポスト:具体性のない声明
USAトゥデイ:韓国に不意打ちを食らわせた
ファイナンシャル・タイムズ:勝者は金正恩委員長
エコノミスト:トランプはショーマンシップを発揮

私の率直な印象を言えば、エコノミストの感覚に非常に近く、
トランプ大統領は「テレビショー」と同じように、
今回の会談を演出したということです。

メディアからは共同声明の内容に具体性がないなどと批判されても、
トランプ大統領としては気にしていないでしょう。
「金正恩委員長が出てきて、サインをした」という
今までになかったことを「演出」できたのですから成功だ、
という認識だと思います。一般の人の感覚からも、
もちろん外交筋の感覚からも大きくズレています。

ただ一方で、これまでの外交筋のやり方も成功していたわけではなく、
全て失敗してきました。その点から言えば、
金正恩委員長を引っ張り出して、どんな形にせよ
共同声明にサインをさせるところまで実現したと言えます。
また、この状況になると、金正恩委員長もこれから下手な行動に出れば、
さすがに米国が黙っていないだろう、という脅威を感じていると思います。
その意味において、金正恩委員長が今後は
従来と異なる反応を示す可能性もあるでしょう。

共同声明の内容を見ると、「新しい関係性」
「安定した平和体制の構築」「韓国と北朝鮮の板門店宣言の再確認」
「朝鮮半島の完全な非核化」などが示されています。
朝鮮半島の完全な非核化は、韓国も含めることになるので
北朝鮮の意向を取り入れた形になります。

安倍首相によると、金正恩委員長が拉致被害者についても
言及していたとのことですが、この共同宣言を見る限りは、
それは読み取れません。あくまでも、
自分たちの戦争捕虜や遺体回収に取り組むというだけの話です。
安倍首相は、トランプ大統領に日本の拉致被害者について
一言言ってほしいと依頼していたようですが、
私に言わせれば、他人に頼むことではなく、自分でやるべきことです。

これまで北朝鮮は、何度も非核化合意を反故にしてきました。
91年韓国、94年米国、さらには6カ国協議での合意も
反故にしてきました。しかし今回の共同声明を反故にすると、
さすがに米国から大きなしっぺ返しが来ると
金正恩委員長も理解しているでしょう。これまでと同じように、
非核化を反故にして核開発を進めることはないと思います。
「成功」と呼べるかは疑問ですが、
ある意味では抑止力にはなると言えます。

核開発への抑止力は期待できたとしても、
核兵器以外の化学兵器、生物兵器、
弾道ミサイルなどについてはわかりません。
今回の共同声明がどこまでを対象にしているのか、
まだ不明だからです。核兵器を使わなくても、
他の兵器を組み合わせることで核兵器と同じような被害を
及ぼすことは十分に可能ですし、日本としては警戒すべきです。
トランプ大統領の発言にもありましたが、
今回の会談は「第1歩」「入口」に過ぎません。
第2弾、第3弾の日程も決まっているそうですが、
現時点では「誰がどうやって具体的に詰めていくのか」
何も見えていません。


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▼雪解けしたあと、北朝鮮と日本の問題はどのような展開が予想できるか?
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今後の北朝鮮と日本との関係性の中で予想できるのは、
北朝鮮の経済復興のために日本が資金と技術を
提供する形になる可能性が高いということです。
おそらく、安倍首相からの拉致被害者についての依頼への見返りとして、
トランプ大統領から要求されるのではないかと私は見ています。
北朝鮮からすれば、日本に対しては
「戦前、戦中の賠償がおわっていない」と思っていますから、
渡りに船といったところでしょう。

かつて韓国が日本からの賠償金などを活用して、
「漢江の奇跡」という経済復興を成し遂げたのを見ていますから、
北朝鮮は自分たちも同じように復興に使うお金を欲しています。
本来、戦争に関する賠償は日本と韓国間で完了していますから、
北朝鮮もそこに含まれるはずですが、全くその認識はないようです。
北朝鮮が日本に賠償金として要求している金額は、
6兆円という莫大な額になります。

拉致問題について、北朝鮮側は「解決済み」という姿勢をとって、
一向に具体的なことを発表しないままになっています。
おそらく、すでに存命ではない人や、
墓もなく生死が定かではない人もいて、
満足できる説明ができない、というのが本音でしょう。
また、存命であれば日本に帰した後に
何を言われるのかわからないので公表したくない、
という意図もあると思います。いずれにせよ、
1年以内に解決すると言っておきながら、
急に「日本の態度が悪いから」と難癖をつけてくる国ですから、
この問題を日本が望むような形で解決することは、
かなり難しいと思います。


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※この記事は6月17日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、米朝首脳会談の話題を中心にお届けいたしました。

トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長が、
史上初となる米朝首脳会談を行い、
朝鮮半島の平和体制構築及び完全非核化へ向けた努力を
約束することを盛り込んだ共同宣言に署名しました。

しかし、今回の会談は「第1歩」「入口」に過ぎず、
第2弾、第3弾の日程も決まっているものの、
現時点では、何も見えていない状況となっています。

この米朝首脳会談をうけ、大前は記事中で、
今後の北朝鮮と日本との関係性の中で予想できるのは、
北朝鮮の経済復興のために日本が資金と技術を
提供する形になる可能性が高いと指摘をしています。

北朝鮮の今後のシナリオについては、
様々なシナリオが考えられますが、
あらゆるシナリオをあらかじめ想定しておくことで、
「想定外」の出来事を減らすことが可能となります。

「もしも」の事態に真剣に取り組み対策を講じることで、
想定外の出来事に慌てることは少なくなります。

2018年06月15日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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欧州情報規制/中国情勢/中国・紫光集団/日立製作所 〜フェイスブックの個人情報問題は、「注意」しても解決しない

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欧州情報規制 個人データの相互移転で合意
中国情勢 「天網」が覆う中国の超監視社会
中国・紫光集団 紅い半導体、自立の夢
日立製作所 原発建設計画継続で合意

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▼フェイスブックの個人情報問題は、「注意」しても解決しない
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日本と欧州連合(EU)は先月31日、
現地で得た個人データの移転を相互に認めることで実質合意しました。
EUは5月に施行した一般データ保護規則(GDPR)で、
域外へのデータ持ち出しを厳しく規制しています。
日本側が、企業が新たに守るべき指針を7月初旬までに定めることで、
今秋にもデータを円滑に移転する枠組みを作る方針です。

GDPRにおいて、日本はEU域外への
データ持ち出し可能な国として認定されていないので、
今回新たに日本との間のルールを制定する運びになりました。
この枠組みが円滑に運営されればされるほど、
フェイスブックが起こした個人情報流出の問題の大きさが
改めて浮き彫りになってくる気がします。
フェイスブックの問題の厄介なところは、
例えばクレジットカードのデータなどを購入してきて、
それをフェイスブックのデータと重ね合わせることで、
活用しやすくなり価値も上がるということです。

欧州の場合には、業を煮やしてGDPRを施行し、
フェイスブックなどにも罰金を課せるようにしました。
非常に高いペナルティなので、しばらくの間は
GDPRが抑止力として働くことになると思います。
しかし、フェイスブックのようなデータを持っているところは
他にもありますし、そのデータを広告に活用すると
多くの広告費が取れるので簡単にはなくならないでしょう。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、
「厳重に注意します」と述べていますが、
フェイスブックそのものを会社として潰さない限りは、
芋づる式にこの問題は続いていくと思います。


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日経新聞は1日、『「天網」が覆う中国の超監視社会』
と題する記事を掲載しました。
中国政府が運用する監視システム「天網」により
過去2年間に2000人以上の逃亡犯が逮捕されています。
中国に1億7000万台ある監視カメラのうち、
2000万台がこのシステムの下にあるほか、
核となる顔認証技術により14億人の全国民を
1秒もかからずに照合できるとしています。

2000人の逃亡犯を逮捕できたというのは、
恐ろしいほどの超監視社会になっています。
犯罪の抑止につながるのは間違いありませんが、
逆に言うとこの監視システムを使って
政府に都合が悪い人間を追いかけるということもできてしまいます。
さらにSNSなどのデータと照合して組み合わせれば、
政治思想や宗教など、より深い個人情報として
認識することも簡単でしょう。

政府が恣意的に利用するという可能性を考えると、
中国はスマホ決済で便利だと喜んでいる場合ではないかもしれません。
日本の場合には警察が保有しているデータが指紋データなので、
中国のように顔認証システムによる監視はできません。
ある意味、技術が先行しているがゆえの課題です。

こうした監視システムが社会秩序を守るのに有効なことは間違いありません。
しかし、一体「誰の秩序」を守るために利用されるのか。
ここが恣意的になってくると大きな問題になってしまうでしょう。


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▼国策として大きくしたい紫光集団
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日経新聞は1日、『紅い半導体、自立の夢』
と題する記事を掲載しました。中国の国策半導体メーカー、
紫光集団の新たな工場が年内に稼働する見通しです。
総額3兆円を投じ湖北省武漢市で建設を進めているものです。
今後10年で1000億ドル(約11兆円)を投資する方針で、
供給過剰を懸念する世界の半導体関係者が
固唾をのんで見守っているとしています。

中国企業の課題の1つは、米国企業の半導体を使っているケースが多く、
そこに依存している状況があることです。
それゆえ、ZTEのように米国企業とのつながりを断たれると、
ひっくり返ってしまいます。

中国市場の中心になる半導体メーカーは米国メーカーであり、
中国の半導体メーカーはメインではありません。
中国が国を挙げて紫光集団を大きくしていきたいと考えるのも頷けます。
10年間で約11兆円の投資というのは、通常の企業では到底できません。
国策として投資していく方針だからこそ、可能な額でしょう。
この方針が実現していくとすれば、長期的に見ると、
サムスンを筆頭に大手半導体メーカーにも
大きく影響してくる可能性があると思います。


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▼日立の英国における原発受注は非常に貴重
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英国のクラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相は4日、
日立製作所が英国で進める原子力発電所の建設計画を
継続することで日立側と合意したと発表しました。
クラーク氏は「英国が低炭素経済へと移行するなかで
原子力は重要なエネルギーだ」と述べるとともに、
日立の新たな事業が地元経済に
多くの雇用を生み出すとも指摘しました。

日立としても、背に腹は代えられないという決断だと思います。
原子力発電所の開発を行う場合、
どこまでリスクを抑えられるかというのが非常に重要です。
あまり大きなリスクを背負ってしまうと、
かつての米国における東芝の二の舞になってしまいます。
三菱重工は仏アレバに出資しましたが、
アレバは半分倒産しているような瀕死状態でしたから、
リスクを抑えられたとはとても言えないでしょう。

日立が建設する予定の2基の原子炉は、世界でもめずらしいことに、
先進国で原子炉建設が国民投票で承認されたものです。
これまでにも英国では中国系の企業が原子炉の建設を進めてきました。
しかし、国として補助しなかったために
建設コストが跳ね上がってしまいました。
これは結果として電気料金に影響するため、
その不満が国民から政府に寄せられる可能性があります。

日立は、このような背景を理解した上で、
電気料金を抑えるための建設コストについて、
英国のメイ首相にも説明したそうです。
クラーク氏も、元BCG出身の人なのでビジネスに明るく、
そのような話が通じやすかったという側面もあるでしょう。
今回の2基の原子炉建設については、
これまでの日本企業が見せたことがないような
周到な交渉が行われたと思います。
リスクについてもある程度は抑えられたと言えるでしょう。
ただし、最終的に電力をいくらで買い取ってもらえるのか、
という電力会社との交渉はまだ残っています。

各国の建設中・計画中の原発基数を見ると、
中国、ロシア、インドが非常に多くなっているのが分かります。
日本は計画中のものは多くありますが、
建設中のものを含めて今後進んでいく見通しはありません。
計画中の原発基数が多いトルコの案件も、
このままなら中国やロシアに持っていかれるでしょう。
その意味でも、英国の2基の原発を日立が抑えられたのは
貴重なことだと思います。


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※この記事は6月10日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、欧州情報規制やフェイスブックの話題を
中心にお届けいたしました。

日本と欧州連合(EU)は、現地で得た個人データの移転を
相互に認めることで実質合意しました。
日本側が、企業が新たに守るべき指針を7月初旬までに定めることで、
今秋にもデータを円滑に移転する枠組みを作る方針です。

GDPRの施行により、グローバルに事業を展開する企業をはじめ、
EU域内の個人データを扱う可能性がある場合は、
社内ルールの見直しや管理体制の強化など、
影響は大きいものになるとみられています。

このように、自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、
現在または将来にどのような影響を与えるかを
把握・予測することは、事業を成功に導くために不可欠です。

今回の欧州情報規制のように、政治・法律的環境要因は
企業では制御できない前提条件となってきます。

新たな法律が施行された場合は、
市場や自社に対してどのような影響が与えられるかを
事前にシミュレーションしておくことが重要です。

2018年06月08日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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働き方改革/外国人労働者 〜高度プロフェッショナル制度より、労働生産性の改善の方がよほど重要な問題

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働き方改革 働き方改革関連法案が可決
外国人労働者 新たな受け入れ策の原案まとめ

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▼高度プロフェッショナル制度より、労働生産性の改善の方がよほど重要な問題
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安倍政権が今国会の目玉法案と位置づける
働き方改革関連法案が先月31日、衆院本会議で採決されました。
これは、残業規制、同一労働同一賃金、
脱時間給制度が3本柱となっているもので、
4日にも参院で審議入りし、今国会で成立する見通しです。

今国会の目玉という割には、働き方改革関連法案の中身を見ると、
全く大したことがありません。高度プロフェッショナル制度も
私に言わせれば、余計なお世話です。
野党側はこの制度が隠れ蓑になって、
また企業がブラック化するのではないかと指摘していますが、
これも余計なお世話だと感じます。

もし従業員が不当に働かされていると感じたなら、
労働基準監督署に申し出ればいいのです。
それを受けて労働基準監督署が、
従業員の名前などを伏せて会社に対して
匿名で警告することができれば良いでしょう。
現状では、従業員がそのような動きを取れば、
会社における身分を脅かされる可能性があります。
この制度を変えるほうがよほど現実的で重要なことだと思います。

また、裁量労働制が適用されている働き方について、
企画型業務の対象拡大が見送りになったとのことですが、
そもそも「企画型業務」を行政や政治が理解できるとはとても思えません。
重要なポイントは、今後はロボットやAIに置き換えられるような
労働集約型業務が減り、企画型業務が増えていかなくてはならないということです。
どこか論点が間違っているように感じます。

働き方について、最も大きな問題の1つだと私が感じているのは、
フルタイムとパートタイムの賃金水準の違いです。
日本では賃金水準は「フルタイム:パートタイム=2:1」となっていて、
非常に差が大きくなっています。
フランスの場合には「100:90」でほとんど差がありません。

このように賃金水準の格差が大きいために、
日本ではパートタイムをたくさん採用し、
その待遇を低く抑えることに注力されています。
逆に言うと、フルタイムに対する保護が厚すぎると言えるでしょう。
ゆえに、この問題を解決するためには、パートタイムの待遇の改善と同時に、
フルタイムの雇用の保証を撤廃するような手を打つべきでしょう。

また、日本にとってさらに深刻な労働問題になっているのが、
一人当たりの労働生産性が非常に低いということです。
OECDの中でも最下層で、アイルランド、ルクセンブルグ、
米国、ノルウェー、スイスといった上位には遠く及ばず、
20位にも入れず、あのギリシャを下回る水準になっています。

かつて日本はブルーカラー業務の機械化や自動化には見事に成功しました。
しかし一方で、間接業務の自動化やコンピューター化には
大きく出遅れています。いまだに、属人的で標準化されていない業務が多く、
大きなネックになっています。この20年間で、
世界的には間接業務のコンピューター化や自動化が大きく進みましたが、
日本ではそれがなされていません。給料も生産性も上がらず、
いつの間にか日本は労働後進国になってしまったのです。

今国会で議論されている高度プロフェッショナル制度などよりも、
こうした問題の改善の方が極めて重要だと私は思います。



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▼50万人の外国人労働者受け入れでは、付け焼き刃に過ぎず、何も解決しない
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政府が検討している新たな外国人労働者受け入れ策の原案が
先月29日、明らかになりました。
建設・農業などの5分野を対象に日本語と技能試験に合格すれば、
単純労働分野でも最長5年の就労を認めるもので、
人手不足に直面する5分野で2025年ごろまでに
50万人超の就業を想定するとのことです。

2025年までに外国人労働者を50万人受け入れると言っても、
全く足りません。日本の労働人口は「毎年」30〜40万人ずつ減っているからです。
これまでは認められていなかった単純労働分野の外国人労働者を
2025年までに50万人にしようという話ですが、
私の計算では日本という国は外国人労働者が
1000万規模で入ってこなければ成り立たなくなります。

仮に2030年までに1000万人としても、
毎年100万人規模で外国人労働者の受け入れが必要となります。
私はもう何年も前から、「そのための制度を作れ」と主張しています。
そんな特別な制度を作らなくても、単純作業であれば
日本語と少し技能があればなんとかなるというのは、
そもそも問題を認識していないのでしょう。

最近では、中国、ベトナム、ネパール、さらに南米からは
ブラジルやペルーからの外国人労働者が増えているとのことです。
こうした国際的な多様化は今後も進むでしょう。
それに対応できるような制度が必要なのです。

例えば、計画的に2年間の無償教育を施します。
そこでは、単に日本語を教えるだけではなく、
日本人とはなにか、日本人として、
日本の社会に生きる社会人としてどうあるべきか、
ということを教えます。これは日本人に対する成人教育を
明確にするということにもつながります。

そして、きちんと教育を受けて合格をしたら、
グリーンカードを発行します。永住してもらってもいいし、
もちろん正式に就職してもらってもいいでしょう。
現行の技能実習制度のように、せっかく教育をしたのに、
5年間で制限する意味は全くありません。

少子高齢化社会の日本としては、
こうした取り組みは非常に重要になると思います。
日本のターゲットとして、ドイツを参考にすると良いでしょう。
ドイツでは人口の15%程度の外国人労働者を受け入れています。
そう考えても、日本では1000万人規模の外国人労働者を
受け入れる必要があると思います。こうした準備もせずに、
「とりあえず50万人」などと言っているのは、
付け焼き刃に過ぎず、問題の本質を全く理解していないと言えます。


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※この記事は6月3日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、働き方改革の話題を中心にお届けいたしました。

安倍政権が今国会の目玉法案と位置づける
働き方改革関連法案が、衆院本会議で採決されました。

これに対して大前は、働き方改革関連法案の中身を見ると、
今国会で議論されている高度プロフェッショナル制度などよりも、
労働生産性の改善の方がよほど重要な問題と指摘しています。

問題解決を行うにあたっては、課題を定義し、
課題の構造化をした上で、実現可能性と効果のインパクトから
検討の優先順位づけを行う必要があります。

取り組みの効果が最もあがるように、
取り組み資源をどこに配分するか決め、そのために何を優先するか、
また、何に時間を使ってはいけないかを決めた上で、
解決策を立案していくことが重要です。

2018年06月01日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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中朝関係/米中貿易/米通商政策 〜北朝鮮の安い労働力を狙い、やや先走っている中国

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中朝関係 遼寧省丹東で住宅価格上昇
米中貿易 中国製品への追加関税を保留
米通商政策 自動車関税の引き上げ検討

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▼北朝鮮の安い労働力を狙い、やや先走っている中国
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NHKニュースウェブは先月20日、
北朝鮮と国境を接する中国東北部の遼寧省丹東で、
新築住宅の販売価格が上昇していることがわかったと報じました。
中朝が関係を強化し経済協力が進めば、
中朝貿易の拠点である丹東が活性化するとの期待が膨らんでいるものです。
4月の上昇率は中国の主要70都市で最も高くなっているとのことです。

中国と北朝鮮の長い国境の両端の重要性が増しつつあります。
豆満江の端でロシアに接するデルタ地帯は、
ロシアが虎視眈々と狙っています。
日本との関係を含め、平和条約が締結されて、
まともな付き合いができることになれば、
重要度が増してくる地域です。

一方、遼寧省丹東は中国側から見て北朝鮮の入り口に最も近い場所です。
すでに住宅だけでなく会社の事務所なども埋まってきていると聞きます。
中国としては、橋を渡って通勤してもらえれば、
北朝鮮の安い人件費を使いたい放題だと考えているのかもしれません。
こうした動きは、中国のIT企業などにも広がっており、
私としては若干先走っている状況だと思います。


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▼中国との貿易戦争をすっかり忘れ、さらに暴走するトランプ大統領
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ムニューシン米財務長官は先月21日、米中両政府が17、18日の貿易協議で
「追加関税の発動を保留することで合意した」と発表しました。
米国が抱える対中貿易赤字の削減に、
中国が取り組んでいる間は中国製品に高関税を課すことを棚上げするもので、
農作物など中国への輸出を増やす具体案を詰めるため、
6月にはロス米商務長官が中国を訪問するとのことです。

トランプ大統領の記憶力の無さには、驚くばかりです。
あれほど「中国と貿易戦争だ」と叫んでいたのに、
「今回は追加関税をしない」と言い出しました。
全く以て私には理解できません。

同時に、中国ZTEへの制裁緩和も決定したようです。
米国は4月に、米企業がZTEと取引をすることを
7年間禁止すると発表していました。
米国からの部品提供がなければ成り立たないため、
ZTEは5月には主力事業を停止したことを公表。
このままでは倒産するしかない状況で、
中国政府にとっても非常に大きな悩みの種になっていました。

これに対する解決策としてトランプ大統領が
提示したのは、1400億円の罰金の支払いでした。
このような無茶苦茶な「ディール」は、私も見たことがありません。
トランプ大統領のやりようには呆れるばかりですが、
中国政府もZTEも条件をのみました。
ZTEが倒産して大きな問題に発展するよりはマシということでしょう。

ムニューシン米財務長官もロス商務長官も、
強い態度でトランプ大統領を諌めるわけでもありません。
二人とも十分すぎるほど資産も持っていますし、
一線を退いた老後のような意識なのかもしれません。


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▼日本の自動車メーカーの米国への貢献を誰も主張できない日本の情けなさ
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側近たちも歯止めにならないトランプ大統領の暴走は、
さらに日本にも飛び火してきそうです。
トランプ米政権が安全保障を理由に自動車の関税引き上げを
検討していると複数の米メディアが報じました。
現在2.5%を課す乗用車の関税を最大25%に上げる案を
視野に入れているということで、これが実行されれば、
自動車輸出で成長してきた日本に大きな打撃となりそうです。

基本的にトランプ大統領は、
自動車業界の現状について全く理解していません。
例えば中国市場について言えば、
確かに一番売れているのはフォルクス・ワーゲンです。
しかし、2番目に売れているのはGMです。
フォードはそれほど売れていませんが、
それでもトップ10には入っています。
中国市場において、米国の自動車メーカーが
もてはやされているのは間違いありません。

一方、日本に対しては「安全保障上の理由」で
自動車に課される関税を引き上げる可能性があるとのこと。
ミサイルなどの兵器でもない自動車が、
なぜ「国家の安全保障上=ナショナル・セキュリティ」
の理由になるのか、もはや意味不明です。

そもそも米国において、GMもフォードも自動車メーカーは
すでに国家戦略の中枢ではありません。
このことすらトランプ大統領は認識できていないのでしょう。
米国で販売される新車メーカーの内訳を見ると、
米ビッグ3で44.5%、日経メーカーで39.1%となっていて、
ほぼ同じ水準になっています。

この30年間、日本の自動車メーカーは
米国にいじめられながらも生産拠点を米国に移してきました。
今、日本の自動車メーカーは米国内で400万台生産しています。
エンジンの生産台数は470万台です。さらに、工場は24箇所あり、
研究開発・デザイン拠点は43箇所にのぼります。

労働者数を見ても、直接工場で働いている人数が9万人。
ディーラーなどを含めた数では150万人に達します。
そして米国への累計投資額は456億ドルで
5兆円を超える規模になっています。

これだけ米国内での生産や雇用に貢献しているのに、
それでも不満というのでしょうか。
米国で販売される日本メーカーの車の75%は米国製で、
日本製の輸入車は25%に過ぎません。
おまけに、米国製の日本車は41万台輸出されています。
この中には日本に逆輸入されるものもありますが、
それを差し引いても米国の貿易に貢献していると言えます。

先ほども述べましたが、日本の自動車メーカーは
米国のビッグ3とほぼ同額まで米国内で自動車を生産しています。
この30年間で米国内の生産を伸ばしてきたのは日本勢です。
米ビッグ3ではありません。

日本の自動車メーカーは、日本国内での生産を犠牲にして
米国での生産を伸ばしてきました。その一方で、
先日フォードは「マスタング」「フォーカスアクティブ」
の2車種を除いた乗用車の北米販売を今後数年間で
取りやめることを明らかにしています。
私に言わせれば、トランプ大統領はこの情けない
自国の自動車メーカーの尻を叩くべきです。

この一例を見ても分かる通り、問題は
「ナショナル・セキュリティ」ではありません。
この様な事実を認識できていないトランプ大統領には呆れますが、
日本の経産省あるいは安倍首相が、トランプ大統領に対して
とことん説明する必要があります。

30年間、日本の自動車メーカーは米国にいじめられながらも、
対米進出を成し遂げてた事実を徹底的に周知することが重要です。


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※この記事は5月27日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、世界情勢の話題を中心にお届けいたしました。

北朝鮮に最も近い中国の町、丹東市では、
最近の南北首脳会談や北朝鮮の非核化をめぐる動きから、
新築住宅の販売価格が上昇しています。

こうした動きは、すでに住宅だけでなく
会社の事務所なども埋まってきているとされている一方、
若干先走っている状況だと大前は指摘しています。

自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、
現在または将来にどのような影響を与えるかを
把握・予測することは、事業を成功に導くために不可欠です。

政治・法律的環境要因は
企業では制御できない前提条件となってきます。

新たな政治的な動きや法律が施行された場合は、
市場や自社に対してどのような影響が与えられるかを
事前にシミュレーションしておくことが重要です。

2018年05月18日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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武田薬品工業/リクルートHD/富士フイルムHD/米携帯電話大手〜武田薬品の未来は日本企業ではなくなる

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武田薬品工業 シャイアー買収で合意
リクルートHD 米グラスドアを買収
富士フイルムHD 米ゼロックス買収手続きに一時停止命令
米携帯電話大手 2019年に合併で合意

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▼武田薬品の未来は日本企業ではなくなる
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武田薬品工業は8日、アイルランド製薬大手シャイアーの買収で合意したと発表しました。
買収額は約460億ポンド(約6兆8000億円)で
日本企業による海外企業の買収では過去最大となります。

端的に言うと、これで武田薬品は今後日本人の経営者が主導する可能性は低く、
日本の企業ではなくなっていくことになると思います。
クリストフ・ウェバーCEOを選んだ時から、
このような道が決まっていたとも言えます。
ウェバー氏にしてみれば、依頼どおりにCEOも務めたし、
世界トップ10に入ったという自負があるでしょう。
もしクビになるなら、どうぞご自由にという心境だと思います。

シャイアーの買収にあたって厄介なのは、
企業の内部・中身が一体化していないことです。
シャイアーは、特殊な薬を開発していた小さい企業をいくつも買収を重ね、
最終的に税金の安いアイルランドへおさまっているという企業です。
武田薬品はまとまりがある良い企業ですが、
この買収により変質してしまうでしょう。そう考えると、
よほど天才的な経営手腕を発揮する日本人が現れない限り、
武田薬品を経営することは難しいと思います。
ルノー・日産連合と同様です。

武田薬品とシャイアーが合併すると、
売上高は約3.3兆円で製薬会社としては
世界で6位〜7位の巨大企業になります。
その規模の企業を牽引するという意味でも、
日本人経営者が誕生するのは難しいと感じます。

武田薬品の株価は下落傾向が見られます。
シャイアーは良い薬を保有していますが、
主なマーケットは米国なので、
日本のマーケットにおいての好材料とはなっていないのだと思います。


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▼リクルートであっても多国籍企業への適応は難しい
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リクルートホールディングスは9日、
米国のオンライン求人サービス大手グラスドアを
約12億ドル(1285億円)で完全子会社化すると発表しました。
グラスドアは現役社員や元社員の口コミを集め、
それをもとに求人企業とマッチングするサービスを展開しているということで、
2012年に買収したインディードとシナジー効果を発揮できるとしています。

CMでも話題のインディードをすでに買収しているリクルートですが、
資金は十分に持っているので、今後も世界一になるまで
拡大を目指していくことでしょう。
まだ世界トップのスイスのアデコに比べれば小さいですが、
それでもようやく6合目レベルに到達したと言えます。

今後は、より「人」の問題が顕在化してきます。
リクルートと言っても、アデコのような多国籍企業を
経営する体質は持っていません。
この問題をどのように解決していくのか。
経営は難しい局面を迎えます。
日本企業の多くが海外の企業を買収したあと、
この手の問題に躓いてしまいます。
リクルートは日本企業の中では柔軟な体質を持っていると思いますが、
それでもやはり難しい領域の問題だと私は思います。


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▼富士フイルムは撤退も考慮すべき
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富士フイルムホールディングスが
米事務機器大手ゼロックスを買収する計画について、
米ニューヨーク州上級裁判所は、先月27日、
ゼロックスに対して手続きの一時停止を命じました。
「ゼロックスの価値を過小評価している」とする大株主の評価を認めたもので、
これに対して富士フイルムは上訴する姿勢を示しましたが、
今後買収案の変更などを迫られる可能性もあります。

この動きは、カール・アイカーン氏が反対して
値段を釣り上げているだけでしょう。富士フイルムとしては、
釣り上がった高値で買収する結果にならないように
注意してもらいたいところです。

富士フイルムの古森会長の威信に傷がつくかも知れませんが、
無理に高値掴みをする結果を招くなら、
手を引くというのも選択肢の1つだと思います。
無理に意地をはるべきではないでしょう。


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▼孫正義社長はスプリントの経営再建に失敗した
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ソフトバンクグループ傘下で米携帯電話4位のスプリントと
3位のTモバイルUSが2019年を目処に合併することで合意したと発表しました。
合併に伴いソフトバンクは議決権を間接的に公使できる権利を
ドイツテレコムに付与する方針です。

ソフトバンクの孫正義社長は、
スプリントの経営再建に失敗したと言われています。
Tモバイルが契約者数を伸ばしているものの、
スプリントとTモバイルが合併しても、
上位2社であるベライゾンとAT&Tに追いつくことはできません。
つまり、3位と4位が合併しても3位のまま、という状況です。

孫正義社長としては、スプリントが原因となって
ソフトバンク自体の評価が伸び悩む事態を避けたいと考えた結果、
ドイツテレコムという選択肢が出てきたのだと思います。
もちろん、5G関連投資を一緒に進めるという必要性もあるでしょうが、
それが一番の理由ではないと私は見ています。

もっと別の奇策を狙っているとする記事もありますが、
もしそんなことが可能ならば、
スプリントがTモバイルの後塵を拝する結果になっていること自体が
あり得ないと私は思います。実際にスプリントの客数は減り、
安売りしているという事実もあります。

そのような状況で、スプリントのマルセロ・クラウレ氏を
ソフトバンク本体のCOOに選任しました。
私としては、ニケシュ・アローラ氏の失敗を思い出してしまいます。
今度こそ本当に大丈夫なのか?
不安を拭い去ることができない心境です。


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※この記事は5月13日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、注目企業を中心にお届けいたしました。

武田薬品工業はシャイアーの買収で合意し、
買収額は約460億ポンド(約6兆8000億円)で
日本企業による海外企業の買収では過去最大となります。

これに対して大前は、シャイアーの買収にあたって厄介なのは、
企業の内部・中身が一体化していないことであり、
よほど天才的な経営手腕を発揮する日本人が現れない限り、
武田薬品を経営することは難しいと指摘しています。

M&Aの成功の条件は、買収直後から経営力を発揮し、
経営資源を統合させるプロセス(PMI)を徹底し、
スピーディーに統合を完了させることです。

買収に成功したら終わりというものではなく、
早期にシナジー効果を実現するために、
経営トップの強いリーダーシップによって
迅速な統合を進めていくことが必要となります。

2018年05月11日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米フェイスブック/米クアルコム/米インテル〜自動運転ソリューションに向けて、自己責任問題について政府は真剣に考えるべき

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米フェイスブック 社員年収約2600万円
米クアルコム オランダNXP買収承認に慎重姿勢
米インテル 他社にない自動運転ソリューションを提供

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▼フェイスブックは、インスタグラムを伸ばすべき
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米フェイスブックが従業員らに支払った報酬の中央値が
2017年に24万ドル(約2600万円)だったことが分かりました。
米ツイッター(同16万ドル強)の1.5倍、
ソニーの3倍にあたるということで、
世界的にビッグデータ解析などの
専門人材の争奪戦が激しさを増す中、
各社の危機感が強まってきています。

個人情報の流出問題に揺れ、
株価も下落したフェイスブックですが、
それでも20億人を超えるアクティブユーザーを抱え、
利益は積み増しており、財務諸表は強い状況です。

フェイスブックがこれまでに買収した会社は数多くありますが、
その中で注目したいのがインスタグラムです。
利用するSNSの年代別の違いを見ると、
フェイスブックは65歳以上でも40パーセントが利用しています。
一方でインスタグラムは、65歳以上の人が利用する割合は小さく、
若者利用の傾向が明らかにフェイスブックより強くなっています。

今後フェイスブックが評判を落としていく可能性があるので、
若者層からの指示が強いインスタグラムを伸ばすのは
面白い選択になると思います。
しかも、インスタグラムであれば、
個人情報についての不安もより軽微でしょう。
フェイスブックが今抱えている厄介な問題を解決し、
その悪いイメージを払拭していくという意味でも
インスタグラムの活用は効果があると思います。

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▼NXP買収を中国政府が承認しないのは、米国政府への嫌がらせ
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米半導体大手クアルコムによる
オランダの車載半導体大手NXPセミコンダクターズの買収を巡り、
独占禁止法の審査を進める中国商務省は先月19日
「業界に深遠な影響を与え、競争に不利となるかもしれない」
と承認に慎重な姿勢を示しました。

メーカーの売上高を見ると、サムスン電子、インテル、
SKハイニックス、マイクロン・テクノロジー、クアルコム、
と続きます。そして、東芝とウエスタンデジタルが続き、
その下に位置しているのがNXPです。

NXPの規模は小さく、クアルコムがNXPを買収するといっても、
半導体業界の勢力図を大きく塗り替えるほど
影響力があるものではありません。
それにも関わらず、中国政府が買収を承認しないのは、
なぜなのか?

一言で言えば、これまで米国政府によって受けた
「嫌がらせ」のお返しといったところでしょう。
ZTEが部品調達などにおいて米企業との取引を
禁止されたこともありましたし、
シンガポールのブロードコムによるクアルコムの買収も、
米国政府によって承認がおりませんでした。

今後半導体業界では5Gの戦いが始まります。
その際には、中国のファーウェイとクアルコムが
競合するのは必至です。
クアルコムがNXPを買収することで、少しでも欧米系企業が強くなってしまうのを
中国政府としては防ぎたいと考えもあるでしょう。
中国政府の衣の下から鎧が見えているといった状態です。

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▼自動運転ソリューションに向けて、自己責任問題について政府は真剣に考えるべき
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米インテルの日本法人は先月17日、
「イスラエルの画像認識用半導体メーカー、
モービルアイとインテルの製品を組み合わせ、
他社にない自動運転ソリューションを提供する」
方針を示しました。
モービルアイはインテルが17年に買収した
画像処理半導体メーカーで、
次世代自動車向け半導体の覇権を巡り、
画像処理に強い米エヌビディアに対抗する考えです。

モービルアイとエヌビディア、
この2社が今後の画像認識の技術を提供する
という大きな流れになっています。各自動車メーカーも、
画像認識の分野においてはどちらの陣営に着くのかを
決めていくことになるでしょう。

今後の展開を考えたときに、
1つ大きな問題だと私が感じているのが
「事故が起こった際の責任」を誰がとるのか、ということです。
すなわち、自動運転という機械の判断によって
事故が発生したとき、
その事故の原因をどこに求めるのかということです。

機械を許可した政府なのか、
あるいはその機械の承認を求めたメーカーなのか、
あるいは機械を利用した配車アプリの会社なのか。
現時点においては、誰が責任を負うべきなのか
決着はついていません。
モービルアイにせよ、エヌビディアにせよ、
最終的な責任を誰が負うのか決まっていない中で、
激しい開発競争を行っています。

なぜなら、責任問題の決着を待っている暇などなく、
どんどん技術を前進させていかないと、
自動運転ソリューションで遅れをとることになり、
それは次の自動車市場全体の戦いにおける敗北を
意味するからです。

「機械の判断に対して誰が責任をとるべきなのか」
という問題については、
政府がもう少し真面目に取り組むべきものだと私は思います。



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※この記事は5月6日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、世界の注目企業を中心にお届けいたしました。

自動運転ソリューションに向けて、モービルアイとエヌビディアの2社が
今後の画像認識の技術を提供するという大きな流れになっています。

「機械の判断に対して誰が責任をとるべきなのか」という問題について
事故の原因をどこに求めるのかが決まっていない中で、
激しい開発競争が行われています。

しかし、どんどん技術を前進させていかないと、
自動運転ソリューションで遅れをとることになり、
それは次の自動車市場全体の戦いにおける敗北を意味すると
大前は記事中で指摘しています。

自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、
現在または将来にどのような影響を与えるかを
把握・予測することは、事業を成功に導くために不可欠です。

市場や自社に対してどのような影響が与えられるかを
事前にシミュレーションしておくことが重要です。

2018年05月04日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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朝鮮半島情勢〜南北の平和協定は、日本にとって大きな負担になる可能性が大きい

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朝鮮半島情勢南北首脳が11年ぶり対面

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▼南北の平和協定は、日本にとって大きな負担になる可能性が大きい
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韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長は、
先月27日南北の首脳としては11年ぶりに対面し、
金正恩氏は北朝鮮の最高指導者として初めて
板門店の軍事境界線を超えて韓国に入りました。
その後、両首脳は平和の家で約1時間40分
首脳会談を行ったほか記念食事や野外散策などで
さらに対話を重ね、夜には朝鮮半島の平和と繁栄に向けた
「板門店宣言」に署名しました。

私も「板門店宣言」を読みましたが、
かなり問題が多いと感じました。宣言の内容は、
終戦協定から平和協定という流れを、
中国と米国にも協力してもらいながら南北間で
実現していこうというものです。
今年中に平和協定まで実現させたいということですが、
何をもって平和協定の中身にするのか、
その具体的な内容や方法などについて言及されていません。

例えば、「非核化」は北朝鮮のみの非核化なのか、
それとも韓国も含めて朝鮮半島全体の非核化なのか。
このあたりは米国も懸念しているところでしょう。
今回の宣言で、文在寅大統領が署名したのは
韓国も含めて朝鮮半島全体の非核化です。
そうなると、米軍は韓国からの撤退を余儀なくされます。
仮に米軍が韓国に駐留するとしても、
核の保有は認められないでしょう。

この展開になったときには、日本にとっては
非常に大きな問題が生じます。すなわち、
中国、北朝鮮、ロシアに対する防衛の最前線が
日本になるということです。具体的には、
日本の佐世保と沖縄が核を保有する最前線基地になるでしょう。
これは日本にとっては非常に負担が大きいと思います。

米朝対談に臨むトランプ大統領の言動を見ていると、
「これまでの大統領にできなかったことをやりたい」
という功を焦る姿勢が伺えます。そうなると、
「自分は朝鮮半島の終戦宣言を平和宣言に書き換えた功労者」
になるため、韓国からの米軍撤退を受け入れてしまう可能性があります。
また米軍にとっては、
北朝鮮の短距離ミサイル1000発の射程圏にある
韓国にいることは非常にリスクが高く、
その意味でも韓国から引き上げることを
歓迎する気持ちもあるでしょう。


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▼今の流れのままだと、竹島問題も拉致問題も何1つ解決しない
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南北が平和協定を締結すれば韓国も北朝鮮の脅威から開放され、
北朝鮮のICBMの発射中止により米国も一安心でしょう。
しかし、いまだに北朝鮮には短距離、中距離ミサイル、さらには
ミサイル以外の大量の破壊兵器・化学兵器が残っています。
これらのターゲットになるのは日本だけになってしまいます。
日本としては、日本だけが丸裸にされているような
状況になるのを、指をくわえて見ているわけには
いかないと思います。

このような状況の中、
北朝鮮や韓国との交渉をどのように進めていくのか、
安倍首相にとっては大きな課題でしょう。
安倍首相は北朝鮮との拉致問題の解決に力を入れたいようですが、
北朝鮮側はスパイ容疑で逮捕した3人の米国人の開放や、
日本や韓国の離散家族の交流については明言する一方で、
日本と韓国の拉致問題については何一つ言及していません。
おそらく、拉致された人を探し出すのは現実的に難しく、
交渉材料に含めたくないのでしょう。
トランプ大統領としては、3人の米国人が解放されるだけで
十分な成果といえるでしょうから、
安倍首相が協力を要請しても日本の拉致問題の解決にまで
踏み込んでこない可能性が高いと思います。

韓国との関係においても、南北首脳会談の夕食会に
竹島を描いたデザートの飾り付けが出されたことに対して
日本政府は韓国に抗議しましたが、
そもそも会談が行われた部屋の置物に
竹島が描かれていることのほうを問題視するべきだと思います。

竹島問題について言えば、サンフランシスコ条約で
日本の領土として認定されているものです。
ところが、サンフランシスコ条約の発令直前に韓国が、
いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して
一方的に制定しました。
根本的な問題は、当時の鳩山一郎首相が抗議のために
海上保安庁を派遣したものの、
そのまま追い返されてしまったということです。
本質的に領土というものは、戦ってでも確保する必要があります。

韓国と北朝鮮がこのまま平和協定の制定へと動くとすれば、
竹島問題にせよ、拉致問題にせよ、日本は蚊帳の外に追いやられて、
何を言っても聞いてもらえない可能性が非常に高くなります。
それを踏まえて、安倍首相としては朝鮮半島や米国に対して
どのような外交交渉を行っていくのか、
重要な局面を迎えていると思います。



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※この記事は4月29日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、朝鮮半島情勢を中心にお届けいたしました。

11年ぶりの南北首脳会談が実現し、
韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が
共同宣言を発表しました。

朝鮮半島を中心とした東アジア情勢に大きな変化をもたらすとともに、
日本の外交・安全保障政策にも影響を及ぼすのは確実と見られています。

朝鮮半島の今後のシナリオについて記事中で言及していますが、
現在世界中で起こっていることや、今後起こりそうなことに注意を払い、
重要な変化を迅速に認識し、変化に適応することが大切です。

事前に複数のシナリオを想定し、
どの状況にも耐えうるようにすることで、
想定外の出来事でも慌てずに意思決定をすることができます。

2018年04月27日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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北朝鮮情勢/日米貿易〜トランプ大統領は、「TPPが何か」を本当のところは何も理解していない

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北朝鮮情勢 核、ICBMの実験中止を表明
日米貿易 「2国間貿易協定の方が望ましい」〜米トランプ大統領〜

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▼北朝鮮のICBMの実験中止は、まともに信じるべきではない
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北朝鮮の金正恩委員長は20日、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を
中止する方針を表明しました。「核武器の兵器化完結が検証された状況で、
北部核実験場もその使命を終えた」と述べたもので、
以降は強力な社会主義経済の建設と周辺国との緊密な連携と対話を
積極化する方針を示したとのことです。

この金正恩委員長の発言は信じないほうがいいと思います。
現在の北朝鮮の状況は、ICBMの開発が最終段階まで来ているものの、
最後に米国まで届くかどうかの瀬戸際で、そこに核を搭載して
米国本土で爆破できるかどうかという点についても、
最後の最後で苦戦しているのだと思います。

最後まで開発をしようとしていたのに完成しなかったとなっては立つ瀬がないので、
自ら「中止」したとすることで交渉材料の1つにできると考えたのでしょう。

この発言通りの方針であれば、ICBM以外の中距離、短距離ミサイルの開発も
やめるのが当然ですが、その点については一切触れていません。
また核放棄についても明言していません。

このような北朝鮮の背景を理解せず、トランプ大統領は脳天気に
「大きな進展で今後が楽しみだ」などと発言しています。
こんな北朝鮮の交渉術に引っかかってしまったら、不幸以外の何物でもありません。

これまでにも、北朝鮮との非核化交渉には失敗の歴史があります。
1994年からの米朝対話も、2003年からの6カ国協議も全て北朝鮮は反故にしてきました。
誰かがトランプ大統領にこの歴史を解説してあげるべきだと思います。

北朝鮮が恐れているのは、リビアのように米国主導で核放棄を強制されることです。
最低でも体制の保証を得たいと思っているでしょう。今回の金正恩委員長の発言の意図、
本当に意味するところを理解せず、トランプ大統領が信じてしまうのは、情けない限りです。
あまつさえ「この条件を引っ張り出したのは自分の功績」だと勘違いして、
秋の中間選挙に向けて好材料だと安く飛びつくのは、やめてもらいたいところです。


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▼トランプ大統領は、「TPPが何か」を本当のところは何も理解していない
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トランプ米大統領は18日、安倍首相との一連の会談後の共同記者会見で
「米国にとって2国間の貿易協定の方が望ましい」と述べ、
日米自由貿易協定(FTA)を含む交渉に意欲を示しました。
一方、安倍首相は「わが国はTPPが日米両国にとって最善と考えている」と強調。
自由貿易に関する認識の開きが浮き彫りになりました。

もともとトランプ大統領は選挙キャンペーン期間中からTPPを離脱すると公言し、
実際にTPP離脱のサインをしました。今になって、条件がよければ
TPPに復帰しても良いなどと発言していますが、正直に言ってトランプ大統領は
「TPPが何か」を本当のところは何も理解していないと思います。

例えば、TPPに関して「良い条件」「悪い条件」の具体的な内容について話してほしいと言っても
まともな回答は得られないでしょう。「今、なぜTPPがダメなのか?」と聞いても同様でしょう。
何も勉強せずに平気であれこれと発言してしまうのが、トランプ大統領の特徴です。

日本と米国との間に巨大な貿易赤字があり、これを是正することが重要だと、
トランプ大統領はしきりに訴えています。そして2国間協定(FTA)に追い込もうとしています。
FTAに関しては、過去の日米貿易戦争の頃に何度も検討したことがありますが、
米国は理不尽に業界の利益丸出しで交渉してくるため、非常にやりにくいところです。

そもそも、日本は過去30年間にわたって貿易赤字の解消のために米国と交渉を続けてきて、
自動車関連業界を中心に製造業の拠点の多くを米国に移しました。
その結果、米国で多くの雇用を創出しています。こうした貢献を全く知らずに、
貿易赤字を解消しろの一点張りで騒ぎ立てているのがトランプ大統領です。

30年前の無知な状況を繰り返しているだけで、勉強する気すらないのでしょう。
状況や相手のことを理解しようとはせず、とりあえず威圧的な態度を取って
相手から1つでも2つでも有利な条件を引き出そうという、
いわゆる「ディール」しかできない人物なのだと思います。

今米国は中国に対して、鉄鋼やアルミなどに関税をかけるなど貿易戦争を仕掛けていますが、
これは当然のことながら、中国に対してだけでなく、
オーストラリア、ブラジル、日本、シンガポールなど他国にも大きな影響を与えます。
それ故一筋縄ではいきません。

だからこそ、TPPで多国間協議をすることには大きな意味がありました。
そして、言い出したのはそもそも米国です。こうした歴史的な背景や意義を全く理解もせず、
勉強もせずに、言いたいことを言っているだけの人物など、私に言わせれば、
まともな話をするのは無駄だと思います。



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※この記事は4月22日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、世界情勢の話題を中心にお届けいたしました。

日米自由貿易協定(FTA)を含む交渉に意欲を示したトランプ大統領。
日本との自由貿易に関する認識の開きが浮き彫りになりました。

これに対して大前は、トランプ大統領は「TPPが何か」を
本当のところは何も理解していないと指摘しています。

今になって、「条件さえ良ければ」TPPへ加盟の可能性も
示唆しているトランプ大統領ですが、
意思決定を行うにあたっては、正しく問題を認識し、
問題を解決するための具体的な行動案を設計し、
その効果や影響、費やされるコストを評価し選択する必要があります。

このように、影響の連鎖の探求やリスク許容限界の設定などを
行ったうえで、意思決定を行うことが重要です。

2018年04月20日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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RIAZAPグループ/日野自動車/ファーストリテイリング/武田薬品工業 〜RIZAPと武田薬品が仕掛けるそれぞれの買収の問題点

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RIAZAPグループ 湘南ベルマーレの経営権取得
日野自動車 商用分野で提携交渉
ファーストリテイリング 売上高1兆1867億円
武田薬品工業 「5兆円買収」でお粗末な市場対応

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▼RIZAPと武田薬品が仕掛けるそれぞれの買収の問題点
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フィットネスジム運営のRIZAPグループは6日、
Jリーグの湘南ベルマーレの経営権を取得すると発表しました。
現在の筆頭株主である三栄建築設計と合弁会社を設立し、
ベルマーレが実施する約1億円の第三者割当増資を引き受けるとのことです。

今回の買収は金額がそれほど高くないので
目くじらを立てるほどのものでもないかもしれませんが、
お金が有り余っているという理由で買収をするのは
経営者として「緩い」と私は思います。
お金があると色々な人が近づいてきます。
大切なのは買収をした後の経営力があるかどうかです。

RIZAPの過去を振り返ると、これまでに成功した事業はほぼ1つだけで、
その他の事業はほとんど失敗しています。
経営で重要なのはKFSであり、そこに集中するべきです。
RIZAPはまだ無駄遣いをできるような時期ではないと思います。

成功したRIZAPのダイエット・減量事業にしても、
その成功ノウハウはインストラクターの教え方に依存する部分が大きいと私は感じます。
優秀なインストラクターであれば将来独立する危険性も高いですし、
その他の面も含めまだまだ企業として土台を安定させなければいけないでしょう。
むやみにあれこれと買収をしている暇はありません。

ビジネス・インサイダーは13日、
『「5兆円買収」でお粗末な市場対応』と題する記事を掲載しました。
アイルランドの製薬大手シャイアーの買収を検討していると報じられ、
武田薬品工業の株価が急落しました。
買収額が約5兆3000億円にのぼることを嫌気したもの。
これを受けて行われたウェバー社長の説明も、
資金調達の方法に触れないなど不十分なもので
市場の疑念はさらに深まったとしています。

長谷川会長も退任し、ウェバー社長のタガが外れても
抑えることができる人がいないのだと思います。
ウェバー社長は目付け役がいなくなり、シャイアーを買収したら、
すべてが上手くいくという夢物語を見ているように私は感じます。

5兆円の会社を買収して、その後の勝算はどのように描いているのか。
武田薬品は2008年にミレニアム、2011年にはナイコメッドを買収し、
相当な資金を使いました。今ようやく落ち着きを取り戻してきたタイミングで、
5兆円の買収をする意義があるのか。不安視されても致し方ない状況だと思います。

純損益は回復したとはいえ、一昔前に比べると大したレベルではありません。
そして何より問題なのは財務状況です。かつては2兆円ほどあった現金も、
ナイコメッドとミレニアムの買収などもあり、今は2000億円ほどしかありません。

そんな状況にも関わらず、武田薬品は時価総額に対して
3〜5%という高配当をしており、
最近になって社債と借入が大きく増えているのも頷けます。

武田薬品の時価総額は株価が下落し、
約3.9兆円に落ち込んでいます。このような財務状況にあって、
自社よりも高い時価総額のシャイアーを買収することになります。
果たして資金調達はどうするつもりなのか?
ここが一番大きな問題だと思います。



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▼VWと日野という意外な組み合わせに期待/ユニクロの現状は柳井社長の思惑通り
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日野自動車は12日、独フォルクスワーゲンの子会社と
トラックやバスなど商用車の分野で提携交渉に入ると発表しました。
電動化や自動運転技術の開発、物流など幅広い分野で協業する方針です。
これについて日野自動車の下社長は、
「商用車の先進技術は乗用車の延長線だけでは対応できない」と述べ、
親会社トヨタとの連携だけでは生き残れないと強調しました。

フォルクスワーゲンもディーゼルの排ガス問題を乗り越えて上向いていたので、
この提携は少々意外でしたが、絶妙です。
世界的に見るとトラックやバスといった商用分野には、
スウェーデンのスカニア、ドイツのマンといった強豪がいます。
この欧州勢に食い込んでいくためには、
フォルクスワーゲンが日野自自動車と手を組むのは相性がいいと思います。

欧州では人手が不足しているので、
トラックやバスを連結するという需要が高くなっています。
日野自動車は技術力が高く、こうした需要に対応しやすくなるでしょう。
最終的には、自動運転で2台のトラックやバスを
連携するレベルまで目指していると思いますが、
大掛かりな実験は日本ではなかなか難しいので、
欧州に進出することは日野自動車にとってもメリットは大きいでしょう。

トラックの世界販売シェアを見ると、ダイムラーを筆頭に、
中国の第一汽車、東風汽車など、さらにはインドのタタと続いていて、
フォルクスワーゲンと日野自動車は10位前後に位置しています。
三菱ふそうも取り込み、圧倒的なシェアを誇っているダイムラーに対抗するためには、
フォルクスワーゲンと日野自動車が抜本的な技術提携をして
力を合わせる時期なのかも知れません。
ダイムラーへの対抗馬という意味では、
意外な組み合わせで面白いことになることを期待したいところです。

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが
12日発表した2018年2月中間連結決算は、
売上高が前年同期比16.6%増の1兆1867億円、
営業利益が30.5%増の1704億円で、中間決算として過去最高。
アジアなど海外事業の伸びが大きく、
中間決算では初めて海外売上高が国内売上高を上回りました。

柳井社長は、売上が1兆円突破したときに5兆円まで目指すと発言していました。
今順調に売上は2兆円をクリアし、利益も出しています。
そして、海外事業が国内事業を上回るというのも、
柳井社長の発言通りの結果になっています。
ユニクロの店舗数推移を見ると、海外が激増していることがわかります。
海外にも非常に大きな店舗も作っていますし、営業利益も十分です。
柳井社長が目指す目標に向かって、努力してきた賜物といえるでしょう。



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※この記事は4月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、注目企業の話題を中心にお届けいたしました。

Jリーグの湘南ベルマーレの経営権を取得すると発表したRIZAPグループ。

これに対して大前は、まだ無駄遣いをするような時期ではなく、
経営で重要なKFSに集中すべきだと指摘しています。

KFSは、競争環境において他社との優位性を築くのに、
最も重要な要素となります。

経営には、必ず1つか2つの成功の鍵があり、事業というのは、
良いことを全部をやっていては駄目になります。

本当にこれだと思ったことを徹底して実行することで、
事業の成功に近づくことができます。

2018年04月13日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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自動運転規制/米テスラ/ライドシェア/ドイツ自動車大手 〜ライドシェアの未来像と日本メーカーにとっての危機とは?

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自動運転規制 自動運転事故は車の所有者に賠償責任
米テスラ 「モデルS」のリコール開始
ライドシェア 大手米ウーバーのアジア事業を買収
ドイツ自動車大手 移動サービス事業を統合

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▼ライドシェアの未来像と日本メーカーにとっての危機とは?
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東南アジア配車サービス最大手のグラブは先月26日、
米最大手ウーバーテクノロジーズの東南アジア事業を買収すると発表しました。
ライバルを買収し、東南アジア市場で圧倒的なシェアを確保する考えですが、
これについてフィリピン競争委員会は競争法に関する審査を終えるまで
フィリピン国内の事業統合を延期するよう命令を出したとのことです。

グラブは非常に大きな会社へと成長しつつあります。
実はこの買収の背景にはソフトバンクの差し金もあったのでは?
と言われています。ソフトバンクは、グラブにもウーバーにも投資をしています。
ウーバーは、中国市場を滴滴出行に売却する形で撤退しましたが、
フィリピンでも同じような形をとるつもりなのでしょう。

結果として、東南アジアはグラブ1社、
中国は滴滴出行1社が独占する形になります。
フィリピンでは選択肢が少なくなるということで、
今回の件がいわゆる独禁法に抵触するのではないかと指摘を受けています。

ライドシェアの会社は、今後車が自動運転になることで
さらに重要度が増していくと思います。
自動車メーカーは直接顧客とつながっていませんが、
ライドシェアの会社は顧客と直接つながります。
その点で、自動車メーカーよりも強さを発揮してくる可能性が高いでしょう。

独ダイムラーと独BMWは先月28日、ライドシェアなどの
移動サービス事業を統合すると発表しました。
ダイムラー子会社のカー2ゴーとBMW傘下のドライブナウを
軸に幅広いサービスで統合するもので、
BMWのハラルト・クリューガー社長は
「統合は新しい競合への強いメッセージだ」と語りました。

バンクーバーなどで私が見かけた光景から言えば、
カー2ゴーの影響は相当大きいと感じます。
約3000台のメルセデスがばらまかれていて、
消費者はスマホで予約して好きなときに乗ることができ、
自分で車を所有する必要はありません。
それでも都合がつかない場合には、
ウーバーを利用すれば事足りてしまいます。

ダイムラーとBMWが競合するのではなく、
統合するという選択肢をとったのは、
日本の自動車メーカーにとっては大きな脅威だと思います。
こうした移動サービスがさらに普及すると、
あえてトヨタや日産の車を選ぶ人は少なくなる可能性が高いからです。

ちょっとした距離を乗るだけであっても、もし選べるのであれば、
「ベンツSクラス」に乗りたいという人は多いでしょう。
逆に、安さを追求するのであれば、小さい車を選択すればいいだけです。
日本車は、高すぎず安すぎず、という中間層に位置しているので、
選ばれなくなる可能性が懸念されます。
日本のメーカーはこの脅威を感じて、準備をしておくべきだと思います。

外国勢に目を向けると、ディーゼルの燃費不正問題で
大炎上したフォルクスワーゲンが、生き残るのではないかと、
ビジネスウィーク誌で特集されていました。
一時期は倒産するかもしれないと言われていましたが、
一気にEVへ舵を切って将来像を示した戦略が功を奏した形です。

また、不正問題発覚で株価は下落しましたが、
中国市場で販売が好調だったおかげで
世界的に見ると売上はそれほど減少しませんでした。
中国では良くも悪くも、この程度の不正は
大きく問題視されなかったということでしょう。
逆に米国では不正について大騒ぎになりましたが、
もともと販売が不調だったので売上に対する影響は少なかった
という何とも皮肉な結果になりました。


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▼自動運転の賠償責任は、将来的に車種の売れ行きを大きく左右する
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政府は先月30日、自動運転中の車の事故について、
原則として車の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めました。
これは運転手が乗った状態で限られた条件で運転を自動化する
「レベル3」までが主な対象で、メーカーの責任は車のシステムに
明確な欠陥がある場合のみとする方針です。

これは、もしかしたら大変な事態を招いてしまうかも知れません。
この場合、もし自動運転が可能な車種について
事故率のデータやレポートが発表されたら、
特定の車種に注文が殺到する可能性があります。

車の所有者として賠償責任を負わされるとしたら、
事故が少ない車種を購入したいと思うのは自然な流れでしょう。
もしそうなれば、統計的なデータや消費者レポートのようなものが
車のシェアに多大な影響を及ぼすことになるでしょう。

私としてはレベル3の自動運転くらいまでは、
このような規制については発表せず、
もう少し見守る姿勢を取った方が
良かったのではないかと思っています。

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米電気自動車(EV)専業のテスラは先月29日、
主力車種「モデルS」のリコール(回収・無償修理)
を始めたと明らかにしました。
寒冷地で使われる路面凍結防止剤の影響で
パワーステアリングのモーターを固定しているボルトが
腐食する恐れが判明したということで、
2016年4月以前に製造した12万3000台が対象となるとのこと。
ブランドイメージのさらなる毀損につながる可能性があります。

苦戦続きだった「モデルS」について、
ようやく量産のメドがついてきた矢先に、
このリコール問題が発覚しました。
米国の自動車メーカーの業績と時価総額を見ると、
テスラは売上高ではフォードやGMの10分の1にすぎないのに、
時価総額では両社に匹敵するほど評価されています。
一時期に比べると時価総額はやや下がりましたが、
それでも市場の期待は非常に大きいことが伺えます。

エイプリルフールの日に、イーロン・マスクCEOは
「イースターエッグを土壇場で大量販売するなど
資金調達に奮闘したにもかかわらず、
残念ながらテスラは完全に経営破綻してしまった」
と冗談ツイートをしていましたが、
テスラの置かれている状況を考えると、
こんな冗談はやめてほしいところです。
疑う余地がないほどIQが高いイーロン・マスク氏ですが、
EQはそれほど高くないのかもしれません。

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※この記事は4月8日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、自動車業界の話題を中心にお届けいたしました。

ライドシェアなどの移動サービス事業を統合する
と発表した独ダイムラーと独BMW。

これに対して大前は、ダイムラーとBMWが
競合するのではなく、統合するという選択肢をとったのは、
日本の自動車メーカーにとっては大きな脅威だと指摘しています。

今回のダイムラーとBMWの例のように、
グローバル化、競争激化、技術革新のスピードが上がり、
企業が自社の経営資源のみで成長を目指すことが
難しくなっていることから、戦略的提携が加速しています。

連携や提携で補完的な機能分担や価値提供を行うことで、
高い競争力を獲得し、競合に対する持続的な優位を
確保することができます。

2018年04月06日(金) 
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米フェイスブック/個人情報流出問題/米アマゾン・ドットコム 〜 フェイスブック問題の本質は、「完全に」アカウント削除ができないこと

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米フェイスブック 時価総額約8兆4000億円減
個人情報流出問題 シリコンバレー、始まった「逆回転」
米アマゾン・ドットコム 時価総額約81兆8000億円

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▼フェイスブック問題の本質は、「完全に」アカウント削除ができないこと
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フェイスブックの個人情報が流出していたことが発覚して以降、
株価が先月27日までに18%下落し、時価総額も約8兆4000億円減少しました。
沈静化へ向けて、マーク・ザッカーバーグCEOは、
議会で証言する考えを示していますが、
一部の投資家からは今回の件を受けて、
米国内外でフェイスブックやグーグル、ツイッターに対して、
より厳しい規制が課されるのではないかと懸念が上がっています。

このフェイスブックの問題は非常に深刻です。
フェイスブックの株価を見ると大暴落というほどではありませんが、
18%の下落は大きいと思います。米国上場企業の時価総額を見ると、
アップル、アルファベット、アマゾン、マイクロソフトに続いて、
バークシャー・ハサウェイが5位にランクインしています。
さらに中国アリババ、JPモルガン、ジョンソンアンドジョンソン、
エクソンモービルが上がってきています。
これまで上位はIT企業が独占してきましたが、
この1ヶ月間のIT企業の時価総額の下落は非常に激しいものになりました。

環境、社会性、ガバナンスの頭文字をとったESGという考え方があります。
投資判断として、財務諸表ではなく、ESG要素を考慮する投資を「ESG投資」と呼び、
2006年アナン国連事務総長(当時)が機関投資家に呼びかけたことでも話題になりました。
今後は、より一層この考え方が浸透してくるかもしれません。

今回のフェイスブックの問題で一番厄介なのは、
最終的に「完全に」自分のアカウントを削除することができない、
あるいは非常にそのプロセスが難しいということです。
単に自分のアカウントを削除しただけでは、自分とつながっている友達、
その友達とつながっている友達などのところに残っている情報までは削除されません。
そうした部分から、個人情報が漏れる可能性が残っています。

例えば私で言えば、過去に名刺交換などで知り合った人が数千人単位になりますが、
そのすべてにおいて私の情報を削除することはほぼ不可能だと言えるでしょう。

先日のビジネスウィーク誌に「Where's Our Digital EPA」
という記事が掲載されていました。
ここでは、デジタル社会でもEPAに匹敵する組織が必要ではないかと提言しています。

EPAは環境政策全般を担当する行政組織で日本の環境省に相当します。
人の健康や、大気・水質・土壌などに関する環境の保護・保全の役割を担っています。
「Where's Our Digital EPA」は、デジタル社会においても、
EPAのような存在が必要ではないか、ということです。
このままだと、フェイスブックという樽から汚れた油が流れ続けてしまう、と指摘しています。

フェイスブックは当初、個人情報を転売された自分たちは、
犠牲者であると発言していましたが、問題の本質はそこではありません。
フェイスブックに登録している人が、もう登録を抹消したいと思っても、
その情報を完全に削除できないということが
一番深刻な問題であるということが明らかになってきました。

日経新聞は、先月28日「シリコンバレー、始まった「逆回転」」
と題する記事を掲載しました。
個人情報の不正流出にからみ、規制論が高まる可能性がある一方で、
フェイスブックなどのIT企業が持つ高い技術力や
イノベーションを生む力は米経済の成長エンジンでもあり、
米産業の行方を決める歴史的な日になるだろう、としています。

かつてマイクロソフトは独占禁止法に違反しているとされ、
裁判を経験しています。あの時ビル・ゲイツ氏は弁護士に任せず、
裁判をすべて自分自身で対応していました。
今回のフェイスブックの問題で、ザッカーバーグCEOが
どのように対応するのかは注目したいところです。



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▼アマゾンの躍進に反比例で窮地に陥っているUPS
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先月20日の米株式市場でアマゾン・ドット・コムの時価総額が初めて
アルファベット(グーグルの親会社)を抜き、
アップルに次ぐ世界2位に浮上しました。
アマゾンは2月14日に初めてマイクロソフトを上回り、
時価総額で世界3位に浮上したばかりでしたが、
ネット通販とクラウド事業を柱に成長期待を背景に買いが続いています。

アマゾンの時価総額が大きくなる一方で、
米トランプ大統領は自身のツイッターで米アマゾンを名指しで
「税金を払っていない。数千の小売業を廃業に追いやっている!」などと批判しています。

税金問題以上に、深刻だと認識されてきているのがUPSの赤字問題です。
日本でもアマゾンのために、ヤマト運輸や佐川急便が大変な事態に陥りました。
ようやく値上げなどの対処をした結果、今は一息ついた状態です。

アメリカにおいてはアマゾンの影響力はさらに大きいですから、
UPSのような配送業者にかかる負担は遥かに大きなものになっています。
現状では、UPSは1個配送するたびに、1.5ドルの赤字になっているそうです。
超優良企業だったUPSが困窮しつつあります。

トランプ大統領の狙いとしては、配送業務に関わる多くの選挙民に対して、
自分がその処遇を改善したのだというわかりやすいアピールの場にしたいのだと思います。
私としてはこうしたアピールの仕方は賛同しかねますが、
トランプ大統領らしい分かりやすい方法です。
トランプ大統領の行動は99%について何一つ褒められたものではありませんが、
もしかしたら「UPSを救う」という1点において、
思わぬ役割を果たすかも知れません。



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※この記事は4月1日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、フェイスブックの話題を中心にお届けいたしました。

フェイスブックの問題は非常に深刻な問題となり、
大量の個人データを扱う企業全般への
規制論が高まる可能性がでてきています。

これら企業が持つ高い技術力やイノベーションを生む力は
米経済の成長エンジンでもあり、議会証言の日は、
米産業の行方を決める歴史的な日になるだとう、
としていますが、PEST分析のようなマクロ環境分析は
戦略立案において、非常に重要です。

自社で提供している製品、サービスや目の前の顧客だけをみていると
その市場の外側で何が起こっているのかが、見えなくなってしまいます。

環境の変化や事業活動に影響を与える要因を探り、
現在の環境とともに将来の環境に基づいて戦略を立案することが大切です。

2018年03月30日(金) 

■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
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コンビニエンスストア/ドラッグストア/ハウステンボス/シマノ 〜コンビニ神話崩壊の兆し、勝利の方程式のほころび

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コンビニエンスストア コンビニ客減少続く
ドラッグストア ドラッグストアひとり勝ち
ハウステンボス お客と紡ぐ「100年構想」
シマノ 自転車、山登りも自在

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▼コンビニ神話崩壊の兆し、勝利の方程式のほころび
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日経新聞が報じたところによると、
コンビニ大手7社の既存店客数は前年同月比1.4%減となり、
16年3月から24カ月連続で前年を下回りました。
客数の集計を始めた2004年以降で最も長く前年比減が続いており、
ドラッグストアやインターネット通販の台頭に押され、
小売りの勝ち組だったコンビニの成長神話にも
陰りがみえてきたとしています。

コンビニがまだ普及していない地域もあるので、
そうした地域への進出を考えるとコンビニ業界全体としては
伸びていく可能性はあると思います。
しかし、既存店の客数がこれだけ落ち込んでいるというのは
かなり危機的な状況です。

このコンビニ苦戦の要因を作っているのが、ドラッグストアです。
ドラッグストア市場の2017年度の売上高は6兆8504億円となる見込みで、
2年連続で百貨店を上回っています。
粗利率の高い医薬品や化粧品で収益を確保し、
日用品などを安値で販売するモデルが成長の原動力になっていて、
今後はネット通販との競合や他業態の追い上げをどうかわすかが焦点になりそうです。

コンビニは、その名の通り利便性を売りにしていて、
決して価格そのものは安くありません。
一方、安い価格で勝負をしていたスーパーは自滅していきました。
こうした市場環境の中、ドラッグストアは医薬品・化粧品など
粗利が高いものを取り扱いつつ、
コンビニでも売っているような日用品などを
安く販売するという戦略を取りました。
これにより、じりじりとコンビニから
ボリュームを奪うことに成功してきたということでしょう。

コンビニの戦略は、セブン&アイ・ホールディングスの
鈴木敏文元会長が提唱した勝利の方程式があまりにも浸透しすぎました。
商品棚の管理、商品の回転の管理を重視し、
商品の価格にはそれほど重きを置いてきませんでした。
それは、生鮮食品などを極力避けてきたところにも表れています。

一方のドラッグストアは、
コンビニには置いていないような少し変わった商品や、
詰め替え商品を扱うなどの工夫をしてきました。
鈴木氏が牽引してきたコンビニの勝ちパターンの漏れている穴を
ドラッグストアは見事に突いてきたと言えるでしょう。


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▼ハウステンボスに城壁都市 お客と紡ぐ「100年構想」
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エイチ・アイ・エス会長兼社長の澤田秀雄氏は、
ハウステンボスを囲む城壁を作る計画を明らかにしました。
来場者からの寄付を建設費に充て、金額に応じて城壁に名前を刻んだり、
ICチップを埋め込んだりするということで、
城壁の中にはテーマパークや工場、
また独自の仮想通貨「テンボスコイン」が流通する
という構想を語ったとのことです。

今から数十年前、私は「お墓の問題」で似たような構想を描いたことがあります。
都心にはお墓がなく作ることも難しいので、
例えば利用しなくなったゴルフ場や
富士山の裾野といった地域にお墓を作る、というものです。
お墓の前で、おじいちゃんの生前の写真を見ながら、
楽しくピクニックをしてもいいでしょうし、
富士山の裾野ならBBQをしてから一泊できる施設を作ってもいいでしょう。

澤田氏の発想もよく似ていると思います。
日本のように寄付の文化が無い国民に対して、
寄付をしてくれたことに対して、
ちょっとしたお返しのような仕掛けをする、
というのも私もお墓ビジネスで考えたアイデアの1つでした。
澤田氏のハウステンボスのアイデアはさらに膨らんだものになっています。


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▼世界に誇るシマノの技術力による電動アシストに期待
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自転車部品で世界シェア8割を誇るシマノが、
電動アシスト部品の製造販売に乗り出しました。
国内ではママチャリの電動アシストが一般的ですが、
欧米では脚力が低下した中高年でも楽しめる
スポーツ車の新ジャンルとして注目を集めており、
シマノはガラパゴス化した国内市場に変革の風を吹かせたいとのこと。

世界最大の自転車メーカーと言えば、
台湾のジャイアント・マニュファクチャリングです。
この会社も自転車の部品はすべてシマノ製です。
それだけの技術力を誇るシマノが、
電動アシストに乗り出すというのは非常に期待が持てます。

欧米では中高年の人が電動アシストを利用しているということですが、
日本でも箱根や湯河原へ行くと自転車に乗っている中高年の方が増えていると感じます。
こうした人たちが電動アシストを利用することで、
自然に親しみながら自転車に乗る機会をより増やしていくというのは、
とても良いことだと思います。

自転車ギアの技術で世界最高水準を誇るシマノが、
本気で電動アシストに取り組んだら、
どのようなものを作ってくれるのか、
大いに期待したいところです。


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※この記事は3月25日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
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今週は、コンビニやドラッグストアの話題を中心にお届けいたしました。

ドラッグストアやインターネット通販の台頭に押され、
小売りの勝ち組だったコンビニの成長神話にも
陰りがみえてきました。

これに対して、粗利率の高い医薬品や化粧品で収益を確保し、
日用品などを安値で販売するドラッグストアのモデルが
コンビニ苦戦の要因を作っていると指摘しています。

コンビニには置いていないような少し変わった商品や、
詰め替え商品を扱うなどの工夫をすることで、
コンビニの勝ちパターンの漏れている穴を突いてきたドラッグストア。

このように、戦略を描く際には、
市場のカギとなる場所を見つけることは非常に重要です。

ドラッグストアがじりじりとコンビニから
ボリュームを奪うことに成功してきたように、
市場のどこから進行して広げていくのか?
というようなストーリーを描くことが大切です。

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